くどう大輔発言録

平成23年2月定例会 予算特別委員会

(2011年03月02日)

〇五日市王 委員長

これより総括質疑に入ります。工藤大輔委員。

〇工藤大輔 委員

民主党・ゆうあいクラブの工藤大輔でございます。

平成23年度当初予算案に対し、会派を代表し総括質疑を行います。

最初に、災害についてお伺いします。

昨年12月22日から1月2日にかけて、暴風、波浪、大雪等による被害が県内各地で発生しました。倒木による停電の中で年を越さざるを得なかった世帯や、除雪が間に合わず、道路網を中心にライフラインが寸断された地域が数多く発生しました。我々はいかに電気に依存した生活を送っているのか、当たり前に過ごせる日々の生活のありがたさを再認識するとともに、たび重なって発生する自然界の猛威の要因となる環境の変化について考えさせられる期間ともなりました。

また、産業面では農林水産分野、特にも水産関係被害が68億円余と甚大であり、まだ記憶に新しい昨年2月のチリ地震による津波被害とあわせて、沿岸部においては水産基盤の不安定さがさらに進むこととなり、生産基盤の再構築を強化しなければならない状況下にあります。

そのような中、今日まで精力的に被害調査や復旧に向けて尽力をいただいた関係各位に感謝を申し上げますとともに、被害に遭われた方々にはお見舞いを申し上げます。

2月定例県議会の初日に、緊急的に必要な4事業、1億8、000万円余を2月補正予算とし、先議したいとの提案により、さきの本会議で審議の末、可決したところであります。その迅速な対応には、知事の早期復旧に向けた並々ならぬ決意を感じることができますが、知事は、この災害を振り返り、どのような思いを持って議案の提案を行ったのかお伺いします。

〇達増拓也 知事

災害対応予算の提案についてでありますが、1月7日に現地を視察しまして、被害の実態を目の当たりにしたところであります。改めて自然の猛威の恐ろしさを感じるとともに、危惧した以上に被害が大きいと認識したところであります。

こうした農林水産関係被害は生産活動に直結いたします。生産者の方々の経営安定に向けた一日も早い復旧、復興が何より重要と考えまして、緊急的な対応が必要となるものについて今議会の開会日に提案し、可決をいただいたところであります。今後、可決いただいた予算の早期の事業化を図り、被災した生産者の方々が希望を持って農林水産業を続けていくことができるよう、市町村等と連携し、復旧、復興に取り組んでまいりたいと考えております。

〇工藤大輔 委員

民主党岩手県連並びに民主党・ゆうあいクラブでは、1月10日と11日の2日間をかけて、特に被害が大きかった洋野町から釜石市までの災害調査を行いました。その後、1月18日に6項目にわたる要請を知事に行い、その多くを盛り込んでもらえたところであり、感謝を申し上げます。

また、一方では、全般的に見て、これまでの災害復旧のスキームどおりの内容となっており、漁協経営の4割から7割を占める定置網の被害を5年前に受けた漁協もあることから、地域特性や漁協経営を加味した支援なども必要ではないかと考えます。毎年発生する災害復旧について、その課題をどのように認識し、今後取り組んでいくのかお伺いします。

〇上野善晴 副知事

繰り返されます災害に対する県の課題認識と取り組みについてのお尋ねでございますが、養殖業や定置網漁業は本県の漁業生産の主要な位置を占めておりまして、日ごろから災害に備えることは極めて重要でございます。こうしたことを踏まえまして耐波性の高い施設を整備するほか、仮に災害が生じた場合の早期復旧には漁業共済への加入というものも必要かと考えております。

そこで、より耐波性の高い施設の整備には国の交付金や県単独補助金を活用するとともに、自立的な安定経営を進めるため、市町村、関係団体等と連携をいたしまして、定置網や養殖施設の共済加入をさらに促進することといたしております。

また、平成18年に引き続く被災により経営状況が厳しい漁協に対しましては、復旧、復興に向けまして、県と市町村、関係団体が一体となり経営指導を行うなど、被災の状況に応じた必要な支援を行うとともに、国に対しましては、定置網施設についても激甚災害指定が受けられるよう指定要件の見直しについて要望を行っておりまして、今後とも災害に強い態勢づくりに努めてまいります。

〇工藤大輔 委員

災害復旧をする上で、原状復旧するというのが大きいわけでありますが、やはり同様のものが発生した際に同じような被害が発生しては意味もないものですので、今後とも災害に強い態勢づくりを進めるよう要望したいと思います。

また、このほか、4年の間には、県北、県南地域での震度6を超える大規模地震や津波被害、ゲリラ豪雨なども発生しました。今後、三陸沖では大規模地震津波も予測されており、突発的に発生する災害への備えや地域力を生かした減災への取り組みが求められます。来年度は警察のヘリコプターにデジタル対応した機材や、平成24年度にはドクターヘリの導入が予定されておりますが、どのような役割を期待しているのでしょうか、お伺いします。

〇菅野洋樹 総務部長

今年度当初予算に、県警本部のヘリコプターにいわゆるヘリコプターテレビ中継システム、俗にヘリテレと呼んでいますが、これの更新費用を見込んでございます。また、現在、ドクターヘリについては担当部において検討を深めているところでございます。

県警のいわゆるヘリテレにつきましては、現在も災害の現地把握、そこで映しました映像等を県庁に送りまして、そこでの現状把握等に役立っているところでございます。今回、これが、今までアナログだったものがデジタル化されるということで、より解像度が高まってまいりますので、これまで以上に現状把握が高まるものと思ってございまして、こういった災害の活用に期待を持っているところでございます。

また、ドクターヘリにつきましては、災害のみならず緊急的な患者さんが発生した場合に機動的に動けるということで、当然、災害においても遺憾なく力を発揮していただけると思ってございまして、これらによりまして、本県の災害対応力も今以上に向上するものと思っているところでございます。

〇工藤大輔 委員

次に、平成23年度の国の予算の評価についてお伺いします。

平成23年度予算は民主党政権が一から編成した初めての本格的な予算であります。歳出の大枠を約71兆円とし、デフレ脱却のため国債発行額を約44兆円とするなど、財政運営戦略中期財政フレームで定めたぎりぎりの財政規律を守っての編成となりました。

社会保障費5%増、法人実効税率の5%引き下げ、中小企業の軽減税率3%引き下げ、職業訓練期間中の生活支援策と求職者支援制度、地方交付税を過去最高水準での確保、5、000億円規模での地域自主戦略交付金の創設など、税制改正とあわせ従来型と異なるものとなっていますが、国の新年度予算編成の評価をお伺いします。

また、現在の国会審議において、この国の予算案や特例公債法案を初めとする予算関連法案の年度内成立が危うい状況になっておりますが、仮に国の予算等が年度内に成立しない場合、4月以降の県の予算や事業の執行にどのような影響が生じ、どのように対処するのかお伺いします。

〇達増拓也 知事

国の平成23年度予算編成の評価についてでありますが、平成23年度予算案については、厳しい財政状況の中、地方財政について一般財源総額が前年度を上回る59.5兆円が確保され、地方交付税が17.4兆円と、前年度と比較して0.5兆円増額されるなど、一定の評価ができるものと考えております。

この中で、本県が求めていましたIGR関係の貨物線路使用料制度の見直しについては、JR譲渡資産に係る資本費が対象経費に追加されるなど、制度を見直す方針が示されており、将来にわたって並行在来線の安定経営に寄与するものとして高く評価しております。

また、都道府県分約5、000億円が確保された地域自主戦略交付金の創設については、地方の自由裁量を拡大する一括交付金化の端緒を開いたものとして、地域主権の着実な推進という観点から評価できます。

子ども手当については、地方負担が継続されたことは残念でありますが、保育料や学校給食費への充当などの地方の主張が一部受け入れられ、また、地方が子育て支援を行うための財源の拡充が図られており、一定の評価はできるものと考えております。

〇菅野洋樹 総務部長

国の予算関連法案が成立しない場合の県予算への影響についてでございますが、国におきましては、この場合、40.7兆円を超える歳入欠陥が生じ、年度当初からの予算執行を抑制せざるを得ない事態も考えられること、また、地方交付税や臨時財政対策債等についても大幅な減となり、4月の概算交付額にも影響するなどの懸念を表明しているところでございます。

