くどう大輔発言録

平成19年2月定例会 予算特別委員会・総括質疑

(2007年03月05日)

〇工藤大輔委員

民主・県民会議の工藤大輔でございます。平成19年度予算について、総括的に質問させてもらいます。

今回の予算特別委員会は、増田知事にとっても最後の予算特別委員会、また、予算編成となったわけでございますが、このような機会を与えてくださいました会派の先輩、同僚委員に感謝申し上げながら、一生懸命質問してまいります。どうぞよろしくお願いします。

平成19年度の当初予算は骨格予算であることから、現時点でその評価をすべてできるわけではございません。しかし、当初予算の規模は6年連続で減少し、7、000億円を割り、6、965億円となったところでございます。従来、増田知事は、7、000億円程度の予算規模が望ましいとの考えを示し、また、最近のマニフェスト自己評価報告書の中では、予算規模を6、000億円台に抑制との考えも示しています。平成19年度当初予算の規模をどのように評価しているのでしょうか。

また、平成19年度当初予算では、義務的経費の割合が52%と前年度に引き続き50%を超えており、一層の財政の硬直化が進んでいます。一方、投資的経費の割合は15.6%と減少の一途をたどっている状況をどのように認識しているのでしょうか。全国との比較とあわせながらお示し願います。

また、6月補正で肉づけをすることとなりますが、現時点での収入の見込み等から、6月補正での補正規模をどの程度と想定しているのでしょうか。その場合の財源の見通し等をお示し願います。

〇増田知事

平成19年度の当初予算ですが、今、委員からお話ございましたとおり、選挙がございますので、義務的経費、それから経常的経費を積み上げました骨格予算が中心になっております。今後、新知事のもとで肉づけの補正が6月に行われることも考慮に入れながら、歳入規模に見合った持続可能な歳出構造にしていくという流れに沿って、歳出全般の見直しと重点化を図って編成したものでございまして、総額で6、965億円という予算規模になっておりますが、これは、今、私が申し上げましたような考え方を数字にあらわしたその結果であると考えているところでございます。

〇川窪総務部長

後段でございますが、ここ10年の義務的経費の割合の推移を見てみますと、平成9年度から12年度までは30%台後半であったものが、13年度以降40%台、さらに昨年度には50%台まで来ております。これは、公債費が年々ふえていること、また、分母でございます予算規模が逆に年々縮小していることなどによると考えております。

義務的経費の内訳を見ますと、人件費につきましては、総額そのものは年々緩やかに減少してきておりますけれども、こちらもやはり比率で見ますと順次伸びてきている状況がございます。特に義務的経費割合を押し上げているのはどちらかと申しますと公債費でございまして、これは、平成9年度に8.8%であったものが、10年後の19年度には21.8%の見込みということで大幅に上昇してきております。

全国状況との比較で見ますと、人件費比率の全国平均は31.5%でございますので、本県は全国平均を若干下回っている状況でございますが、逆に公債費の方は、全国平均が14.2%のところ、本県は21.8%ということで、かなり大きく上回っている状況にございます。

また、投資的経費につきましては、平成19年度の本県の投資的経費の比率がこの予算案で15.6%となっておりまして、平成9年度当時─10年前は40.7%あったことと比較いたしますと非常に大きな減少となっておりますが、全国的にもこの割合は減少しておりまして、全国平均で見ると15.3%ということで、本県と同様な水準になっているということもございます。

義務的経費につきましては、いずれにしても、総人件費の抑制や県債の償還期間の長期化による公債費負担の平準化などの工夫、努力をしながら、その割合を引き下げる努力をしていきたいと考えております。

また、6月補正財源の関係でございますが、現時点では、肉づけ補正を待つということで、その規模について申し上げるのは難しいわけでございますが、財源について申し上げますと、一定の補正の計上が可能となりますように、6月補正段階で歳入として計上できる一般財源を想定しておく必要がございますが、この6月補正段階で歳入計上できる一般財源として、現時点では、地方交付税などで約50億円程度を計上可能ではないかと見込んでいるところでございます。

〇工藤大輔委員

増田知事は、就任され12年経過するわけでございますが、就任当初、恐らく岩手県も伸び行く地域という判断のもとでそれぞれ毎年度予算編成をされてきたと思います。ただ、結果的に増田知事の集大成となる最後の予算編成では、毎年下がっていくような状況になっていっている現状、これは国の流れもあったわけで、すべて岩手県だけの責任というわけではないと思いますが、恐らく就任当初とは若干の思いの違いもあったのではないかと思いますが、その辺の考えがあれば御披瀝願いたいと思います。

また、当初予算に占める義務的経費、投資的経費の割合ですが、実際にどのような割合が本来は適正規模だと県では認識されているのでしょうか。といいますのも、全国平均では確かに平均的な割合だと思いますが、平成9年度では、投資的経費はパーセンテージでいくと40.7%ありました。しかし、平成19年度は15.6%と大幅に減少しているのが実態でもございます。その辺を踏まえて、県ではどのように判断しているのか、お示し願います。

〇増田知事

今、委員の方からお話ありました。私の就任当初からしばらくの間、特に1期目の間は右肩上がりで予算全体の規模を伸ばす、そういう予算編成を行ってきた。これは、実際に、歳出の方で必要な事業として社会資本整備等を早急にやらなければいけないということがあったわけでありますが、その後の返しの時期になりましても、ある程度交付税ないしは県税収入等でそういったことが可能であろう、こういう見通しを立てていたのはそのときの思いとして事実でございます。その後、経済状況が大きく落ち込みましたし、交付税が大きく削減されるといったこと、これは確かに見込み違いの部分がございまして、県債残高が大きく残ったのは大変申しわけなく思っております。そういう中で、歳出をどうしても抑制せざるを得ないということで、先ほどの義務的経費の内訳で人件費比率なども少しずつ上がっているのですが、本来であれば、やはり歳出を減らす以上、人件費等も減らしていかなければならない、そういう財政構造にしていかなければならないのですが、人件費の削減よりも歳出の方が余りにも急激過ぎる、そうせざるを得ない状況があるということで、義務的経費の割合が高まって財政の硬直が進んできている、こういう状況になっております。何とかこれを打開しなければならないということでいろいろ手を打っておりますが、したがいまして、3期目は財政再建、財政運営に大変苦労したというのが率直な思いでございます。

こういったことは他県でも多く見られている状況ではございますが、やはり今後も、地方固有の財源でございます交付税等の総額確保を強力に主張していって、今、地方が抱えております財政構造の問題点を打開していくことが必要かと考えているところでございます。

〇川窪総務部長

投資的経費の比率等の水準についてでございますが、今の投資的経費割合15.6%は全国平均15.3%に近い水準とはなっておりますけれども、本県の県土の広さ等の条件を考えながら、今後も財政状況をしっかり中長期的に見きわめつつ、必要な事業の計上を図っていかなければならないと考えております。もう少し財源等の状況を踏まえなければいけませんので、6月補正も控えておりますことから、現時点でどの程度が適当かというのはなかなか申し上げにくいところでございますけれども、今申し上げたような考え方で対応してまいりたいと考えております。

〇工藤大輔委員

次に、優先的に取り組む課題についてお伺いします。

骨格予算ということで、新規事業や政策的な経費については原則として6月補正予算として編成するという考えの中で、優先的に取り組む必要のある事業については当初予算で計上したとのことでございますが、どのような視点、考え方でこれらの課題を盛り込んだのでしょうか。

また、平成19年度の組織・職員体制についてでございますが、産業振興等の着実な推進等、各種の課題への対応をするために、組織・職員体制の見直しを行うようであります。こちらの方もどのような視点で見直したのか、お伺いします。また、振興局の体制についてもあわせてお伺いします。

〇増田知事

先ほど骨格予算として編成したと申し上げたんですが、しかし、義務的経費、経常的経費だけではなく、緊急性の高い課題、4月からすぐに取りかからなければいけないような、待ったなしの対応が求められるような課題が県内にございます。

具体的には、喫緊の課題であります県北・沿岸圏域における産業振興の取り組み、それから医療問題でございまして、特に即戦力となる医師の招聘に向けた取り組み、こういったものは待ったなしの対応が求められると判断いたしまして、当初予算の中で必要な予算を計上させていただきました。

