くどう大輔発言録

平成18年6月定例会 本会議

(2006年06月27日)

〇28番(工藤大輔君)

民主・県民会議の工藤大輔でございます。登壇の機会を与えてくださいました先輩・同僚議員に感謝を申し上げます。

なお、質問事項が重複している分野が多くございました。前段者等の答弁に答え切れなかった分、あわせて御答弁をちょうだいできれば幸いでございます。

経済のグローバル化の進展や産業の空洞化、公共投資の抑制、地方財政の悪化等が地域経済を直撃しており、北上川流域に見られる自動車関連産業等の誘致企業は、経済効果が上がっているものの、その他の地域は、現実として雇用や経済効果を高められる特効薬がない状況にあります。

これまで地域経済の柱であった建設業は、国、県の財政再建の中にあっては再編が不可避な状況に至っており、第1次産業は、食の多様化や輸入食品の増加による価格競争に苦しんでおります。商工業においては、旧江刺市の蔵によるまちづくりなど成功事例があるものの、中心商店街のほとんどは空洞化し、再生困難な状況下にもあり、製造業においても、国際化の流れの中で、生産コストの安いアジア諸国製品との競争が激化しております。

これからの地域政策を考えた場合、地域経済の核となる新たな産業の創出や、競争力がなくなってきている分野にあっても、環境政策と一体としてとらえたり、許認可制度の見直しを行うなど、実情に適した大胆な手法を取り入れることが求められます。

また、これまでのような一律の基準による政策ではなく、エリアやポイントを絞ったオーダーメード的な施策の振興、いわゆる戦略的な産業政策が必要になっております。強固な経済基盤なくして地域の発展はあり得ない中にあって、人口減少を見据えた21世紀型の戦略プランを見出せた地域が、生き残ることが可能であり、それを支える国の枠組みが求められます。

このような視点に立って、順次、質問を行います。

まず初めに、県財政の見通しについてお伺いします。

県はこれまで、プライマリーバランスの均衡を第一義的にとらえ、年度予算の策定をしてきました。その結果、5年連続で前年度を下回る予算編成となり、私が初当選した平成11年の6月現計予算額と比較すると、今年度の当初予算は1、500億円も少ない規模となっております。その要因は、バブル経済崩壊後の長期にわたる日本経済の低迷から始まり、公共事業依存型の景気対策や分権社会の確立を目指すために行った国の三位一体の改革が、補助金減らしに走り、国の財政再建に終始したことなどによるものであり、政治の失政が招いた結果とも言えます。

知事は昨年、国の地方財政の運営いかんによらず、極めて強い自立的な財政構造の確立のためには、県の年度予算は7、200億円ベースが望ましいと発言をされましたが、今年度に入り、県の財政規模を7、000億円にと1年間で200億円も下降修正しました。その要因とは何なのでしょうか。自立的な財政構造の確立をうたっても、国の一言に左右されている現実をかいま見る感がしますが、これについての知事の所見をお伺いします。

また、県予算が減少していく中、部局別予算額において平成15年度6月現計予算と今年度の当初予算を比較すると、農林水産部がマイナス382億円、県土整備部がマイナス262億円であり、そのほとんどが投資的経費からの削減となっております。また、産業振興に直結する商工労働観光部予算も142億円の減となっており、低迷を続ける本県経済において、最重要課題に浮上したと言っていい産業振興に大きくかかわる予算を総じて大幅に減額をせざるを得なかった結果について、どのように考えているのでしょうか、お伺いします。

次に、職員の人事配置についてお伺いします。

県では、自立的な財政構造に向け、人件費の抑制をうたい、知事部局の職員の4、000人体制を打ち出しました。サービスを落とさず人員削減をするのですから、これまで行ってきた電子県庁化や業務の遂行能力が高い効率的な組織化、民間の活用、職員の資質の向上等が一層求められてきます。

しかし、平成15年の6月現計予算に占める投資的経費は2、120億円余、今年度予算においては1、404億円余となっており、716億円、率にして33%余の減少となっているにもかかわらず、この間の技術系職員数は2、643人から2、390人と9.57%の減少にとどまっており、現在の組織を見ると、公共事業費の大幅な削減に伴う技術系職員と事務系職員の割合において、適正な配置がなされているのか疑問であります。

これは、地方自治法の中に事務吏員と技術吏員という区分があるために柔軟な人事配置ができないということもあるようですが、地方自治法の改正に伴い、来年4月1日からこの区分が廃止されるため、より適切な人事配置を行えるようになります。

ついては、現在の職員配置の状況に対する認識と、職員4、000人体制に向けた来年以降の技術系職員の事務系職員への配置転換について、どのように考えているのか、知事にお伺いします。