このような事態に陥った場合、県といたしまして、4月から直ちにすべての予算の執行が不可能となるわけではございませんが、国庫補助事業の執行保留による事業着手のおくれなどが懸念されるところでございまして、県財政を担当する立場の総務部長といたしましては、このような事態で地方財政に影響が及ぶことのないよう、平成23年度予算の関連法案の早期の成立を期待しているところでございます。

〇工藤大輔 委員

国の予算は4割の財源を赤字国債で賄っていることから、予算関連法案26本中、特例公債法案が通らないだけでも実際に大きな影響が出てきます。また、輸入品や住宅ローン、中小企業経営に係る減税分など、通常税率に戻ると実質増税となり、混乱を極めてしまいます。速やかな予算成立により国民生活に安定をもたらし、日本の危機を脱する1年となるよう期待するものであります。

次に、県の平成23年度当初予算案について何点かお伺いします。

平成23年度当初予算は、知事選を控えての骨格予算としておりますが、その総額は6、816億円と、前年度当初予算対比で2.5%の減となっています。平成15年度の骨格予算時は前年度当初予算対比で6.5%の減、平成19年度の骨格予算時には前年度当初予算対比で7.9%の減と、過去の骨格予算と比較して、その減少幅が縮小していることが今回の当初予算の特徴の一つであると理解をしております。

そこでお伺いしますが、平成23年度当初予算は、県内経済情勢が厳しい中、どのような点に配慮して編成を行ったのか、予算編成の基本的な考え方についてお示し願います。

〇達増拓也 知事

平成23年度当初予算編成の基本的な考え方についてでありますが、平成23年度当初予算は、知事選を控え、義務的な経費や継続事業を中心として編成をしたところであり、新規事業や政策的な事業は、今後、6月補正予算として編成を行うこととなるものであります。ただし、現下の社会経済情勢を勘案し、県民の直面する諸課題へ対応するため、新規や政策的な事業であっても、雇用対策関係事業や医療・福祉関係事業など、早期に事業着手が必要な事業については当初予算に計上しているところであります。

その結果、過去の骨格予算では、平成15年度当初予算が前年度比6.5%の減、平成19年度当初予算が前年度比7.9%減であるのに対しまして、平成23年度当初予算は前年度比2.5%の減となり、減少幅が縮小しております。

なお、今年度の補正予算において、国の平成22年度補正予算と連動した経済対策事業の追加計上を行っておりまして、県民の仕事と暮らしを支えるため、切れ目ない対応を行うこととしております。

〇工藤大輔 委員

平成23年度の国予算案では、公共事業関係費について4兆9、743億円、前年度対比で13.8%の減、一括交付金化の影響を除いても5.1%程度の減となっております。

一方、県の平成23年度当初予算では、骨格予算としつつも、前年度対比で1.3%に下げどまりした予算となっています。普通建設事業の実施は県債発行の増につながると思いますが、どのような考えのもと、公共事業を含めた普通建設事業の予算計上を行ったのかお伺いします。

〇菅野洋樹 総務部長

普通建設事業に係ります予算計上の考え方についてでありますが、平成23年度当初予算は骨格予算でございますので、平成22年度当初予算対比で公共事業関係予算は12.4%の減となっております。ただ、一方、現下の経済情勢にかんがみまして、公共事業を含めました普通建設事業は1.3%の減にとどめたところでございます。普通建設事業の財源といたしましては、当然、県債を充てることになるのが通常でございますが、県債の発行により県の将来負担を増加させないよう、国の経済対策等により設置した基金を有効に活用したところでございます。県といたしまして、管理が可能な県債の縮減に努める方針のもと、臨時財政対策債を除きました普通建設事業等の財源として発行する県債の発行額は、前年度比7.4%、37億円の減としているところでございます。

〇工藤大輔 委員

予算編成の中で主要3基金の取り崩しを行わず編成したというような説明がありました。国の地方財源対策では、地方交付税は一定程度増額されるものの臨時財政対策債が大幅に減少となり、県税及び実質的な地方交付税の総額では46億円程度の減収見込みのようであります。肉づけ予算となる6月補正の財源は大丈夫なのでしょうか。現時点でどのように対処するのか、考えをお伺いします。

〇菅野洋樹 総務部長

6月補正予算の財源についてでございますが、御指摘ございましたとおり、平成23年度当初予算は、県税等に実質的な地方交付税を含めました一般財源が約46億円の減収となる一方で、義務的経費の増加が見込まれましたことから、既存事業を見直すとともに、限られた一般財源や国の経済対策等により積み立てられた基金を効果的に活用いたしまして、予算編成を行ったところでございます。

今後、6月補正予算におきまして、新規または政策的経費に係る予算編成を行うこととなるわけでございますが、その際は、あくまでも必要な事業を積み上げつつ、その内容に応じまして、国庫補助金や県債、または経済対策等で積み立てた基金、さらには主要3基金の活用など財源の確保について検討しながら、あくまでも必要な事業を積み上げるという観点で予算を編成することとさせていただきたいと考えております。

〇工藤大輔 委員

その場合、実質、財源はどの程度計上できる見込みとか、あるいは可能性があるのかお示し願います。

〇菅野洋樹 総務部長

行おうとする事業によって、国庫補助事業に該当するもの、もしくは国の経済対策等で積み立てた基金を使えるもの、あとは県債を充てられるもの、または純一般財源で対処しなければならないもの、いろんなものが考えられますので、現段階で6月補正で幾らぐらい財源を措置できるかというのはなかなか申し上げれないところがございます。したがいまして、必要な事業を積み上げつつ、それに必要な財源を確保していく。通常の現在積み立てております主要3基金の活用等も含めまして、総合的に6月補正の段階では検討してまいりたいと考えております。

〇工藤大輔 委員

平成23年度当初予算によると、公債費は1、186億円余と前年度当初予算と比べて37億円余、3.2%の増となっています。平成22年度当初予算における公債費も平成21年度当初予算と比べて130億円、13.1%の大幅な増となっておりました。平成27年度をピークとし、今後も公債費は増加していく見込みということでありますが、この状況に対しどのように対処していくのか、今後の財政運営の基本的な考え方をお伺いします。

〇菅野洋樹 総務部長

今後の財政運営の基本的な考え方でございます。地方の財政がこのように厳しくなったというのは、やはり国による地方交付税の削減というのは非常に大きく影響してございます。まずは地方の財源を十分確保できるような税財政制度改革を国に強く求めていく必要があろうと思ってございます。

ただ、一方、御指摘のありましたとおり、今後の公債費の償還が続くというところから、今後、公債費をさらに増加させることのないよう、県債残高の規模を中長期的に抑制していくことを目指しまして、県として、主体的に管理が可能な通常の地方債については、発行規模を適切に管理していく必要があろうと考えてございます。

同時に、先ほど申し上げましたとおり、今後しばらく県債償還の増加が見込まれる中で、県民の方々への行政サービスの提供に著しい支障を生じることがないよう、事務事業や管理経費の見直しを含め、より一層の行財政改革を進め、持続可能な財政構造を構築していく必要があろうと思ってございます。したがいまして、単年度だけではなくて、中期的な見直しのもとに、主要3基金の活用も含めました予算編成を行っていく必要があろうと考えております。

〇工藤大輔 委員

先般、追加提案された2月補正予算には経済対策予算が盛り込まれており、骨格予算である平成23年度当初予算とあわせ一体的に県民生活や地域経済への切れ目のない対策を講じていくこととしています。こうした考えの中で、あえて質問をしたいと思いますが、2月補正予算編成の基本的な考え方、経済対策予算の内容についてお伺いをしたいと思います。

あわせて、国の補正予算により、DV対策、自殺予防など社会的に支援が必要な方々への対策、知の地域づくりに対する地方の取り組みを支援する住民生活に光をそそぐ交付金が交付されておりますが、2月補正予算においてどのような事業を措置したのかお示し願います。

〇達増拓也 知事

2月補正予算についてでありますが、2月補正予算は、現下の経済社会情勢を踏まえた必要な対策を講じると同時に、将来への備えを行うための補正予算として編成いたしました。