また、そのほか、今議会で提案しております岩手県犯罪のない安全で安心なまちづくり条例関係の取り組みに係る予算ですとか、それから、平泉の文化遺産の世界遺産登録の実現に向けた諸準備についても、これもまた来年の7月が本番の国際会議でございますので急がなければならない、こういう判断をいたしまして、以上申し上げましたような、緊急性が高く、かつ待ったなしの対応が求められると判断いたしたものにつきましては、今回、当初予算の中で計上させていただいたところでございます。

〇川窪総務部長

県の組織・職員体制の見直しにつきましては、平成19年度におきましては、全体として計画的なスリム化を進めていく一方で、力を注ぐべき重点分野について、必要な職員配置や組織体制を整備したいという考え方で進めたところでございまして、ポイントといたしましては、産業成長戦略に基づいた施策の推進、また、県北・沿岸圏域の産業振興などを機動的に、また、迅速に対応する観点から、商工労働観光部の組織を再編しているほか、平泉の関係での組織体制の整備、また、空港の整備事業の促進や定期便の利用促進等のための体制の整備、また、県民が安全で安心して生活できるまちづくりを推進しようという観点からの建築確認審査体制や医薬品の製造販売業者の調査体制などにつきまして、それぞれ専門職員を配置する等の体制整備を図ろうとしているものでございます。

一方で、雇用対策におきまして、産業振興と一体的な対策を推進するといった観点から、商工労働観光部において担当するというような組織の改正を予定しているところでございます。

〇藤尾地域振興部長

地方振興局の体制につきましても、産業振興という重要な取り組み施策があるわけでございますから、その取り組みの実効性を高めるということでございまして、特に県北・沿岸振興関係の地方振興局にありましては、行財政構造改革に基づいて、県全体の定数を削減している中にありましても、産業振興担当課長や産業振興のためのスタッフを引き続き配置し、体制を強化するということでございますし、広域振興局にございましても、先ほど総務部長が答弁いたしましたように、平泉の文化遺産の世界遺産登録を控え、これを生かした観光振興等を推進するための組織体制につきまして強化したところでございます。

〇工藤大輔委員

スリムで効率的な職員体制を実現するために強化する一方、また、振興局等の方では、例えば林務や水産等の部署などでは、もともと人数の少ない中で仕事をしているところを、今後、職員数を大幅に減らしていく中、一律カットというやり方で職員を減らすことがないように、これはぜひやっていただかねばならないということを指摘したいと思いますので、よろしくお願いします。

次に、花巻空港新ターミナルビルの整備についてお伺いしますが、昨年2月にその着工を2年延期すると知事は答弁されていました。花巻空港整備関係経費については、昨年の着工時期の見直し経緯や政策性の高い事業ということを踏まえれば、6月補正予算で新知事のもとで検討すべきではなかったかということも考えられます。なぜ増田知事の体制の中で実施の判断となったのでしょうか。

また、着工延期の理由の一つに利用者数の伸び悩みが挙げられていましたが、今後の需要見込みはどのようになっているのでしょうか。花巻空港の整備促進自体に反対するものではないですが、適正な需要見込みや明確な利用促進策を作成した上で計画的な整備を推進する必要があると考えます。今後の整備スケジュールを示していただくとともに、具体的な利用促進策、空港を活用した観光振興の取り組みの方向性についてお伺いします。

〇増田知事

花巻空港のターミナルビルの建設でありますが、まず、全体の工程でありますけれども、ビルの設計などを変更いたしまして新しくつくり直したわけですが、そのもとで全体の工程を考えますと、着工から完成、供用開始まで大分短縮いたしまして25カ月必要となっております。

その上で、私の代でこの着工を判断した理由でございますが、大きく申し上げますと3点ございまして、一つは、事業費を大幅に縮減することなどによりまして、ビル会社の自立的な経営が見通せる整備計画のめどが立った。これは、空港ターミナル地域、県事業として全体を整備しておりますが、御案内のとおり、ターミナルビル自体は空港ターミナルビル株式会社が整備・運営を行う施設ということで、少し別でございます。この会社の方で、経営が見通せる整備計画のめどが立ったということが1点。

2点目は、国際チャーター便にも適切に対応できる利便性の高い施設の整備、それから、バリアフリーへの対応が喫緊の課題になっているということで、こういったことへの対応を急ぐ必要があったということ。

3点目が一番大きな理由かと思いますが、来年の7月に平泉が世界文化遺産に登録される、かなり確実な見通しが立ってまいりました。そういたしますと、最近の他地域での世界遺産登録の例を見ますと、翌年春の観光シーズンに遠隔地からの観光客が急増するということがございます。そうしますと、今申し上げました25カ月の工程ということを考えますと、ぜひとも翌年、平成21年春の観光シーズンに間に合わせたいわけでありますが、この3月の時期に予算を成立させていただきまして着工に至らないと観光需要を取り込む機会を逸することになりますので、補正の中で債務負担をお願いして当初に予算を計上するということで、早く着工してこの時期に間に合わせたい、こういった3点の理由から今回予算計上いたしまして、ぜひ着工させていただきたい、こういうことをお願いしているところでございます。

〇竹内副知事

花巻空港の今後の需要の見込みについてでございますが、まず、国内定期便の動向につきましては、これはちょっと需要が伸び悩んでおりますが、今年度、旅行代理店と提携した利用促進策に加えまして、ダイヤが不便という話が結構お客さんからありまして、このダイヤ改善等に向けた取り組みを強化するために航空会社との情報交換を継続して実施してまいりましたが、平成19年度には大阪線の夕方便のダイヤ改善が図られる予定でありまして、徐々に需要増加に向けた成果が見られつつあるところでございます。

一方、国際チャーター便につきましては、今年度当初─春ですけれども、機材の大型化によりましてエバー航空が撤退いたしまして近隣空港に回避する事態が発生いたしましたものの、その後、官民一体となって誘致活動を強化した結果、夏には韓国からの初めてのチャーター便が就航いたしておりまして、また、秋には、台湾からのチャーター便が前年度並みの便数に回復したところでございます。特に台湾便については依然として花巻空港への需要圧力が高く、こうした状況を踏まえると、時宜を失することなく、国内線はもとより、国際チャーター便にも適切に対応できる施設を整備することによりまして、いわて花巻空港の需要は今後着実に増加が図られるものと考えております。

それから、空港の今後の整備スケジュールですけれども、平成19年度から空港ターミナルビル会社におきまして新しいターミナルビルの詳細設計及び工事を行いますとともに、県が施工するエプロン舗装等のターミナル地域整備につきましても事業の進捗を図りまして、新しいターミナルビルとあわせて平成21年春の供用を目指しているところでございます。

具体的な利用促進策でございますが、岩手県空港利用促進協議会という民間が主体になった組織がございますが、この協議会を通じまして、県内企業を対象とした動態調査や誘致企業への訪問調査、就航先旅行代理店からの情報の収集、それから、台湾や韓国における観光需要の把握などに努めておりまして、これらを踏まえて、航空会社への便数、ダイヤ等の改善の働きかけ、海外航空会社へのチャーター便の誘致、就航先の旅行代理店への商品造成の支援などを行っているところでございます。今後、このような民間団体と連携した事業を重ねながら利用の促進に努めてまいります。

それから、空港を活用した観光振興の取り組みの方向性でございますが、平泉の世界遺産登録によりまして、従来、入り込みの割合が少なかった中部以西や海外など遠隔地からの観光客を誘致するため、いわて花巻空港をゲートとする観光モデルコースを設定いたしますとともに、名古屋、大阪などの就航先あるいは東アジアの旅行会社への積極的なセールス活動を展開するなどして、本県への旅行商品の造成や国際チャーター便の誘致拡大に努めてまいる考えでございます。