次に、県北・沿岸振興施策についてお伺いします。

本県の人口は、平成11年に初めて自然減に転じ、近年、その減少の度合いが拡大してきております。人口推計によると、平成12年に141万人余であった人口が、平成42年には13%減少し123万人余になるものと見込まれています。特にも県北・沿岸部では、釜石広域生活圏の37.4%減を筆頭に、おおむね二、三十%の大幅な減少率となっており、地域の停滞が一層加速することが危惧されています。

また、現在の県北の状況を述べさせていただきますと、1人当たりの市町村民所得は、平成15年度において県平均が242万円であるのに対し、久慈広域生活圏は190万円、二戸広域生活圏は199万円と県下最低レベルにあります。

久慈・二戸地域における産業別純生産額の第1次産業の構成比は、他の地域と比べると割合が高いものの、全県における第1次産業の純生産額での構成比では低く、産業力の弱さが目立ちます。さらには、本年3月の有効求人倍率は、県平均0.73に対し、久慈職業安定所管内が0.38、二戸職業安定所管内が0.32とこちらも最低レベルにあり、これでは、働きたくても職はなく、生活の基盤が安定しないどころか、職を探し求める出稼ぎや人口流出に歯どめがかかりません。

このような県北・沿岸地域において、その振興を図るために県北・沿岸振興本部が県庁内に設置されました。格差社会が叫ばれておりますが、県北・沿岸地域に住む者は、これまでも格差と闘い、その格差を感じながらも県土の均衡ある発展を夢見、心温かく力いっぱい生きてきました。それゆえ、住民にとって対策本部の設置は、やませの間からやわらかな希望の光が当たる気配を感じ取っており、その光がさんさんと差し込むことに大きな期待を寄せています。

県では、これまでも対策をとってきたにもかかわらず十分な成果を見出せなかったこのような現状を見て、過去の振興策についての検証結果に基づく反省すべき点は何だったと考えるか、お示し願います。

先般、県北・沿岸振興に関する意見交換資料が配付されましたが、一部に踏み込んだ記載や新たな視点が入っているものの、これまでも各部局や振興局において事業の成果や検証を行ってきたということを考えると、十分なものになっておりません。本来必要なのは、数値目標を設定した上で、達成に向けたプロセスや事業内容、必要な制度改正案等をたたき台として示しながら、県議会を初めとする関係機関と本質的な議論を積み重ねることではないかと思いますが、どのような進め方をされるのでしょうか。

また、県の財政見通しからいって、知恵はあるけどお金がないで終わってしまうおそれもあります。必要な財源をしっかり確保しつつ、この間に行ってきた特定区域における産業の活性化に関する条例に基づく補助要件の拡大や県北沿岸地域中小企業振興特別資金貸付に見られるように、これまでより手厚い制度を県北・沿岸地域の特徴を見据え幅広く導入すべきと考えますが、知事の県北・沿岸振興対策に寄せる思いと、秘策があればお示し願います。

次に、ポジティブリスト制度についてお伺いします。

食品衛生法が改正され、5月29日からポジティブリスト制の導入が図られました。これは、国内外で使用されているすべての農薬や飼料添加物、動物用医薬品に残留農薬の基準を設定し、これを超えた場合、農畜産物等の流通を原則禁止するというものであります。また、これまで基準のなかった農産物にも厳しい0.01ppm以下という一律基準が設けられたため、生産者への周知の徹底や基準値が異なる作物を隣接して生産している現場での農薬利用時の注意点の徹底が求められることとなります。

平成13年度の食品中の残留農薬検査結果によりますと、残留農薬基準超過の発生頻度は1万件に1件の割合でありましたが、導入されたこの制度の基準に当てはめてみますと、単純計算では1万件に2件となることも考えられます。

本県ではこれまで、県内で収去された農産物で残留農薬の基準超過が見つかった事例はないようでございますが、今後発生する可能性が十分にあります。その要因としてドリフト、いわゆる飛散による被害が考えられますが、原因を特定するのは困難であると考えられます。原因者が特定できなかった場合は、廃棄にかかる経費について、全農岩手県本部では、独自に事故対策基金として積み立てられた基金の額を限度とし出荷回収経費の補てんを行うこととしていますが、農協系統販売以外の農家には補償制度はありません。

ついては、被害が発生した場合、特に系統以外の生産者への対応をどのように考えているのでしょうか、お伺いします。

また、万が一被害が発生した場合は、風評被害が起こらないよう細心の注意を払う必要がありますが、どのように対応するのか、お伺いします。

次に、野菜生産の拡大等についてお伺いします。

本県の農業生産の基幹をなす米については、人口の減少や高齢化が進み、その消費量の減少に歯どめがかからないことから、今後も相当厳しい状況に置かれるものと考えております。そうなると、本県農業の振興のためには、園芸振興、中でも野菜の振興に力を入れるべきだと考えます。