平成23年度当初予算は骨格予算でありますが、2月補正予算に盛り込んだ経済対策関連事業とあわせて、県民生活や地域経済への切れ目のない対策を講じていく考えであります。さらに、最終的な県税収入等の見込みや地方交付税の追加交付などを踏まえて、将来にわたり持続的な財政運営を行うために、財政調整基金や県債管理基金への積み立てを行うこととしたところであります。

経済対策予算の主な内容は、公共事業などの建設事業を約70億円追加し、国の交付金による特定目的基金への積み立てを行いますほか、地域活性化交付金を活用し、社会的に支援が必要な方々のための関係施設の改修や公共施設の修繕などきめ細かなインフラ整備を行うことにより、有効需要や地元中小企業の受注機会の創出を図ることとしています。

さらに、県のさまざまな試験研究機関における研究機器の更新整備を行って、将来に向けた研究開発等の取り組みを一層強化していくこととしたものであります。

〇菅野洋樹 総務部長

住民生活に光をそそぐ交付金への対応についてでありますが、社会的に支援が必要な方々のための事業といたしまして、自殺予防のための相談体制等の充実を、ドメスティック・バイオレンス対策といたしまして婦人保護施設の環境改善のための改修、さらには児童養護施設、特別支援学校等の環境改善などの事業費を計上したところでございます。

また、あわせまして、知の地域づくりといたしまして、図書館、美術館等の文教施設における修繕、改修や必要物品の充実などを中心としたところに事業費を計上したところでございます。

〇工藤大輔 委員

では、次に行財政改革についてお伺いします。

平成19年度から22年度までの行財政改革の取り組み成果として実施見込みの報告が示されました。これまで、前期2カ年の集中プログラム、後期2カ年のアクションプラン改革編において、本庁組織体制の整備、権限の見直しと能力開発による組織パフォーマンスの向上、歳入確保の強化や総人件費の抑制など、行財政の簡素効率化の推進など、四つの改革の方向性を示しながら取り組んでこられました。それらの成果を踏まえ、次期行財政改革ではどのような視点を取り入れていくべきと考えているのでしょうか。また、次期知事のマニフェストに沿って、就任4年間での政策実現を果たすため、いわて県民計画の地域編、政策編とセットでその方向性を示すようですが、そのスケジュールをお伺いします。

〇菅野洋樹 総務部長

今後の行財政改革についてでございますが、ただいま委員からお話のございましたこれまでの成果も踏まえまして、現在、いわて県民計画の長期ビジョンに掲げてございます、一つは、いわての未来づくりを支える専門集団へ─これは職員の確保でございます─それから、いわてを支える持続可能な行財政構造の構築、多様な主体による公共サービスの提供、活力に満ちたいわてを実現する分権型行政システムの確立、この四つの視点に基づきまして具体的な方向性を検討していきたいと考えてございます。

策定スケジュールにつきましては、選挙後、新しい知事のもと、このスケジュール等も含めまして、検討また作業を進めることになりますが、早期にこれらの全容をお示しできるよう努力してまいりたいと考えております。

〇工藤大輔 委員

統一地方選後、速やかに方針を示し、一体性をもって県行政を進めるように、早期の計画また内容を示すことを望んでいきたいと思います。

それらを実行するに当たりまして県の組織体制は非常に重要となってまいります。平成19年に、知事は就任後、総合防災室に特命課長の配置や、観光行政を一体的に進めるための観光振興担当課長の配置などを行ってきました。そして、今年度はいわて県民計画の着実な推進を進めるために、秘書広報室や政策立案機能の強化を目指した政策地域部の設置、四つの広域振興局体制への完全移行など、行政課題に応じた組織体制の整備や業務執行体制の見直しを行ってきたところでありますが、平成22年度に実施した組織体制をどう評価しているのでしょうか、お伺いします。

〇菅野洋樹 総務部長

組織体制の評価についてでございますが、平成22年度は、本庁の再編と4広域振興局体制の整備を行ったところでございます。本庁におきましては、秘書広報室、政策地域部の設置等によりまして積極的な情報発信が図られたこと、政策立案機能が強化されたこと、さらには広域振興局と本庁との連携が一層強化されたことなど、また、広域振興局の設置によりまして、地域のさまざまな主体との連携による振興施策の展開が図られたことなど、おおむね所期のねらいが生かされているものではないかと考えているところでございます。

〇工藤大輔 委員

知事部局4、000人体制が実現しようとしている中、いわて県民計画の着実な推進を果たしていくには的確な人事配置が求められます。来年度は平泉の世界文化遺産登録をつかむ年となり、いわてデスティネーションキャンペーンとあわせて岩手の魅力を国内外に発信する期待の年ともなります。県産品の販売強化や産業振興に向けた取り組みなどを加速させようとする中、来年度の政策的課題にどのような体制で取り組んでいくのか、その方針をお伺いします。

〇菅野洋樹 総務部長

来年度の職員体制についてでございますが、限られた職員体制の中にありましても、ただいま御指摘のありましたとおり、緊急に取り組まなければならない重要な政策課題については、着実に成果を上げることができるよう、特に意を用いたところでございます。このため、平泉の世界遺産登録を契機といたしましたいわて平泉年の推進、平成24年度のいわてデスティネーションキャンペーンに向けた取り組み、さらには米の生産、販売対策や米価対策、農業者戸別所得補償制度への対応等、さらには広域振興圏の特色を生かした産業振興、それから総合的な自殺対策、こういった中に、通常、職員体制についてはどうしても減らさざるを得なかったところでございますが、ただいま申し上げたようなところについては定数を増加するなど、重要な政策課題へ的確な対応を行うため、必要な職員体制の見直しを行ったところでございます。

〇工藤大輔 委員

知事は就任以降、特命課長、担当課長など、特定政策課題に対し専従職員を配置し、課題解決に当たってきました。来年度においては、適正なNPO支援や新しい公共の促進のための特命課長の配置、いわて花巻空港における国際線の受け入れ態勢の整備、誘致を行うために特命課長を配置するなど、重点施策分野に対し、課長職の新設を行おうとしていると伺っております。

情報化戦略等の策定、情報通信インフラの構築、検討などを行うため、平成21年度に、民間から行政情報化推進課長職に登用しましたが、知識や経験、人脈を持った外部の人材を招聘することも目的達成のための有効な手段となると思いますが、今後の方針をお伺いします。

〇菅野洋樹 総務部長

外部人材の登用についてでございますが、これまで、若手職員を中心といたしました民間企業経験者の採用に加えまして、管理職につきましても、行政情報化、自動車部品調達、危機管理、食産業育成などの分野において、外部人材の登用を行ってきたところでございます。

県民ニーズが多様化、高度化している中にありまして、県民に対して、より質の高いサービスを提供するためには、民間企業等におけるさまざまな経験、それから、特殊、専門的な能力を有する人材の確保は有効な手段でございます。したがいまして、今後とも、必要に応じて県民ニーズに対応いたしました外部人材の登用に努めてまいりたいと考えております。

〇工藤大輔 委員

県の仕事の中には、観光や企業誘致など、外に向けた仕事も数多くあります。そういった中では、民間の力を借りる、また、そういった方々に県庁の組織に入ってもらうというのは非常に大切なことではないかと思います。人事配置に当たっては、広くアンテナを立てて、いい人材を県の中に取り入れながら、施策推進に当たっていただきたいと思います。

また、岩手国体の開催年が近づいており、体制強化を進めながら、急ピッチで準備作業を行っております。前回の国体開催時は、国体局を設置し、100名規模で開催準備に当たったようですが、国体に向けた今後の組織や人事のあり方をどのように考えているのか、現段階における考えをお示し願います。

〇菅野洋樹 総務部長

国体に向けた組織、人事のあり方についてでございますが、前回の岩手国体、それから2巡目国体の先行県の状況を見ますと、国体開催年の3年程度前には、部局相当のいわゆる推進組織を設置していると。それから開催年には、おおむね100人前後の職員体制となっているというのが今までの傾向でございます。

平成28年度の国体につきましては、岩手の魅力を全国にアピールいたしますとともに、国体の開催が地域の財産となるよう、全県を挙げた県民運動を展開する必要があろうと思っています。また、当然のこと、円滑な国体準備、開催を行うための体制整備も必要でございます。