〇工藤大輔委員

来年度は、国内観光キャンペーンでは最大規模の北東北ディスティネーションキャンペーンが7月から3カ月間実施される、また、本県を舞台とした連続テレビ小説どんど晴れがある、また、今、知事が話されました平泉の世界遺産登録が翌年度に予定されているということで、今後、観光に関すれば、岩手はかなり注目を浴び、そして飛躍するのではないかという思いを持っています。この間、義経でも注目をされたわけですが、それ以降、義経伝説、義経がどこにどう行ったのか、はっきりとわからない部分もあるわけですけれども、県北、沿岸の方では、そういった観光に対するさらなる経済効果も期待しているわけでございますから、そういった一連のものを含めて、岩手の観光のさらなる可能性を模索していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

次に、交付税についてお伺いします。

平成19年度は三位一体改革による税源移譲が実施され、県では、個人県民税が133億円程度増収になる見込みの一方で、所得譲与税は約226億円減少し、差し引き約93億円の減収となります。これでは都市部と地方の財政力格差がますます拡大するのではないかと懸念されるわけでありますが、県の平成19年度の交付税の見通しはどのようになっているのでしょうか、市町村分の交付税の見通しとあわせてお示し願います。

また、新型交付税の影響についてお伺いします。

国では、平成19年度から交付税の算定について、算定方法の抜本的な簡素化を図り、交付税の予見可能性を高める観点から、人口と面積を基本とした簡素な新しい基準による算定、新型交付税が平成19年度から導入されます。先般報道されました内容を見ると、27市町村で増額とのことでありましたが、この見直しによる本県への影響はどのように見込んでいるのでしょうか、県及び市町村分とあわせてお伺いします。

〇川窪総務部長

まず、県分についてでございますけれども、普通交付税の算定に当たりましては、三位一体改革に伴う税源移譲分については、その全額が基準財政収入額に算入されることになっておりますので、平成18年度の所得譲与税も、また、19年度に増加することとなります個人県民税もそのように算定されますことから、御指摘の差し引き額につきましては、その分、交付税が増加する方向に算定される仕組みでございます。

一方で、平成19年度の地方財政計画におきましては、地方税と地方交付税を合わせた地方一般財源全体で見ると対前年度で微増となっておりますが、地方交付税で見ますとその総額が4.4%の減という形で、4年連続で総額が減少しているところでございます。

これらの状況を踏まえまして、また、総務省から通知されております情報等を勘案いたしまして、平成19年度当初予算におきましては普通交付税を2、331億6、400万円計上しておりまして、これは、先ほど申し上げましたように、当初予算対比では0.9%の増でございますが、平成18年度の最終的な決定額との比較で見ると1.4%の減という見込みを立てているところでございます。

なお、先ほど答弁で申し上げました6月補正のための一般財源の計上見通しという部分がございますので、実際には、現時点ではということでございますが、今、予算計上しております2、331億円という普通交付税の額よりも50億円程度多い決定額になるのではないかということを想定して、予算を計上しているところでございます。

また、新型交付税についてでございますけれども、国から示されております方法に基づいて試算をいたしますと、この数字は国の方からも発表されておりますが、従前の制度と比べまして、県分としての影響額は4億8、700万円程度増加方向に働くものと見込まれております。これは、平成18年度の制度に当てはめてみればということでございますので、19年度の影響額は19年度の決定後でしか試算できませんけれども、おおむね4億8、700万円程度の増加影響がありそうだと見込んでいるところでございます。

〇藤尾地域振興部長

市町村における交付税の見通しでございますが、各市町村は、平成19年度当初予算におきまして、それぞれの団体の事情を考慮の上、見込んでおるわけでございますが、その総額は1、815億2、800万円でございまして、前年度の最終予算額に比べましてマイナス4.2%となっております。

それから、新型交付税の影響でございますけれども、総務省が示した試算方法に基づき試算いたしますと、全体で4億7、900万円のマイナスということでございまして、35団体のうちマイナスとなる団体が23団体、プラスになるのが12団体という状況でございます。

〇工藤大輔委員

次に、頑張る地方応援プログラムについてお伺いします。

平成19年度の交付税は、算定方法の見直しに加え、頑張る地方応援プログラムで地方交付税措置することとし、具体的には、魅力ある地方の創出に向けた取り組みに関する九つの成果指標を交付税の算定に反映させると聞いています。これについては分権に逆行するのではないか、また、頑張る内容について地域では異なるのではないか、地域条件が異なるのに、努力をどのように評価するのかなど、懸念や戸惑いが広がっているとの報道もあります。県では、この仕組みについてどのように評価しているのでしょうか、お伺いします。

〇増田知事

頑張る地方応援プログラムでありますけれども、県内の市町村長にお会いしても、他県の様子を見ましても、地方の方から懸念の声が幾つか上がっているということは承知しております。

本来、地方交付税については、基準財政需要と基準財政収入のギャップを埋める地方固有の財源ということでありまして、これを奨励的補助金のような形で政策誘導で使うのは余り好ましくないと思っております。従来からそういうことを主張してきたところでもあります。

今回のこの頑張る地方応援プログラムですが、総額が大体2、700億円ぐらいということで、全体の中での割合は非常に小さいわけではありますけれども、この制度の実施に当たっては、どういう点を、まさにここで言っている頑張る自治体としてとらえているのか、また、具体的な成果指標の算定に当たって、そう頑張れと言ってもなかなか頑張りようもないという、ちょっと言葉ではラフな言い方になりますが、一体どういうことができるのかというところが現実にあるわけです。条件不利ということになると思うんですけれども、そうした条件不利地域にどういうふうに配慮するのか。幾つか指標が─幾つかと言いますか、九つですけれども、こういう点をとらえて加味したいと言っておりますが、それをどういうふうに計算するのかという詳細はまだ明らかになっておりません。今後、合理的な基準を国の方でつくっていくのだと思うんですが、そういう点について、やはりできるだけ早く明らかにして、冒頭申し上げましたような自治体の不安を取り除くようにしていただきたい。それで、全体としては額は余り多くないんですけれども、やはり努力しているところに、もちろんそれなりの評価があるということは気持ちではわかるわけでありますが、今、特に条件不利地域に置かれている市町村が、成果はなかなか出づらいけれども、その条件不利ということを克服するために、本当に懸命に努力しているというところをぜひ反映させるような、そういう制度にしていただきたいと考えているところであります。

〇工藤大輔委員

これについては、市町村の頑張り度というものをそれぞれ判断するというのが非常に不公平感があるなという思いを私も持っています。例えば、これについては、当然、市町村は県と連動していますから、県の政策とも合致するものの中で進めているという中で、産業振興策としても、これまで同様、例えば北上川流域に集中投資をしてどんと成果が出たと。県でもこれは評価されるべきものだと思いますが、そうした今回のこの成果指標の中で、例えば転入者の人口や事業所数、製造出荷額等が評価基準にあるとすれば、県の政策にのらない地域はなかなか評価されないということも同時に指摘されると思いますので、これについて、よりよい評価がされるべきだと。また、本県の特徴に合わせた中で、自治体の本当の頑張りであったり、それが評価されることを望みたいと思いますので、国に対して、その辺の評価基準についてはしっかりと要望してもらいたいと思います。

次に、県北・沿岸振興についてお伺いします。

県北・沿岸振興に係る平成19年度当初予算の内容について、県北・沿岸振興を図るため、昨年1月に県北・沿岸振興本部が設置されました。県北・沿岸部の住民は、今後の振興策の取り組みに大いに期待をしているところでもございます。平成19年度当初予算でも、優先課題ということで県北・沿岸振興関係の予算が措置されているわけでございますが、その主な事業内容、その事業を通してどのような成果を目指していくのでしょうか、目標等をお伺いしたいと思います。

また、知事は、及川幸子議員への本会議での答弁で、この12年間、岩手らしい地域の自立を実現するために全力を傾けてきたと答弁されていました。その努力は多とするところであります。この岩手らしい地域の自立は、生活の自立や経済の自立なしにはなし得ないと私は思いますが、特に、地域経済を牽引するような産業、企業の乏しい県北・沿岸圏域では経済的自立策が一番の課題だと考えられます。さきに示された県北・沿岸圏域における産業の基本方向では、その結果として、どの程度の経済的自立が果たせるのか、また、所得の向上が図られていくのかどうか、将来的な姿がいま一つ見えないのではないかという感じも持っています。県北・沿岸振興の推進に当たっては、ものづくり産業の集積による雇用創出目標、農業・漁業などについては振興策による所得目標を提示するとともに、経済的自立のモデルを示していく必要があるのではないかと考えますが、どのように県の方で考えているのか、お伺いします。