ただ、一方で、県の行財政が極めて厳しい状況にありますこと、それから国体簡素化の流れも踏まえつつ、国体推進業務の効率化を図りながら、必要な体制を検討してまいりたいと考えております。

〇工藤大輔 委員

また、平成28年度の開催に向け、今後、国体競技の会場となる市町村の施設整備についても着実に実施をしていかなければならないと思いますが、現時点における全体の整備計画やその所要額についてお示し願います。

また、市町村が行う競技施設の整備に対し、県としてどのような支援を行う考えか、お伺いします。

〇加藤主税 政策値域部長

国体競技の会場となる市町村の施設整備についてでございます。

全体の整備計画でございますが、去る2月4日に行われました国体県準備委員会の常任委員会におきまして、市町村を初めとする施設設置者の施設整備計画を取りまとめ、第1次の競技施設整備計画を策定いたしました。

現時点では、正式競技及び特別競技の38競技を、県、市町村及び民間の70施設で実施する予定であります。今年度から実施しております中央競技団体による正規視察の結果を踏まえ、そのうちの59施設で改修、仮設などの整備が必要となってくるものでございます。

これらの競技施設につきましては、平成27年のリハーサル大会までを目途に、計画的かつ着実に整備を進めていくこととしております。

施設整備全体の所要額でございますが、市町村において整備内容を検討中の競技や会場施設が確定していない競技がございまして、精査した数値ではないものの、先催県の類似施設などを参考に試算いたしますと、現時点では、概算で100億円を上回る規模になるものと見込まれております。

次に、競技施設整備に対する支援の考え方等でございます。

競技会場となる市町村の施設整備に要する経費につきましては、国民体育大会県及び会場地市町村の業務分担経費負担基本方針によりまして、会場地市町村が負担することとなっております。こうした基本的な考え方に立ちつつも、いずれの先催県におきましても、市町村の財政負担を軽減するため、競技施設の整備に対しまして補助を行っております。

今般、先催県に準じた補助制度を創設することとしたところでございまして、市町村と連携を図りつつ、平成23年度から競技施設の整備を促進していきたいと考えております。

制度の内容といたしましては、一般競技施設の新設、改修は補助率2分の1以内、限度額1億円、常設の特殊競技施設につきましては補助率3分の2以内、限度額2億円、仮設の特殊競技施設は補助率10分の10以内、全額ということになりますが、限度額は知事が必要と認める額としたいと考えております。

また、自治振興基金の貸付制度を見直しまして、国体の競技施設等の整備事業を貸付限度額及び貸付利率の特例の対象とすることにしておりまして、市町村の財政負担を軽減いたしまして、競技施設の整備促進を図ることとしております。

なお、県、市町村の厳しい財政状況等も踏まえまして、既存の各種財政措置等の活用によりまして財源確保が図られるよう、市町村に対しましても必要な助言を行っていく考えでございます。

〇工藤大輔 委員

先ほど財政の関係で質問しましたが、公債費の返済のピークとなる平成27年度の翌年に岩手国体が開催されます。国体関連予算がふえる見込みでありますが、当然、通常の事業も同時に進めてまいらなければなりません。財政的には非常に難しいかじ取りになると思いますが、より一層の行財政改革を進めながら、この厳しい年度、また、厳しい期間を乗り切ってもらいますように、財政規律を守りながら取り組むよう、要望したいと思います。

次に、平泉世界文化遺産を契機とした地域振興策についてお伺いします。

本年は、平泉の世界遺産登録となる年となります。これを契機とし、平成23年の1年間をいわて平泉年とし、自立と共生の理念を柱とする、平泉の文化遺産の価値の普及などに関する取り組みを集中的に実施することとしておりますが、これは、観光はもとより、地域振興のツールとして、全庁的に取り組まなければならないものと考えています。

また、この取り組みは、本県の観光振興にとっても千載一遇のチャンスであります。平泉、県南地域のみならず、県、市町村を挙げて、県北・沿岸地域にも波及させていく必要があると思います。幸い、平成24年に実施が予定されているJRのデスティネーションキャンペーンがあり、平成23年度には、プレデスティネーションキャンペーンや全国宣伝販売促進会議など、本番に向けたさまざまな取り組みが予定をされております。

そこでお伺いしますが、今年度、このいわて平泉年の取り組みについて、県全体でどのような取り組みを行おうとしているのか、具体的にお伺いします。

また、平泉の理念、価値等をどのように県全体に浸透させ、岩手全体の観光振興に結びつけていこうと考えているのか、あわせてお伺いします。

〇上野善晴 副知事

いわて平泉年の取り組みについてでございますけれども、県では、平泉の文化遺産の世界遺産登録以降、速やかに自立と共生の理念を柱といたしますいわて平泉宣言、これは仮称でございますが、これを発表するとともに、平泉がテーマの記念貨幣、切手の発行や東北各県との連携も視野に入れた広報、それから平泉の知名度、ブランド力を活用した、多様な手法による岩手の豊かな魅力の情報発信や県産食材及び伝統工芸品の開発、販売促進など、さまざまな分野の取り組みを行うことにいたしております。

これらの取り組みと合わせまして、この宣伝に賛同する県民や企業、団体などの自主的、自発的な取り組みを、各種インターネット媒体を通じまして広く情報発信することにより、県内各地を会場に博覧会が開催されているようなイメージで、県全体として統一感のあるいわて平泉年を開催していきたいと考えているところでございます。このため、この2月に、知事を本部長といたします岩手県平泉世界遺産事業推進本部を設置いたしまして、全庁的な推進体制を強化したところでございます。

今後は、幅広い県民が参画し、県全体での取り組みとなるよう、世界遺産登録を見通しつつ、関係市町村、団体等で構成する実行委員会を設置する予定でございまして、この中でも、理念に沿ったさまざまな企画を募るなどしながら、希望郷いわてづくりに向けたさまざまな施策を集中的に展開していきたいと考えております。

また、岩手全体の観光振興への結びつけについてでございますが、こうしたいわて平泉年の取り組みの一環といたしまして、おっしゃるようにいわてデスティネーションキャンペーン、通称DCでございますが、これにおきましては、世界遺産登録を契機といたしました県民や県内各地域の観光振興に向けた機運の醸成を図りながら、地域が主体となった魅力ある観光地づくりの取り組みを進めるとともに、おもてなしの心が県民に深く浸透するよう、努めていくところでございます。

また、今後は、6月の世界遺産登録に引き続き、7月に開催いたしますDCの全国宣伝販売促進会議を通じまして、旅行会社へセールスなどを行い、県内各地域にまたがる旅行商品造成の促進に向け、多くの観光客が県内各地域を訪れていただくよう、取り組んでいるところでございます。

〇工藤大輔 委員

いわて平泉年の取り組みの中に、宣言というものの答弁がありましたが、この宣言、内容的にはどういうものを意図するものなのか、お伺いをしたいと思います。

また、さまざまJR等に提案しながらメニューを設けていかなければ、広く県北・沿岸を含めた波及効果というのも実際には出てこないと思います。具体的にどのような方向性を示そうとしているのか、また、提案をしようとしているのか、あればお伺いします。

〇上野善晴 副知事

まず最初に、いわて平泉宣言、これは仮称でございますけれども、その内容についてのお尋ねでございますけれども、これについては、これから庁内あるいは県民の皆様と、いろんな動きをうかがいながら検討してまいりたいと思っております。要は、この平泉宣言、平泉の世界遺産登録と、これを機に県民運動を盛り上げて県内各地の地域振興を図っていくと、そのためのさまざまな取り組みをこれから考えていこうということでございます。

二つ目に、JR等各方面への働きかけの重要性ということでございます。

おっしゃるように、この平泉の世界遺産登録というのを契機に、県内全域、さらには隣県も含めましてこの波及効果を及ぼしていくこと、それから地域活性化のための起爆剤となること、こうしたことが求められていると思いますので、私どもといたしましては、JRはもちろんでございますが、いろんな関係の旅行会社あるいは国、それから関係団体を含めまして、いろんなところにこの宣言のもとでPRをいたしまして、これが全県に必ず波及していくように、地域活性化の起爆剤となるように努めてまいりたいと思っております。

〇工藤大輔 委員

では、よろしくお願いしたいと思います。

次に、雇用対策についてお伺いします。

雇用情勢は、県内の昨年1年間の平均の有効求人倍率が0.43倍であり、リーマンショック直後の平成21年の0.34倍に比較すると改善されてはきておりますが、依然として厳しい状態であり、地域経済の回復も足踏み状況が続いています。

平成23年度当初予算案は骨格予算としつつも、県内の厳しい経済、雇用情勢に対応する予算については、新規、政策的な経費であっても、この当初予算に積極的に盛り込んでいることとしておるようであります。雇用対策基金の活用や産業振興施策による雇用創出のほか、きめ細かな離職者への職業訓練の実施など、引き続き、経済、雇用対策の取り組みを強力に実施していくことが必要と考えますが、県の平成23年度における経済、雇用対策に対する考え方をお示し願います。

〇上野善晴 副知事

平成23年度の経済、雇用対策の基本的な考え方についてでありますが、経済、雇用対策は喫緊の課題と認識をいたしておりまして、2月7日に開催をいたしました岩手県経済・雇用対策本部会議におきまして、平成23年度の経済、雇用対策の取り組み方針を決定いたしまして、引き続き雇用の創出と就業の支援に取り組むとともに、中長期的な視点に立ちまして、地域経済の活性化の取り組みを強力に推進することとしたところでございます。

骨格予算となります平成23年度当初予算におきましても、必要な事業を計上し、切れ目のない対策を講じていくこととしております。

具体的には、雇用の創出と就業の支援につきましては、総額約80億円の雇用対策基金事業により約2、350人、各種の産業振興施策により約1、350人、合わせまして3、700人の常用雇用を創出するほか、住宅手当、生活資金の貸し付け、職業訓練の実施など、引き続き、きめ細かな生活、就労支援に努めていくことといたしております。

さらに、地域経済の活性化につきましては、本県経済の持続的な成長を目指しまして、産業集積の促進、地場企業の技術力向上などによるものづくり産業の振興や、地域の特性、資源を生かした食産業、観光産業、あるいは農林水産業の振興に取り組むほか、次世代産業の創出につながる研究開発、中小企業の前向きな取り組みや経営安定に向けた円滑な資金供給などに取り組むことといたしております。

〇工藤大輔 委員

若年者の就職支援についてお伺いをしますが、全国的に大卒の内定率が過去最低と報じられるなど、若者の就職が非常に厳しい状況にあります。県内の若年者の雇用の現状と課題をどのように認識しているでしょうか。

新年度予算で、ことし春、新卒者等への就職支援について具体的にどのような対策を講じようとしているのか、お伺いします。

〇上野善晴 副知事

若年者に対します就業支援についてでございますけれども、この春の高校卒業予定者につきましては、早い段階から個別企業を訪問して採用要請をするなどの取り組みを進めたこともございまして、県内企業からは、早期に求人票を提出していただいたところでございます。その結果、1月末の内定率は全体で89.7%と、前年同期を上回っております。

大学生につきましては、1月末の内定率は全体で65.9%でありますが、一部の免許等が就職にかかわる学部を除きました県内の主要大学への聞き取り調査によりますと、おおむね70%から80%の内定となっており、ほぼ昨年並みであるということのようでございます。当面、未内定者が年度内に内定を獲得できるよう手だてを尽くしていく必要がありますが、未就職のまま卒業する方への支援についても課題であると認識しております。

次に、平成23年度においてでございますけれども、各地域のジョブカフェと各広域振興局に配置をされております就業支援員及びハローワーク、教育機関等が連携して、継続して支援が受けられる体制を構築するほか、新たに新卒未就職者を含む若年層を支援するため若年者地域人材育成事業を実施いたしまして、民間企業が新卒未就職者等の若年者を雇用いたしまして、就業に必要な知識、技術を習得する研修を行いまして即戦力となる人材の育成を図るとともに、企業への就職を促進することといたしておりまして、こうした対策によりまして若者の就職をしっかりと支援していくことといたしております。

〇工藤大輔 委員

社会に出る最初につまずきが出ないように、今後とも強力に支援策を講じていただきたいと思いますし、また、ミスマッチが生じないように、学生のほうにも、例えばインターンなどを積極的にするような活動を進めるなど、社会に向けての考え方、就職に向けての考え方というのも、今後それぞれの分野で必要だと思います。

学校サイドのほうでは職業先、地域のところに何日間かのインターンのような形のものも進めておるのはわかっておりますが、短期間だけでは全般的な情勢も学生にはわかりません。これらが自主的に学生が取り組める体制になるということが、企業が必要な人材へと結びついていくのではないかと思いますが、これらの考えについて所見をお伺いしたいと思います。

〇上野善晴 副知事

今、委員からお話がございました若年者の就業支援につきましての重要性は、私どもとしても最重要課題の一つと認識いたしておりまして、先ほど申し上げましたように、若年者の地域人材育成事業という新たな事業を通じまして、就職を支援する企業、一般の企業も含めまして、こうした企業に呼びかけて、実際にこうした企業に雇っていただく、あるいはこうした企業に研修をしていただくと、こうした新しい取り組みも含めまして、今おっしゃったように、若い方々が最初の段階で就職につまずいたりとか希望を失ったりとか、そうしたことがないように、県全体として取り組んでいきたいと思っております。

〇工藤大輔 委員

次に、長期失業者への支援対策についてお伺いします。

長期の景気低迷や大規模な事業所閉鎖などにより、県内でも長期に失業されている方が多数いらっしゃいます。県では、新年度予算において、モデル的に長期失業者への支援策を講じる予定とのことでありますが、その内容についてお示し願います。

〇上野善晴 副知事

長期失業者への支援対策についてのお尋ねでございますが、これまでワンストップ・サービス・デイなどでの相談内容を見ますと、失業が長期にわたる方々は、就労や生活資金、心の健康など、お一人で複数の問題を抱えておられる状況がうかがわれます。それぞれの状況に対応しまして、よりきめの細かい支援、サービスを提供する必要があると認識しているところでございます。

国におきましても、長期失業者などに対しまして、福祉部門と雇用部門が連携をいたしまして、継続的な支援を行う仕組みづくりが必要であるとの考え方に立ちまして、昨年、パーソナル・サポート・モデルプロジェクト事業というものを立ち上げたところでございます。県では、これに応募したところでございまして、その結果、全国19カ所の一つとして、本事業を実施することとしたものであります。

具体的には、県央地域や県南地域にそれぞれ拠点となるセンターを設置の上、広域振興局などの相談窓口など、関係する行政機関やNPOなどと連携しながら、生活の立て直しから就労に至るまで、長期失業者の方々、本人のニーズに合わせて支援策のコーディネートを行い、継続的な支援を実施することとしているものでございます。

〇工藤大輔 委員

それでは次に、1次産業についてお伺いをしたいと思います。

後継者の育成が思うように進まず、農業への就業人口や耕地面積の減少に歯どめがかからないなど、本県の地域経済を支える大切な産業である農業は、一部に大きな輝きを持ちながらも、厳しい環境にあることは変わりません。国の農業政策の根本が大きく変わりつつあり、来年度から経営の下支えとなる農業者戸別所得補償制度が本格的に始まります。これからの農業は、個別経営だけでは限界があり、地域の合意による集落営農が望ましいと考えられますが、所得補償制度での集落営農への支援措置として農地の面的集積がなされた場合の規模拡大加算があり、その交付要件として集落営農組織が法人化されていることが条件となっています。

そこでお伺いしますが、現在、県内の集落営農組織はどの程度あるのでしょうか。そのうち、規模拡大加算の対象となる法人数はどの程度あり、その交付要件を満たしていない集落営農組織はどの程度あるのか、お伺いします。

さらに、規模拡大加算の交付要件を満たしていない集落営農組織への支援方策をどのように考えているのか、お伺いします。

〇上野善晴 副知事

地域営農の核となります経営体の育成についてのお尋ねでございますけれども、まず、本県の集落営農組織の数は、全体で539組織ございます。このうち、規模拡大加算の対象となる法人は58組織、規模拡大加算の対象とならない任意組織は481組織となっております。このような任意の集落営農組織の一部には、規模が小さく農業機械の効率的な利用が進んでいない組織もございまして、こうした組織は、米価が低迷する中で非常に厳しい経営状況にございます。このため、小規模な集落営農組織が作付面積の拡大や機械の整理合理化に取り組む場合に助成金を交付する県単独事業を今回創設したところでございまして、この事業の活用によりまして規模拡大を促進し、経営基盤の強化を図ることといたしております。