また、知事はこれまで、厳しい財政環境の中で、選択と集中をキーワードに各種の施策を進めてこられ、例えば自動車産業集積などに取り組んできた事例は、先ほども申し上げましたとおり、一定の成果が見込まれ、評価するところでもございます。昨年から県北・沿岸振興の具体的動きが始まり、ようやく優先順位が回ってきた、選択と集中の順番が回ってきたと感じている住民も多いわけでございますが、しかしながら、現状は即効性の高い事業が少なく、新規卒業者の就職もままならない状況であり、地元に就職先がなければ若者層の地元定着率が下がるなど、地域振興において悪循環が起きています。今後の少子・高齢化の流れとあわせて考えると、現在の取り組みはスピードが不足しているのではないかと思います。県北・沿岸振興のキーワードの中にスピード感を用いてもらい、各種の事業を展開してほしいと思いますが、所見をお伺いします。

〇増田知事

県北・沿岸振興でありますが、これは、やはり今、県の一番大きな課題であると思っておりまして、今回も、先ほど申し上げましたように、骨格予算ではありますけれども、この関係の予算についてはぜひ御理解をいただいて、お願いをしたいということで、予算にも盛り込ませていただいたところであります。そういう強い決意で、やはりこれを実行していかなければならないと思っておりまして、その実行に当たりましては、今、委員の方からのお話にございましたが、ものづくり産業集積による雇用創出の目標ですとか、あるいは農業・漁業、特に1次産業などでの振興策による所得目標などはやはりきちんと明示して、それで取り組んでいく必要があると思います。

県北・沿岸地域の中で、またそれぞれの地域ごとに振興局で地域産業戦略会議を設置して、地域の皆様方とさらに具体的な取り組みに向けて、今、いろいろな議論をしておりますので、その中で、共通認識としてそうした目標を掲げて、これを強力に実施していきたいと考えているところであります。

それから、委員の方からもう一点、やはりこういったものについてはスピード感が必要だというお話がございました。この点についても、私どもは十分に御指摘を踏まえて対応していかなければならないと思っております。

昨年1月に振興本部というものを県で立ち上げて、その中で、例えば企業誘致について、オーダーメード型の補助ですとか融資制度などをつくり上げたわけですが、そういった制度も使いながら、久慈の北日本造船ですとか、釜石のSMCなどが立地を決定するといったようなことがございまして、やはりこれも相手方の企業から、さまざまな助成制度の創設をタイムリーにスピード感を持ってやったことを評価されたわけでありまして、今、委員から御指摘いただきましたとおり、今後、さらにもっとスピード感を持って、こうした対策に取り組んでいく必要があると思っておりますので、先般お示しをしてございます県北・沿岸振興策の取り組み工程表がございますが、それをベースにして、もう既に取り組みを開始しておりますが、さらに地域産業戦略会議を設置して、地域の皆様方と意識を同じくして、タイムリーかつスピーディーに取り組みを推進していきたいと考えているところであります。

〇藤尾地域振興部長

県北・沿岸振興に係る平成19年度当初予算の主な内容についてでありますけれども、柱の一つ、食産業については、県北・沿岸地域食産業成長戦略事業251万円余によりまして、産業創造アドバイザーの人的体制の強化とマーケットインの取り組みを推進して、地場の中核企業等の商品開発や販路拡大などを密着支援して、その成長を促進してまいります。これによって、当圏域の食産業の出荷額を、10年後おおむね1割増加程度まで拡大したいと考えております。

それから、柱の一つ、ものづくり産業につきましては、沿岸地域ものづくりネットワーク推進事業費397万円余でございますが、企業と学校間のネットワークを形成し、圏域の課題であるものづくり人材の育成を推進してまいります。あわせて、振興局事業では、県北圏域に産業支援拠点を新設いたします。これによって重点的に地場企業を支援し、その成長を促進してまいります。これによって、県北・沿岸圏域のものづくり産業の出荷額を、10年後おおむね2割増加程度まで拡大してまいりたいと考えております。

それから、柱の一つ、観光産業につきましては、県北・沿岸地域観光力強化事業463万円余によりまして、三陸鉄道に観光コーディネーターを配置し、体験型観光や滞在周遊型観光のメニューを造成して誘客する地域の取り組みを支援してまいります。これによって、例えば三陸鉄道を利用する県外観光客数、これは平成17年度4.2万人を、22年度には8.5万人まで拡大してまいりたいと考えております。

それから、地域産業の基盤であります農林水産業につきましても、例えば農業におきましては、県北・沿岸元気な農業確立特別対策事業1、300万円によりまして、新たな冬春野菜等の生産モデルを確立します。これによって、例えば県北圏域における菌床しいたけ販売額を、平成18年度の1億5、000万円から平成20年度にはその2倍にまでするという目標を掲げて取り組んでまいります。

〇工藤大輔委員

この取り組みには一層スピード感を持って取り組んでいただきたいと思いますし、また、農業分野等においても、今、説明された内容等においても、即効性というのは確かになかなか出ないと私は思うんです。

増田知事は、マニフェストというか、いわて夢創造宣言2007という御自身でつくられたものの中で、県北・沿岸圏域における産業振興の基本方針を前半2年間で集中的に推進という、次にまた知事をやっていればということの中で示されたわけでございますが、来年度からの2年間で集中的に推進するとした中で、果たして求めた成果が十分に出るのかどうか、ということを考えると、私は、この2年間というのでは余りにも期間が短いのではないかという思いを持っています。ですから、こういったものを知事はどのような気持ちで2年間と位置づけられたのか。また、県の職員の方々には一層の推進をお願いして、この県北・沿岸振興についての質問は終えたいと思います。

〇増田知事

全体的にやはり息長く取り組むことが必要だと思いつつ、しかし、次の県政の前半の2年間は県北・沿岸振興一途にやるという意気込みで、また、予算などについてもそういう思いを数字としてあらわしていく必要があるのではないかということで、ああいうものをつくらせていただきました。もちろん、今後の県政運営の参考という位置づけではありますけれども、というのは、今、状況を見ていますと、企業の方も設備投資欲がやっと出てまいりまして、そのことが、既に幾つか成果が出ており、県北・沿岸地域の立地や増設につながってきたのですけれども、こういった企業の設備投資意欲に、あと人材教育の仕組みをうまく加味すると、そうした企業の意欲をより引き出すことが可能だということもございます。したがって、やはりここは観光も含めて、産業振興について他の県にない斬新なアイデアを出して、各企業にそれを見せていく時期でありますので、そういう思いもございまして、特に2年間は徹底的にそれに集中したらどうかということで書かせていただいたものでございますが、その上で、やはりこれを息長く展開していくという強い決意が必要でございますので、そのことは、次にどなたが知事になろうとも、そういった私の分析と思いについてはしっかりとお伝えしておきたいと思います。

〇工藤大輔委員

できれば、その思いをもう少し早くやっていただきたかったなという思いを持っています。

続きまして、人口減少についてお伺いします。

本県では、平成7年に老年人口が年少人口を上回って以来、少子化の傾向が続いており、また、平成11年に出生数を死亡数が上回ったこと、転出者数が転入者数を上回っていることから、高齢化とともに人口減少が続いている現状にあります。今後の人口推計によると、本県の人口は、平成42年には123万2、000人と、平成12年に比べ13%も減少することとなります。また、65歳以上の老年人口割合は、平成27年に28.3%、平成42年には32.3%と推計されており、人口減少とともに高齢化が大きく進展すると推計されています。高齢者人口の割合を地域別で詳しく見ると、2030年の推計では、県北・沿岸部の市町村は、その割合が他の地域に比べて高く、また、40%を超える市町村は、旧市町村単位で24市町村にも上ります。これらの数値は市町村単位での推計であり、集落単位となると、さらに大きなばらつきが出るのではないかと推測されます。過疎化などで65歳以上の人口比率が50%を超えると、社会的共同生活の維持が困難となる限界集落となりますが、本県の限界集落数の現状をどう把握しているのでしょうか、認識とあわせてお伺いします。