〇工藤大輔 委員

農業に関してセンサス等の統計を見ても、10年前と比較すると大幅に就業人口また年齢構成がアップするなど、潜在的な課題からまだ脱却できない状況にあります。これらの政策を適切に進めるということも必要ですし、また、産地化やブランド化に向けた若手の取り組み等が今進んでおる中で、積極的な農業に対する支援策を講じてもらいますように、強く要望をするものであります。

次に、林業についてお伺いします。

森林・林業再生プランが打ち出され、木材自給率を50%に引き上げる方向にあります。公共建築物木材利用促進法も施行され、公共施設や公共事業への県産材の率先利用を一層進める必要があります。これまで、3年ごとの目標数を設定しながら拡大に努めておりますが、期待したほどの成果が出ているとは感じられません。

平成19年度から平成21年度までの3年間の公共施設、公共工事における木材利用の推進目標は1万7、100立方メートル、これに対する実績は2万1、710立方メートルで、127%の達成率となっている一方、平成22年度から平成24年度までの木材利用の推進目標は1万立方メートルとなっており、目標とする設定数が小さ過ぎるのではないかと考えます。この点について見解をお伺いします。

また、住宅着工戸数に持ち直しの傾向が見られる中、リフォーム助成の新設も含め、積極的な対策をとるべきとも考えます。

県土の77%を占め、2億2、000万立方メートルの森林備蓄を有する全国屈指の森林県として、森林利用においても先進県となる取り組みが求められると思いますが、今後どのように取り組んでいくのか、県の基本的な考え方をお伺いします。

〇上野善晴 副知事

まず、公共事業への県産材の率先利用についてでございますが、昨年3月に策定をいたしました第3期行動計画におきまして、平成22年度から平成24年度における木材利用の目標は、県の公共事業が大きく減少していることも踏まえまして、1万立方メートルとしたところでございます。ただ、この目標数値は、各部局の計画量を単純に積み上げたものではございませんで、計画期間において各部局がさらに木材利用に努力することとし、積み上げ量に加算をいたしまして1万立方メートルの目標として設定をしたものであります。

このたび、行動計画を木材利用促進法に基づく本県の方針として位置づけたところでございまして、これを機に、市町村における木材利用方針の策定、県民への木材利用の普及啓発など、県産材のさらなる利用拡大に取り組んでいく必要があると考えております。

また、今後の林業振興の取り組みについてでございますけれども、いわて県民計画の重要施策に掲げております食料・木材供給基地の確立に向けまして、本県の豊富な森林資源、特にも伐採時期を迎えつつある人工林資源を基盤に、需要者ニーズをとらえた高品質な木材製品を県内外へ積極的に供給していくこと、あわせて、県内における県産材の利用拡大が重要と考えております。このため、第1に、路網整備等による低コスト木材の産出や林業事業体の組織化による木材の安定供給、第2に、需要者ニーズの高い乾燥材や集成材といった高品質な木材製品の生産体制の強化、第3に、工務店と製材所のマッチングによる一般住宅への県産材利用の促進に取り組むほか、第4に、石炭混焼発電への未利用間伐材供給を初めといたしまして、全国トップレベルの木質バイオマスエネルギー分野の利用を促進するなど、全国屈指の森林県といたしましてふさわしい取り組みを推進してまいりたいと考えております。

〇工藤大輔 委員

林業全般でのその全国屈指のという気持ちは酌みながら、さらに進んでいただきたいと思いますが、ただ、それを率先するための公共事業に関する行動計画、過去3年間の実績の半数しか目標を設定しないというのは、やはり余りにも低いとしか言いようがないと思います。毎年、木材の備蓄量は増化をします。その中での半数の設置というのは、やはりもう一度考え直すべきではないかと思うんですが、見解をお伺いします。

〇上野善晴 副知事

委員の御指摘の点は、先ほど私どもの考え方としては一応お示しいたしました。それは公共事業の予算が最近かなり減ってきているということ、それから、各部局においてプラスアルファの要素も加えた上で1万立方メートルとしたということであります。ただ、今後、私ども一生懸命木材利用の促進に努めてまいりますので、各部局の取り組みの進捗状況も見ながら、今おっしゃったような、これについての取り組みが進んでいくというような状況になりますれば、行動計画を見直すということもそれは当然検討しなければいけないということでございますので、そうしたことになるように、全体として一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。

〇工藤大輔 委員

県ばかりでなく、市町村にも行動計画の策定を進めながら、率先的な取り組みというのを行政が主体となって取り組む必要があるんだと思います。紫波町の取り組みなどはやっぱり有名でありますし、学校をつくるに当たって約800立方メートルほどを利用するなど、要は使い方をどうするか、内装材にどう使うか、どのような形で使えるかということを考えれば、もっともっとやれる分野はあるんだと思います。

これまでの県の行政でつくられてきた公共建築物、できる限り使うと言いながらも、結果的にできたものを見るとほとんど使われていない。もっと使えるんじゃないかというような思いを持つ施設は数多くあります。ですので、先ほど副知事に答えていただいたように、全国屈指の森林県としてふさわしい内容、また、岩手らしい公共事業というものはどういったものかということを改めて考えていただきながら、施策の推進に当たっていただきたいと思いますが、再度お伺いします。

〇上野善晴 副知事

御指摘のように、市町村における取り組みというのは非常に大事だと思っております。私ども、今回の林野庁の取り組み、新しいプランの策定を踏まえまして、これを機といたしまして、公共建築物における木材の利用促進というものにつきまして、市町村においても一層利用していただくように働きかけていく所存でございます。

また、県といたしましても、今おっしゃいました全国屈指の森林県という名に恥じないよう、一生懸命木材利用の促進に努めてまいる所存でございます。

〇工藤大輔 委員

次に、水産業についてお伺いします。

先ほど、地震、津波被害などの状況等について話をさせていただいたところですが、本県水産業の再生には、災害に強い漁場環境の整備や資源の回復を目指した放流事業、漁協経営をも考えた形での漁業権の設定のあり方、付加価値を生む水産加工への支援など、さらに強化または対策を講じる必要性のあるものが多数あります。今後、どのように取り組んでいくのか、水産業振興に係る県の考えをお伺いします。

〇上野善晴 副知事

水産業の振興についてでございますが、委員御指摘のとおり、本県の水産業を取り巻く状況は、頻発する災害や安い輸入水産物との競合、燃油の高騰などにより、非常に厳しいものと認識をいたしております。このため、県といたしましては、第1に、耐波性の高い養殖施設の整備や漁業共済の加入促進による災害に強い態勢づくり、第2に、サケやアワビなどつくり育てる漁業の推進、第3に、さらには地域営漁計画や県北型地域営漁計画の実行支援による担い手の育成と漁家所得の向上、さらには、第4に、水産業の6次産業化、水産加工振興による高付加価値化の促進、こうしたことによりまして、本県の水産業の振興に取り組むことといたしております。

〇工藤大輔 委員

大きな枠組みでの質問をしたので、大体そういう答弁になろうと思いますが、いずれ、地産地消に対する取り組みというのも同時に進める必要がありますし、また、海外への販売強化など、特にも本県の第1次産業に関するものについて、積極的な事業展開を進める必要があると考えます。

今後の農林水産分野における流通の推進策など、そのような点にはどのような形で取り組んでいくのか、お伺いをしたいと思います。

〇上野善晴 副知事

農林水産物の物流の推進方策についてでございますが、本県は総合食料供給基地といたしまして、品質の高い農林水産物を首都圏など消費地に対し安定的に供給するとともに、県内での消費拡大や海外輸出などにも取り組んでいるところでございます。近年、国内市場が緩和傾向にある中、産地間競争の激化に伴い、多様な販路の確保が重要と認識をいたしておりまして、第1に、首都圏など、国内の大市場、大消費地に向けました安全・安心で高品質な農林水産物の供給とそのPR、第2に、加工業者や量販店と連携をいたしましたさらなる地産地消運動の拡大、第3に、国別、品目別にターゲットを絞りました戦略的な海外展開など、県産農林水産物の販路の拡大に総合的に取り組んでいくことといたしております。

〇工藤大輔 委員

そこで来年度の取り組み、例えば具体的にどのような事業を予定しているのかどうかお伺いをしたいと思いますし、地産地消の取り組みなどという観点で言いますと、米関係では、米粉を見ましても、例えば学校給食では、県内で生産している小麦、また、米粉の比率に応じたような割合で学校の給食にパンを積極的に使うだとか、そういった形で思い切った施策を推進する方向性を打ち出すということもこれから必要ではないかと考えますが、お伺いをしたいと思います。

〇上野善晴 副知事

具体的なお尋ねでございますけれども、幾つか申し上げますと、例えば先ほど申し上げました6次産業化、加工関連の話については県のほうで既に進めておりますけれども、新しい6次産業化に向けたスタートアップ事業、これを新たにつくっていくことにしていまして、これまでの6次産業化の取り組み、どちらかというと大きい組織が中心だったわけですけれども、もう少しすそ野を広げまして、地域の中に入り込んでいっていろんな6次産業化を推進していこうと、こうした事業もやろうといたしております。

それから、今おっしゃいました米粉の話でございますけれども、当然に地域のいろんな資源、これを十分に活用されていないという御指摘もありますので、そうした意味では、地域の農産物がきちんと活用されて付加価値が高まるような取り組み、こうしたものもやっていきたいと。

さらには、産直ですとか、そうした地域の方々が一生懸命、第3次産業化というか6次産業化の中で、単につくるだけではなくて、売ることにも腐心しておられる、苦労しておられるという点もございますので、そうした点も含めながら、6次産業化全体をいろんな局面で、いろんな地域で具体的に支援していこうと思っております。

〇工藤大輔 委員

地産地消の取り組みは、やはり生産者への期待また生産への後押しとなることにつながってまいります。また、知事も、買うなら岩手のものということで、積極的に岩手のものの活用をみずから勧めておる、そのような状況でもあります。厳しい環境ですから、一層、県内で生まれたものを県内でまずはしっかりと消費をし、そして他に向けての販売戦略をしっかりと練りながら、これからもその対策に当たっていただきたいと思います。

続きまして、公営企業改革についてお伺いをしたいと思います。

岩手県立病院等事業の経営形態のあり方に関する懇談会による報告書がまとまり、議会への報告がありました。現在の地方公営企業法全部適用と地方独立行政法人化のどちらが適切であるかは形の問題であり、肝心なのは中身であるというような内容のものでありました。そのポイントを現状に置きかえれば、病院事業管理者、いわゆる医療局長が人事と予算を中心に権限と責任を持つこと、第2に、開設者である知事と局長や病院長が課題認識を共有し運営すること、第3に、県民や議会に積極的に説明を行うことなどがその中身に盛り込まれておりました。

この報告書では、最終的に経営形態のあるべき姿を示せなかったわけですが、高度医療や救急医療体制の向上というニーズにこれからもこたえ続けていかなければなりませんし、また、医療局の経営の健全化に向け、今後どのような運営を行っていくべきと考えているのか、お伺いをしたいと思います。

〇達増拓也 知事

医療局の経営健全化についてでありますが、高度、専門医療や救急医療については、二次保健医療圏を基本に、それぞれの圏域の県立の基幹病院が大きな役割を担っております。

こうした役割を果たすため、新年度においては、地域医療再生臨時特例交付金などの国の交付金制度も活用しまして、地域がん診療連携拠点病院の指定に向けた釜石病院の放射線治療機器の整備、災害拠点病院であります釜石病院、そして第二次救急医療施設であります江刺病院の耐震化改修、沿岸部における救命救急センターであります久慈病院や大船渡病院へのドクターヘリ運航を見据えたヘリポート整備などの施設整備を行うこととしております。

このような高度医療や救急医療の向上というニーズにこたえながら、医療局では、現在、7対1看護体制への移行や、基幹病院での診断群分類別包括支払方式─DPCの導入など、収益確保の取り組みを進めておりまして、費用の効率的執行とあわせて、収支改善が図られてきているところであります。

その一方、医師不足や患者数の減少など、地域医療を取り巻く環境は依然として厳しい状況にありますことから、こうした経営健全化の取り組みに加えまして、県立病院相互の役割分担と市町村や民間の医療機関との連携、さらに医師の定着支援をより一層推進するなど、経営計画を着実に実行し、県民に良質な医療を持続的に提供していく必要があると考えております。

〇工藤大輔 委員

私は当初、この事業形態のあり方に関する懇談会というものは、内容、運営方法の改善やさまざま専門家等の視点を組み入れたものが布石されるということとあわせて、やはり今後の経営形態のあり方まで踏み込んだ答申が出てくるのではないかと考えていました。しかしながら、結果とすれば、先ほど申し上げましたとおり、そのような内容は出てこなかったわけですが、例えば経営形態のあり方に関する今後の議論というのはどのように進めていくのでしょうか、お伺いします。

〇達増拓也 知事

論点はかなり示していただいたと思っておりまして、改めて答申の内容につきまして、県医療局本体、また、県はもちろんでありますけれども、市町村、さらには広く県民の皆さんに参考にしていただいて、岩手の医療の現状─あの報告書は医療局の歴史でありますとか、今現在の岩手の医療の実態でありますとか、そういった議論の参考になるデータがかなりうまくまとめて盛り込まれておりますので、そういったことを改めて県民的に学び、そして議論をしながら話を進めていくことが肝心と考えております。

〇工藤大輔 委員

現在の経営形態が果たしてよいのかどうか、さらなる別の経営形態が必要なのかどうかというのは、いつの時代であっても、その管理者やまた病院長は考えていかなければならない重要な案件だと私は思います。今回の懇談会による報告書が、当面、最終形ではなくて、これからも厳しい状況が続くわけですから、さらに検討を加えながら、適切な医療体制が進むように、県でも、なお一層努力されることを求めていきたいと思います。

次に、例年、県では、一般会計から県立病院事業会計に対し180億円前後の繰り入れを行っております。そのうち、50%程度が地方交付税で措置されているものの、残りは実質的な県負担と言えるわけであります。県内に57の市町村立病院及び診療所がありますが、その運営費に係る市町村の実質的負担の実態はどのようになっているのか、お伺いします。

〇加藤主税 政策地域部長

昨年度、平成21年度の地方公営企業の決算状況調査、これは総務省が統一的に行っている調査でございますが、これによりまして把握しております八つの市町立病院と県内42の国保診療所について見ますと、市町村の一般会計からの繰出金は約44億7、000万円となっておりまして、そのうち55%に当たります約24億6、000万円が、地方交付税で財源措置されております。したがいまして、引き算いたしますと、一般会計による実質的負担額は全体の45%程度の約20億1、000万円となっております。

〇工藤大輔 委員

プライマリーな診療機能を担う地域病院について、市町村との共同運営なども今後とも必要なこととなってくると思います。市町村が、県立病院があるなしにかかわらず、ひとしく地域医療に主体的に取り組んでいく体制も構築をしてまいらなければなりません。

今、その数値、市町村の負担というのが出てきたわけですが、県として今後どのように取り組んでいく考えか、お伺いします。

〇達増拓也 知事

県としましては、これまで、県と市町村との連絡会議を開催して、地域医療の確保に向けて、県立病院と連携した先進的な取り組みを行っている市町村の事例を紹介するなどによりまして、市町村の主体的な取り組みを促してきたところでありますが、こうした取り組みを通じて、山田町の県立病院と連携、支援した医師招聘活動など、新たな取り組みが出てきております。

そうした中で、先般、報告をいただいた県立病院等事業の経営形態等のあり方に関する報告書でありますけれども、委員御指摘のとおり、プライマリーな診療機能を担う地域病院については、例えば県と市町村との共同運営など、そのあり方について考えていく必要性について提案があったところでありますが、プライマリーな診療機能については、民間の診療所や市町村立の病院がその機能を担っている地域もあれば、県立病院が担っている地域もあるなど、各地域の医療資源等の状況により、大きく異なっているところであります。