また、今後、少子・高齢化により、ますます人口減少が進み、限界集落、さらには消滅していく集落も出てくる可能性があると言われています。過疎化が進む農山漁村にはそれぞれの地域に長い歴史と文化があり、山林の保全、水源の保全といった資源も有しており、昨年2月議会での所信表明演説で増田知事は、コミュニティーの結束力や解決力といった岩手ならではのすぐれた能力を結集し、官民が協働で支えるセーフティネットの構築について述べられ、生産人口の減少に対応するため、女性の就労と子育ての両立、定年を迎える団塊世代が持つ潜在力の活用などに努めていかなければならないとしたところでもあります。特に団塊世代の活用については、定住人口の増加策だけでなく、都市部と農山漁村部の交流、お互いの地域を理解し合う意味でも重要な取り組みと考えられますが、所見をお伺いします。また、それに関する具体的な取り組み方策があれば、お示し願います。

〇増田知事

まず、団塊世代の関係について私の方から申し上げたいと思います。

この世代は、さまざまな経験や技術、そしてノウハウを持った方々ということで、まだまだお元気ですから、今後、地域社会の担い手として活躍を期待する世代であります。まず、こうした皆さん方との交流を積極的に進めて、ひいては将来的に岩手への定住につなげていきたい、今、こういう絵を描いているところでございます。

そのためには、やはり全国に岩手ファンをふやしていく必要がありますとともに、教育旅行やグリーンツーリズム、健康いやし型滞在ツアーなどでの体験、2地域居住や本格的な定住など、さまざまなパターンやメニューでの受け入れが必要ではないかと思います。そうした団塊世代で間もなくリタイアされようとしている皆様方が多く所在するのはやはり首都圏でありますので、首都圏向けには、1万人運動と我々は言っておりますが、在京の岩手県人会や同窓会へ私からのメッセージを発信しております。いろいろお手紙を出しております。そのほか、いわて銀河プラザのいわて定住・交流支援センターでの相談、それから物産展等がたびたび開かれておりますが、そうしたところでのPR活動といったものに今取り組んでいるところであります。

また、受け皿の方も整備する必要がありますので、民間団体、大学、市町村から成るいわて定住・交流促進協議会、これは昨年の12月に設置したばかりでありますが、ここと連携して、岩手大学のシニアサマーカレッジなどさまざまなメニューを準備するほか、久慈市、田野畑村など7市町村をモデル市町村に認定して、受け皿となる市町村と一体となった受け入れのメニューづくりを今進めております。こうした皆様方は、自分の思いなどにうまく合いますと、多少高いお金を払ってでも、むしろ積極的に来たいという人たちでありますので、ただ単に呼びかけるということだけではなくて、こちらの方でそういった人たちの思いを満足させるだけの多様なメニューづくりが必要になりますので、今、それにも取り組んでございます。今後も、本県の魅力をPRしながら岩手ファンを拡大して、逆にこちらの方で、地域で求める人材のマッチングや団塊世代が活躍できる場づくりを進めて、本県らしい定住・交流を促進していきたいと考えております。

〇藤尾地域振興部長

本県の限界集落数の現状をどう把握し、どう認識しているかについてでございますが、昨年、国土交通省、総務省が実施した過疎地域等における集落の状況に関するアンケート調査があるわけでございますが、これは過疎地域に限定したものでございまして、県内17の過疎地域市町村に存在する集落の総数は1、618となってございます。そのうち集落における65歳以上の割合が50%を超える集落は74集落でございまして、その中で、生活道路の管理、冠婚葬祭などの共同体としての機能が衰退した集落はないとの結果でございました。

これを、いわゆる65歳以上の割合が50%を超える集落が占める割合を全国等と比較してみますと、本県が4.57%であるのに対しまして、全国では12.64%、東北では5.78%となってございまして、全国や東北平均よりも低いという状況になってございます。

農山漁村を中心とした中で、集落の高齢化が一層進むことによって、これら地域における相互扶助機能の維持に支障が生じることが懸念されるところでございますが、これら地域につきましては、委員御指摘のとおり、多面的な機能を有してございます。したがいまして、産業・経済活動あるいは県民生活にとって重要な地域でございますし、また、近年は豊かな自然環境など、都市圏に住む団塊世代を中心とした住民の方々にとっても、定住・交流の場として非常に魅力のある地域となってございます。したがって、今後とも本県への定住・交流を推進するということと、それから、集落機能の維持に当たりましては、集落同士の横の連携を深めるほか、核となる集落を中心としてNPOなどとの協働を進め、これら地域の産業振興、地域づくりを積極的に支援してまいるべきものと考えておるところでございます。

〇工藤大輔委員

限界集落は65歳以上の人口比が50%以上という定義がされていますが、準限界集落となると、55歳以上の人口比で50%という形となり、恐らく岩手県も今後こういったところが一層ふえていくのだなという思いを持っており、強い危機感も持っています。また、例えば出稼ぎなどの形態も、今、変わってきており、これまで出稼ぎと言えば、一家の父親一人が関東の方に行ったり、また船に乗ったりという生活の中で一家が生計を立てていたという状況でしたが、現在では、父親だけではなくて家族丸ごと行ってしまう。そうすれば、奥さん、子供まで一気に若い世代がいなくなっているという現状に変わってきたと思います。そういった今後の流れ等もしっかりと考えながら、この人口減少に対する取り組みをしっかりと果たしていただきたいと思います。

また、団塊世代の県の定住策の促進の中で、県では10年間で1万人が目標ということとされています。これを実現するには、かなりハードルも大きいというか、一生懸命取り組まなければ実現も難しいかなという思いも私は持っていますので、これについても一生懸命取り組んでいただきたいと思います。

また、知事が今後どのような生活をされていくのか、だれもよくわからないわけでございますが、東京では浅野前知事も都知事選に出るかどうかという話もあり、勝手なイメージからすれば、例えば慶応大学の教授になり、地方自治について研究をされた中で、できれば2地域居住というものを岩手、東京でも、そういったケースになるとすれば、行っていただきながら、冬にはペレットストーブに当たり、たまにはまきストーブに当たりながら、また農業等においても、これまでの経験を生かし、米をつくったり、野菜をつくったりしながら、そういったものをみずからも行動されて、団塊の世代の方々により多く岩手を理解してもらって、この地域に定住してもらう、また2地域居住をしてもらうという役目もできれば果たしていただければ大変ありがたいと思いますので、お考えは結構ですが、心の中で考えていただきたいと思います。

次に、少子化・子育て対策についてお伺いします。

人口減少は、人の移動による社会増減と、出生・死亡による自然増減があり、本県はいずれも減少傾向が続いています。人口減少に歯どめがかからない状況となっている中、少子化問題については、国の税制と一体となって全般的に取り組まなければならない課題だと認識をしています。県ではこれまでさまざまな取り組みをしてきたと思いますが、結婚や出産は個人的な問題ということもあり、なかなか行政による対応も困難な部分があると思います。子育ては第一義的には家族の責任であるわけでもございますが、今後、地域全体とともに支援をしていかなければなりません。少子化・子育て対策のこれまでの取り組みを踏まえた結果、課題をどのように認識しているのでしょうか。また、平成19年度の具体的な取り組み方針とあわせてお伺いします。

子育て支援・少子化対策特別委員会において静岡県を訪問し、子供がいる世帯を対象に、企業や商店などが商品の値引きや特別なサービスをする子育て優待事業を調査してまいりました。石川県が実施したのをきっかけに、平成18年度は12の県が導入しようとしており、対象世帯が地元の商店で買い物をすることによる経済効果等も発生している地域もあるようでございます。この事業の特徴は、行政だけでなく企業や商店といった事業者、地域社会が子育て支援に参加しているという点にあり、直接的に、また間接的に地域ぐるみでの子育て支援や企業における意識改革にもつながるものとして注目されているようでもあります。導入に当たっての課題、また本県でのこの制度の導入に係る検討状況はどのようになっているのか、お伺いします。

〇竹内副知事

少子化・子育て対策の今後の取り組みについてでございますけれども、本県では、平成7年以降、国の少子化対策プランに呼応いたしまして総合的な子育て支援計画を策定して、保育サービスの充実などの対策を推進してまいりました。地域における各種の子育てサービスは拡充されてまいりましたが、依然として出生率の低下が続いているのが現状でございます。これまでの子育て支援は、保育サービスの充実などに力点が置かれておりましたが、今後は、こうした取り組みに加えまして、働き方の見直しや社会全体の意識改革、あるいは子供と家族を大切にするという観点からの施策の充実に取り組んでいく必要があると考えております。

平成19年度の具体的な取り組み方策についてでございますが、これは、平成17年3月に策定したいわて子どもプランの着実な推進を基本といたしまして、男性の育児参加や企業による子育て支援などの取り組みをさらに強化いたしますとともに、地域住民による子育て支援や不妊治療に対する助成事業の拡充など、さまざまな対策に取り組んでまいる考えでございます。

それから、子育て世帯を対象に、企業や商店などが商品の値引きや特別なサービスを行う子育て世帯優待事業は、現在、全国20県で実施されておりまして、19年4月からはさらに幾つかの都道府県で実施される予定と承知いたしております。

本県におきましても、企業や商店街など多くの方々に、子育てしやすい岩手の形成に参画いただくという点から、本県の子育て支援にも意義ある取り組みと考えておりまして、事業の導入のあり方について、現在検討を進めているところでございます。

今後、導入コストや参加企業の確保あるいは対象範囲の設定、継続的・安定的な運営システムのあり方などについて検討を行いまして、この方式の早期導入に向けて取り組んでまいる考えでございます。

〇工藤大輔委員

秋田県では、去る2月23日に、子育て支援と教育充実を推進する将来ビジョンの骨子案を公表し、子供と教育を県民で支える必要性を打ち出し、子育て新税を導入して、子育て支援等の充実を図ろうとしているところでもあるようです。県では、こうした子育て支援等に係る新たな取り組みに対してどのような考え、所見を持っているのでしょうか。

また、少子化対策に限ったことではないのですが、こうした特定課題のための新税の必要性について、どのように認識され、検討をされているのか、お伺いします。

〇竹内副知事

秋田県の子育て支援と教育充実を推進する将来ビジョンについてでございますが、これは、秋田の未来創造に向けて、子育て支援・教育の充実のための事業を、中長期にわたって安定的・継続的に実施することを、県民からの税負担という独自の制度として導入しようとする提案であると承知いたしております。

本県におきましても、子育て支援と教育の充実は大変重要な課題でございまして、先ほど申し上げましたいわて子どもプランや第8次岩手県教育振興基本計画などによりまして、各般の施策を推進しているところでございます。少子化対策は多角的な視点から多様な取り組みを進める必要があると思料いたしますので、委員御指摘の秋田県の取り組みも参考にしながら、本県独自の課題を十分に把握して、子育て支援や教育の充実に向けて、新たな方策の検討も視野に入れながら、より積極的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。

〇川窪総務部長

特定課題のための新税に関してでございますが、国・地方を通じまして厳しい財政状況が続いておりますし、また、交付税も抑制基調にある中にございまして、それぞれの地方で地域の実情や特性に応じた政策を積極的に、また安定的に推進していくためには、独自の財源確保を図っていくということは重要なことであると認識しておりまして、その一つのあり方といたしまして、受益者に直接負担を求めるのではなく、社会、地域全体で負担する、力のある方から御負担をいただくというような意味での新税を検討していくということも、また有益な手法の一つであるものと認識しているところでございます。

本県におきましては、現時点で具体的にそのような新税を検討しているという段階ではございませんけれども、平成19年度以降に新たな行財政構造改革に関しての計画なり、プログラムなりを策定していくということになりますので、その策定にあわせまして、中期的な財政見通しや収支不足対策、また重点化して力を入れるべき政策のあり方などとあわせまして、そういった独自の財源確保の方策等につきましても、幅広く議論をしてまいりたいと考えているところでございます。

〇工藤大輔委員

次に、雇用対策についてお伺いします。

本県の有効求人倍率は、平成13、14年の0.42から、平成18年12月では0.89と持ち直しの動きが見られるところでありますが、久慈・二戸地域は0.39と依然として低水準であります。一方、北上地域は1.9倍と、県内でも大きな開きがあるわけでありますが、この開きをどのように分析しているのでしょうか。また、本会議での高橋雪文議員への答弁で、雇用環境に改善の兆しが見られるようになってきており、今後、雇用の質をよく見て取り組むことが重要との答弁でございました。地域によっては、質よりもまず量の確保が課題である地域もまだまだたくさんあるのではないかと感じています。地域の実情に沿ったきめ細かな対策を講じてもらいたいと思いますが、所見をお伺いします。

また、総合雇用対策局の廃止についてお伺いしますが、本県の最重要課題の一つであり、いまだ本格的な雇用情勢の回復が見られない中で、総合雇用対策局を廃止するというのは、県の雇用対策の後退と受け取られても仕方がないのではないでしょうか。雇用創出、雇用確保に向けた県の取り組み姿勢、認識について改めてお伺いします。

〇増田知事

まず、この問題の認識については私の方からお答え申し上げたいと思います。

今、御指摘いただいた総合雇用対策局という組織でありますが、これは平成15年6月に設置したのですが、その当時は、今、委員からお話がございましたとおり、県全体として0.42という非常に低い有効求人倍率であったこと等を受けて、臨時緊急的な課題を解決するための組織として、その時期に設置したということであります。

雇用情勢についての認識でございますが、これは、私も委員と同じような認識を持っておりまして、県北・沿岸地域で依然として低いということがございますので、こういった地域は、やはり質よりもまず量を出していかなければならない、こういう点もその必要がこの地域にはあると私は思っております。

ただ、県全体で見れば、雇用情勢に改善の兆しがある。それから、若年者の就職支援体制を、その後、ジョブカフェ、サテライトも含めて構築してきたということ、そして、それが動き出しているということがあって、こうしたことについて一定の成果を上げてきたということがございますので、今後は、まず県北・沿岸地域の雇用情勢への対応と、質の面では正規・非正規などの問題に対応する必要があると思っております。引き続き、県政の中では雇用対策は重要課題として取り組んでいきたいと思っておりますが、今申し上げましたような点については、産業振興施策と一体的な取り組みで、特に、県北・沿岸地域の雇用創出を図ったり、県南も含めて質の面での改善を図るということが、その効果を出す上で有効であると判断しまして、今回、総合雇用対策局を廃止して、今後は商工労働観光部の中の労政能力開発課に特命参事を置いて、そこでチームをつくって対応していきたいと考えているものでございます。

〇竹内副知事

有効求人倍率の地域差についてでございますが、平成16年度の市町村の純生産の内容を見てみますと、例えば北上地域は、電子部品・デバイス製造業、輸送用機械器具製造業など、製造業の占める割合が高いのに対して、御案内のように、久慈・二戸地域は、雇用吸収力の高い製造業の集積度合いが少ないということがございます。農林水産業や建設業などの占める比率が高いことが、有効求人倍率の差になってあらわれていると想定いたしております。特に北上地域におきましては自動車関連産業などが好況であることなどにより、いわゆる労働力集約型の製造業を中心に求人が好調に推移しておりまして、こうした地域の産業構造の違いが雇用力の違いにつながっていると思料されますことから、今後は、県北・沿岸地域への製造業やあるいは食品加工業などの誘致、さらには地場企業の育成に一層力を入れますとともに、1次産業の起業化など、産業振興と一体となった雇用対策が必要であると考えております。

それから、質と量のお話がございましたけれども、これは先ほど知事が申し上げましたとおりでございまして、委員御指摘の量的な雇用の確保、まずはこれに努めますとともに、これに加えて正規雇用の確保など、いわゆる所得面などの格差を固定化させないような取り組みも重要と考えておりますので、量及び質、両面での対策に力を入れてまいりたいと考えております。