今後、平成25年度からの次期保健医療計画の策定に向けた作業を進めることとしていますが、そうした中では、各市町村が中心となって当該市町村内のプライマリーケアの方向性を考えていただくことが重要であり、そのことを起点として、二次保健医療圏全体の方向性についても議論を行う必要があると認識していますことから、この点に十分配慮しながら計画策定を進めていく必要があると考えております。

〇工藤大輔 委員

次に、入札制度と公共調達についてお伺いをしたいと思います。

県営建設工事の入札制度の改革として、条件付一般競争入札や電子入札の拡大、入札ボンド方式の導入、総合評価落札方式の拡充を行ってまいりました。

平成21年度の入札結果は、調査基準価格を2度にわたって引き上げたため、低入札の発生率が48.9%に増加し、普通会計における平均落札率は82.2%となりました。過度な競争によるダンピングを防止する対策が急務となっておりますが、今年度の実態とさらなる改善に向けてどのような入札制度を目指していくのか、お伺いします。

〇菅野洋樹 総務部長

本年度の4月から1月までの普通会計における落札率は82.5%、低入札は672件、発生率51.2%となっております。

入札制度の改善については、お話のありましたとおり、競争性、透明性を担保し、県民の方々に信頼される仕組みとともに、やはり建設業の健全な発展を図っていくと、こういう視点も非常に大事ではないかと思ってございます。

こういった観点から、最近の落札価格帯の低下、また、県内建設企業の財務状況等を勘案いたしまして、低入札対策を一層強化することといたしまして、本年4月から失格基準価格及び数値的判断基準を引き上げますとともに、7月からは、価格のみではなくて、技術力も合わせて評価する総合評価落札方式を本格実施することとしたところでございます。

今後とも、入札状況の推移を注視しながら、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

〇工藤大輔 委員

地域経済を考えると、地域に向けられた予算や事業は地域内で生かされて、その効果を広く循環させるべきと考えます。特にも、自治体の投資的経費が大幅に減少し、民間需要が少ない地域では、一定の競争性や透明性の確保を保ちながらも、地域振興や雇用の維持、拡大の観点から、このような考えは必要な視点ではないかと思います。

四つの広域振興局体制となり、戦略性を持った地域経営が進んでいくものと期待をしておりますが、広域振興局体制における公共事業の発注や物品などの調達に当たっての考え方についてお伺いをしたいと思います。

〇菅野洋樹 総務部長

地元企業の受注機会の拡大というのは非常に重要な視点だろうと思ってございます。これと入札の透明性というものをバランスを持ってやっていくということになろうと思ってございますが、建設工事の入札におきましては、工事場所の属する旧振興局の区域を基本とする地域要件を設定いたしておりまして、応札可能者が一定の基準に満たない場合は、順次拡大するという方式をとっているわけでございますし、また、物品の調達におきましても、旧振興局の区域を原則として地域要件を設定いたしまして、地元企業への発注に配慮した仕組みとしているところでございます。

〇工藤大輔 委員

先ほど民間需要が少ない地域という話もさせていただきました。県の基準ではそのような形で進んでおるわけですが、やはり地域のニーズは地域内での受注、そしてまた地域での雇用をできるだけ生かしてもらう仕組みをどのように行政がつくっていくかということにあると思います。それに向けての取り組みというのはどうもまだまだ十分ではなく、どちらかというと、競争性、透明性のほうが優先されているような入札制度ではないかと考えますが、再度お伺いをしたいと思いますし、また、調査基準の価格が引き上がって低入札が発生し、さらに業務がふえているという状況にあっては、限られた職員の中で、その業務を簡素化する必要もあるのではないかと。いわば低入札になった際には、入札の落札者としないなどの取り組みなども他県では行われております。そのような状況も踏まえ、どのような対応を今後とろうとするのか、お伺いしたいと思います。

〇菅野洋樹 総務部長

建設工事の入札に関しては、先ほど申し上げましたとおり、4月から見直しを行うこととしてございます。御指摘のありましたとおり、低入札となった場合は低入札の価格調査を行いまして、これはかなり厳密な調査を行いますものですから、その分の負担が生じているという事実は御指摘のとおりでございます。

今回の見直しによりまして、失格基準価格を引き上げるということから、その調査対象がかなり減ずるのではないかと思ってございまして、そういった面でのいわゆる極端な低入札というものが抑制できるのではないかと考えているところでございます。

また、一方、地元調達の関係でございますが、やはりインフラの維持管理ですとか災害対応を含めまして、地元企業の育成というのは非常に重要な観点でございます。国におきましても、地域社会の維持に不可欠な役割を担う地域建設業に配慮した契約方式、こういったものが検討できないかということで既に検討に入っているところでございます。

本県といたしましても、その動向を注視しながら、こういった方策の検討、研究を進めてまいりたいと考えております。

〇工藤大輔 委員

ここ毎年、検討はずっと進んでおるように思いますけれども、決定というのがなかなか出ないのではないでしょうか。改めて、進んでいるとすればいつごろをめどにしながら、どのような形で進めるんだという方向性を示していただきたいと思いますが、お伺いします。

〇菅野洋樹 総務部長

入札制度の見直しにつきましては、昨年度、今年度も必要な見直しを行ったところでございますし、さらに先ほど申し上げましたとおり、低入札の強化もしくは総合評価落札制度の本格実施ということで見直しを進めたところでございます。こういった状況を勘案しつつ、やはりまだ足りないというものについては引き続き見直すべきところは見直し、実行していくということで取り組んでまいりたいと考えております。

〇工藤大輔 委員

できるだけ早くその体制になるように要望したいと思います。

知事の4年間の姿を見ますと、大きな県政課題について真っすぐ見詰め、そして対応を真正面から考えて進んできたと思います。その象徴となるのが、県立病院等の対応であったと思います。その結果として、後期の研修医の方々が下げどまったり、医師の下げどまりなど、また、県民の医療に対する考え方、どうあるべきかということが十分伝わり、知事の思いが私は県民ひとしく十分に伝わったのではないかと思います。これが結果として、大きく岩手の危機を希望に変える方向性へ導ける第一歩となる政策であったと思います。

任期最後となりますが、これからの4年間、新たにまた再選を目指しておられるわけです。知事も、今後とも、そのような県の大きな政策課題に対し、真正面からぶつかり、また、我々議会や県民の方々へ情報を深くまた広く提供してもらいながら、大きな県民議論を用いながら、県の重要案件の課題解決に当たっていくべきと思いますが、知事の所感をお伺いしたいと思います。

〇達増拓也 知事

県立病院、診療所の問題に関しましては、私も知事就任以来、初年度から病院長の皆さんと懇談をスタートさせるとか、また、翌年度には、勤務医の中堅あるいは現場で活躍している皆さんとの懇談もスタートしたところでありますし、ほかにもいろいろ病院勤務医の皆さんの話を聞く機会、やりとりをする機会があったんですけれども、かなり疲弊といいますか疲れがたまり、病院での勤務がきつくなっている。そういう中で、今回の経営計画の前のときに、病院勤務医の負担を軽減するような診療所の体制の見直しという議論があったにもかかわらず、それが実現しなかったことで、かなり絶望感が勤務医に広がっていたと。これをそのままにしておいたら、岩手の地域医療が一気に崩壊する危険性があったということを、そういった事実を踏まえて危機に対応したところであります。

地域医療の崩壊ということについては、一部マスコミで報じられるところはあったんですけれども、時の政府もなかなかはっきりとそのことを認めていなかったりもいたしまして、その実態が、岩手の場合、全国的に、一般に実態が知られることがなかったんですが、岩手においてはこの議会での真剣な議論もあり、県民の皆さん、岩手の地域医療の実態をかなり勉強する、知ることができたんではないかと思います。そういった事実、現状を把握していくことが、危機を克服、問題を解決していく大事な肝心かなめだと思っておりまして、そういう姿勢を岩手県政として、また、岩手全体として貫いていけば、岩手は着実にいい県に、いい方向に向かっていくということを確信しております。

〇工藤大輔 委員

ありがとうございました。

それでは、残余の時間につきましては小野共委員が質問しますので、よろしくお願いしたいと思います。