〇工藤大輔委員

これまで総合雇用対策局が果たしてきた役割は非常に大きかったのだと私は思います。ただ、現実問題として、量がいまだ改善されてない地域がある。そしてまた、量が改善されたら、今度は新たに質の問題が発生しているという現状にあるとすれば、私は、やはり総合雇用対策局は現状のままで、しっかりと今の現状認識を深めた上で対策をとることが必要なのだと思います。これまでも産業施策と一体としてやってきたはずですし、別でやってきたということではなかったはずです。そして、今のこの現状は、県北・沿岸などは特にも深刻な現状であり、例えば平成17年12月の数字でも0.35、また平成18年2月では0.26といった数字も実際に出ており、今の危機的状況というものを本当に把握しているのかどうかという思いもします。把握しているとすれば、こういった現状のこの対策に、さらに強化していくのだという姿勢があってしかるべきでありますが、やはり総合雇用対策局を廃止して商工労働観光部の中の一つとするのであれば、後退しているという感が否めないわけです。県民にもしっかりと期待をさせ、また、各企業や全国に発信する意味からも、私は再考をすべきと思いますが、改めてお伺いします。

〇増田知事

確かに、この雇用問題については、我々もきちんとした取り組みをやっていかなければならないと思っております。その中で、やはりこれからは地域的にこの問題はきめ細かく見ていく必要があるだろうということと、従来行ってきたような対策を、量をできるだけふやすということよりも、例えば正規・非正規の問題ですとか、最低賃金の問題ですとか、そういったことについてまた違う観点から取り組んでいかないと、こうした問題の抜本的な解決にはならないと考えておりますので、決して、こうした雇用対策についての取り組みを低下させるという意味ではございませんが、特に県北・沿岸地域にジョブカフェのサテライトもございますが、今後、そうしたところに県としても最大限の支援をするなど、きちんとした対応をしていきたい。そういう意味で、また新たな観点からこの雇用対策にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

〇工藤大輔委員

認識のずれがあるなと思います。いずれ、やはり数字でも出ているとおりの状況ですし、現状をしっかりと踏まえた対策を十分にとっていただきたいと思います。現状の組織については、また新年度以降取り組まなければならないことなのだなと思います。

次に、岩手競馬についてお伺いします。

この競馬事業は、これまで県の方でも、また先般の一般質問等においてもさまざまやりとりがなされてきました。その審議の過程を受けとめますと、競馬組合が進めていきたいという方向性について、まだまだ理解が深まってないという思いも持っています。また、知事の本会議での答弁等を拝聴する中で、さらに理解を深めていきたいという答弁もあり、私はやはりこれまでの取り組みが遅かったのだという感がします。県民に対し、また議会に対し、もっと早く方向性を決めて議論を深めていく時間が必要だったのではないかと思います。ただ、現状ではもう時間がなく、今後の予算審議の中でまた議論がなされていき、そして3月中旬にはその結論が下されているというスケジュールとなっています。

そういった中で、これまでの議論等を踏まえた結果、知事は、仮に、県、両市の330億円の融資が否決された場合に、この競馬事業の存続についてどのような思いを持っているのでしょうか。また、資金ショートの回避策は残されているのかどうか、お伺いします。

〇増田知事

競馬の関係でありますが、仮に今回の予算案が、今、委員の方からお話がございましたとおり、否決された場合にはどうなるかということでのお尋ねでございました。そうなった場合、すなわち構成団体融資が実行できなくなった場合ということでありますが、そうしたことが生じますと、これは、現在の組合の経営状況ですとか、存廃基準を設定したということから見ますと、金融機関から新たな融資を受けて、返済資金を調達するということを組合が行うことは困難でありますので、まず最初には、3月20日に償還日が到来するものがございます。3月20日に償還日が来る起債の元利合計は9億3、000万円ございます。うち元金が7億5、000万円で、これに利息が加わりまして、3月20日に起債の元利合計9億3、000万円の償還日が来るわけですが、これの返済が不可能となるということでありまして、この時点で組合が資金ショートするということになろうかと思います。また、その後、年度末、3月末までの債務は、今申し上げましたものも含めまして、全体で330億円ほどございます。この330億円のうち、本会議の方でも申し上げましたが、公営企業金融公庫の繰り上げ償還補償金を除く215億4、000万円につきましては、今年度末までに返済期限が到来するわけでございまして、民間金融機関などにそれをお支払いする必要がございます。したがいまして、こうしたことから考えますと、新たな金融機関からの融資が望めない、構成団体融資もないということになりますと、今年度末までに、構成団体から組合に対して、融資にせよ、分賦にせよ、何らかの形で資金を拠出していないと、組合の方が資金不足になるということでありますが、今申し上げましたようなことで、予算が否決になるということになりますと、競馬事業の継続が今年度末をもって困難になるのではないかと考えておるところあります。

〇工藤大輔委員

そうなった場合に、存続に向けた計画に対する理解をこれまで求めてきたわけですが、先般、330億円の構成団体融資の必要性ということで、総務部長または農林水産部長からも説明等がございました。そういった中で、競馬事業の廃止も一つの選択肢であると文書の中で示され、今まさに知事の答弁であったのかと思います。

そういった中、実際に廃止となった場合の影響がどのように発生するのか。恐らく県民の方もまだまだ理解が不十分なのかなという思いを持っています。330億円の融資ということは報道等でも示されているわけですが、廃止になった場合の影響がいかほどなのか、また地域においてどのような影響が出てくるのか等、今後の自治体の運営等も含めて、まだまだ理解不足の感があると思いますが、この機会ですから、知事の方から直接御説明を願いたいと思います。

〇増田知事

廃止になった場合の影響についてのお尋ねでございますが、競馬事業を廃止するという場合には、競馬組合が一部事務組合でありますので、競馬組合を解散するということになります。この場合、競馬組合そのもののあり方、持っております資産や負債の処理方法なども含めて構成団体間で検討し、そして、負担が最小限となるように取り組んだ上で、なおまだ損失が生じているときの負担というのは、競馬組合で決められております規約がございますので、規約にのっとって構成団体間の協議を経て、各構成団体の具体的な負担を決定するという手続になります。

ここで今、最後に言いました具体的な損失額を確定するためには、例えば盛岡競馬場やテレトラックの処分方法なども決めなければいけない。これは他用途への転用も含めて、そうしたことを考えていかなければならない。それから、他の競馬場で廃止になったところの事例等を見ますと、競馬関係者への見舞金等の取り扱い、こういった問題が生じてきます。こうしたことを決めていかなければなりませんので、このためには相当な時間をやはり要するであろうと思うわけでありますが、そうした上で最終的な数字を確定させることになります。ですから、現時点で372億円と申し上げているわけですが、それを最終的に1円まですべて確定させるということは、現時点ではちょっと難しいのですけれども、しかし、少なくとも組合が抱えている債務の、先ほど言いました金融機関等への返済や支払いについては、期限が到来する3月20日の起債元利9億3、000万円を含めて、この年度末までに215億4、000万円の返済・支払いは、廃止のための構成団体間の協議の進捗状況にかかわらず、競馬組合が対応できない以上は、返済期限までに構成団体が負担することは避けられない。少なくとも215億4、000万円については、この年度末、今月末の返済期限までに構成団体が負担すること、これは避けられないと考えるわけであります。

また、この影響ということで言いますと、こういう額について、さらに構成団体に対しての一般行政への影響等ということも今後出てくるのではないかと思っているわけであります。先ほど言いました補償等も含めまして、それも積み上げますと、330億円から372億円に膨れ上がるのではないかと私どもは計算しているわけでありますが、仮に372億円と決めますと、競馬事業を廃止する場合のこの372億円の債務を、仮に組合規約に定める分賦割合に単純に当てはめて各構成団体の負担額を試算すると、県が204億6、000万円、奥州市が93億円、盛岡市が74億4、000万円という数字になるわけですが、これを見ますと、県も大きな額になるのは当然でありますが、特に奥州市や盛岡市の財政運営に極めて大きい影響を及ぼすであろうと、これは次の段階としてそういう問題が出てまいります。

それから、地域経済に与える影響として、直接的な経済効果が失われるということで、約100億円の経済効果がなくなると考えておりますが、そのほか、関係者の雇用問題の発生といったことが生じてくるだろうと思います。もちろん、競馬組合とか競馬振興公社の職員の雇用の維持も困難になるわけでございますが、それ以外、食堂を経営しておりましたり、それから厩務員、調教師といった皆さん方の雇用問題がそれ以前の段階として出てくるわけでございまして、こうした意味で、財政問題のみならず地域経済に与える影響は大変大きいものがあると考えているところでございます。

〇工藤大輔委員

先ほどは、競馬事業が廃止になった場合の影響について説明をいただきました。先ほどの説明を聞いていてもこれまでの答弁と余り変わらないわけですけれども、これが果たして県民に広く理解されているのかということになると、なかなかその状況になっていないのではないかと思います。マスコミ等の報道でも330億円の数字が先行しているような感じの中で、それが実際に起こった後の状況までがなかなかなんだと。それについて知事はどのように感じているのでしょうか。

また、これが実際に伝わる方策として、本会議ではさらなる理解をという答弁を繰り返されているわけですが、県民へのメッセージ、また、各議会へのメッセージをどのように発して理解をさせようとしているのか、その方策があればお伺いしたいと思います。

〇増田知事

廃止の場合の大きな影響については先ほど申し上げたとおりでありますが、この点についての理解あるいは内容の発信がまだ不十分ではないかという御指摘はそのとおりでございまして、引き続き、この点については特に県民の皆さん方に御説明していかなければならないと考えております。近々に地元の新聞にまた、今回2回目になりますけれども、今、競馬組合が置かれている状況と、それからどういう点が問題になるのかという内容について、今、中で精査しておりますが、県民の皆さん方の御疑問に答えるような内容の記事、記事といいましょうか、広告を掲載いたしまして、また広く県民の皆さん方の御理解を求めていくようにしたい。

先週になりますけれども、競馬の今回の融資についての、従前よりは詳細な説明資料等も用意させていただきましたけれども、私も機会あるごとに、県民の皆さん方などにお会いするときに、今置かれている状況等を説明してございますが、県あるいは組合の方で、それぞれまたそうした資料をもとに十分な説明を尽くしていきたいと考えています。

〇工藤大輔委員

今回の判断の争点となるのは、まず一つに、来年度以降の計画が達成可能かどうなのか、数字上で実際に可能な数字なのかどうか、売り上げの数字が果たして見込みとして正しいのかどうかといった点、また、さらなる赤字が出た場合にどう処理するのかなどが判断の争点になってくるのではないかと思います。そして、前段で述べた計画の達成の実現度ということに関すればおのおの考え方があると思いますが、さらなる赤字が発生した場合の例えば処理方法をどうするのか。これまでは赤字が出ないようにということで、関係する団体や方々と協議をして、収支をとんとんにできれば競馬事業は存続する、また、そこでできなければ競馬事業を廃止するという存廃基準のルールを決めたわけであります。ただ、実際にスタートした場合に、赤字が出て、各団体の方々、また、運営協議会の委員の方々の協力をもらえる段階であればとんとんになるかもしれませんが、もうお手上げですとなった場合、そこで発生した赤字が実際に新たな県民負担になることになると思います。その処理方法をではどうするかということを最初に決めておくべきではないのかという思いを私は持っています。例えば、1億円の赤字が仮に発生した場合、では、この1億円の赤字は職員の給料や出走手当といったもので処理しますということを事前に決めていれば、少なくともその分の対策というか対応の見通しは立つと思います。それが立たない中で、そちらの方で、さらなる赤字は出ません、出ませんと言っても、これは信憑性に欠ける問題になると思いますので、短い間ではあると思いますが、そういったことをできれば関係者の方とも十分に協議され、まとめることができればまとめていただいて、そういったものも次の理解を求める方策の一つとして準備されていくべきではないのかと私は思います。

また、競馬事業を進めることが決まった場合、例えば、これまで1号交付金、2号交付金をどうするかといった議論があったり、また、国に対して要望がありました。私は、この1号交付金、2号交付金という議論も当然必要だと思いますが、競馬法の中で、25%を手元にもらった中での運営ということの枠を超えた決め方を農水の方にやってもらえないかということもあってもいいのかなというふうにも思うんです。そういったことを含めて、300億円の発売額とすれば、1%違えば3億円違うわけですから、そういったものの中で、ファンサービスに使うお金、収支改善に使うお金、魅力あるレースに使うお金等を準備しながら、今後そういったことも国にしっかり要望しながらやる必要があると思います。これについてコメントがあればお伺いします。

最後に、森のトレー問題についてお伺いします。この問題については、やはり知事が退任される前に決着すべきであると思い、質問するところでございます。

訴訟費用に係る久慈市との負担割合について、現段階でどのような状況になっているのか、お伺いします。

また、国への補助金の返還に係る滞納金についてですが、現在ではどのようになっているのか。また、延滞金の免除が受けられるかどうかということがまだ明確に答弁されていないと思います。それについて答弁を願います。

〇増田知事

まず、競馬の方からお答え申し上げます。

今お話をいただきました赤字の場合、存廃基準があるわけですが、赤字の発生を極力抑えなければいけませんので、ああいうルールはつくってありますが、将来、廃止する段階で、赤字が出て廃止するということは絶対に避けなければいけないと思っておりますので、赤字が発生しそうかどうかという判断をする運営協議会の開催の頻度をできるだけ多くして、そして短い間隔で諸費用の調整を行う。そして、その上で次の開催に向けていく。仮に今、委員から御指摘いただいたような廃止という決断をするにも、その赤字が膨れ上がらない段階で処理をすることが求められると思います。

いずれにしても、まずコスト削減を前段階で行うわけですが、これについては、関係者が今後集まって、どういう形でコスト削減できるのか、あるいはその順番をどうしていくのか、でき得れば事前に合意形成しておくことが望ましいと思います。これは若干時間がかかるかと思いますけれども、そのことに今後努めていきたい。

そして、こうしたスキームを入れたことによって、売り上げについても、過去の反省に立ちまして現実的な売り上げの線を見込んでいると私ども考えておりますが、そうした売り上げを見込みつつ、赤字にならないようにコスト削減をする、こういうルールになっていますというその全体像を、委員からお話がございましたように、県民の理解を求めるということで、今後、私どもの方で地元紙等を通じていろいろPRに努めていきたいと思っていますが、そのことについての理解を求めていきたい。

それから、国の方に対してですが、競馬法改正の動きがございますし、従来から国庫納付金のことについては関係主催者と相談して要望してまいりましたが、今、他の主催者も似たような状況に置かれていますので、ファンサービスを徹底することからも、今の制度のあり方も含めて、よく相談をして国の方に要望していきたいと思っています。

それから、森のトレーでありますが、まず、議会の方からも御指摘をいただいておりました訴訟費用の負担割合が久慈市との間で決まっておりませんで、今、委員の方からも御指摘をいただいたところでありますが、これにつきましては、久慈市とずっと長い間協議してございましたが、本年2月19日に、この負担割合を県が7、久慈市1とすることで合意したところでございます。訴訟費用の負担割合を、県7、久慈市1とすることで合意したところでございます。今申し上げました7対1という負担割合は、平成16年3月に国に対して行いました国庫補助金の一部返還における県と市の負担割合と同一でございまして、私どももその同じ割合で決めるのがよかろうと思っておりましたが、その形で決めたところでございます。

例の国庫補助金の延滞金につきましては、県として最大限の努力をすれば延滞金についてでき得る限りの対応をするという回答を林野庁の方からもらっておりまして、県として最大限の努力というのは、この場合には訴訟を行って相手方からお金を取り戻す、そういう行為でございますので、県としても、今、訴訟について全力を挙げて対応しているということでございます。これを今後も継続していく必要があるわけでございますが、県がこうした努力を継続すれば延滞金の免除について林野庁に対応していただける、このように考えているところでございます。

〇工藤大輔委員

知事の12年間における県政運営について、これまでの御尽力に心から敬意を表しますとともに、これからは一県民として、県民総参加型の県政にさらに情熱を傾けてくださいますよう心からお願い申し上げ、質問を終えます。