野菜振興については、久慈や西根のホウレンソウ、岩手町のキャベツなどの大規模産地が形成されているほか、野菜の系統販売額が1、000万円を超える方が会員である岩手県農協大型野菜経営者協議会の会員数が増加しているなど、規模拡大が進み、生産性が上がっていることがうかがわれます。しかし、最近の本県の野菜生産の動向を見ると、平成10年には栽培面積が1万1、800ヘクタールだったものが、平成16年には1万100ヘクタールとなり、この間、生産額も360億円から292億円に減少しておりますが、県は、今後の野菜振興についてどう取り組もうとしているのか、お伺いします。

また、本県では、気象的な制約から困難とされ、これまでほとんど取り組みが見られなかった冬春野菜の生産を、野菜生産の周年化を進める意味からも拡大すべきと思いますが、いかがでしょうか、お伺いします。

次に、ウニ、アワビの増殖についてお伺いします。

社団法人栽培漁業協会によると、平成17年度のアワビの出荷状況は、放流するアワビのサイズを大きくして出荷している要素があるものの、これまでの300万個台を下回る237万個で21%の落ち込み、ウニは、平成8年の708万個から295万個と58.3%もの落ち込みとなっています。その要因の一つに、漁協経営の厳しさから買い入れが減ったことが挙げられ、餌料対策が十分でなかったことや販売方法に課題があると見受けられます。

水産業基本計画による平成22年度の目標値に対する16年実績の計画達成率は、アワビが生産量で30.1%、生産額で48.6%、ウニは生産量で87.7%、生産額で61.2%と計画を大幅に下回っております。

久慈広域は、遠浅の漁場環境ゆえ、岩盤掘削による栽培環境の整備等を進めながら積極的にこの分野の生産に取り組んできました。しかし、近年伸び悩みの状況にあります。

県はこれまで、放流アワビの投資効果を高めるため、アワビ資源有効活用実証試験や特定海域栽培漁業定着強化事業を実施しながら生産拡大に努めてきましたが、このままの生産状況で推移した場合、目標達成は可能なのでしょうか。ウニの目標達成とあわせてお伺いします。

次に、小型漁船漁業の振興についてお伺いします。

小型漁船漁業は、これまで、沿岸地域を支える重要な役割を果たしてきました。しかし、近年、魚価の低迷やエチゼンクラゲの大量発生、原油高騰による燃料費や資材の高騰など、厳しい経営環境が続いており、10トン未満の漁船隻数は、毎年平均200隻ずつ減少し、1経営体当たりの生産額は、昭和60年代から400万円台で推移しております。

資源を守りながら目の前の海のものは自分たちでとりたいという思いから、まき網に制限を加えてほしいとの声を多く聞きますが、大臣許可ということや市場が安定的な数量を必要としていることから難しい状況にあるようであります。しかし、漁業法が現在の内容に改正されてから相当の年数を経過する中にあって、現状に適した改正が必要ではないかと感じております。

このような状況の中で、まず、県はこれまで移動性の低いヒラメの放流事業等を行ってきましたが、特にも県境に接している地域では、隣県との共同放流事業を進めることにより、放流事業が加速し、さらなる資源の増加が見込まれるものと思いますが、いかがでしょうか。

また、支援の一つとして、高値で売れる環境を整えることも必要であります。社団法人大日本水産会が創設した優良衛生品質管理市場認定制度において、洋野町の八木魚市場と宮古市の宮古魚市場が全国で初めて認定されましたが、施設の評価が販売価格と結びつくよう連動させなければなりません。

本県漁船漁業者のほとんどが小規模であることにかんがみ、今後どのような育成・支援をしていく考えか、あわせてお伺いします。

次に、建設業対策中期戦略プランについてお伺いします。

日本の高度成長時代、地域の潜在的な経済力の向上を図るための供給先行型のインフラや快適な国民生活を目指した生活基盤インフラ、災害の多い日本において未然防止を目的とする安全基盤インフラの整備を積極的に行い、公共事業が国土の均衡ある発展に大きく貢献してきました。

しかし、景気回復策の一環で行った財政的制約のない公共事業から、あらゆる評価制度を取り入れ、財政的制約のかかった選択と集中型へと急激に変化をしており、公共事業への風当たりは、ハリケーン並みの勢いで建設業界を襲っています。

このような環境の中、県はこの4月に建設業対策中期戦略プランを策定し、四つの柱から成る支援プランをまとめましたが、このプランの実施に当たっては、民間需要の多い地域とそうでない地域、公共事業費が少ない割に業者数の多い地域などによって支援の強化策が変わってくると思いますが、地域の実情を踏まえ、どのように取り組んでいくのか、お伺いします。

また、総合的な支援体制の3本目の柱である新分野参入についてでありますが、先般、建設業協会久慈支部青年部主催による農業分野に参入した企業の実績を報告する研修会が企画されました。それによると、菌床シイタケ生産事業に参入した2社の収支決算を見ると、年間平均で231万円の損失、うち1社は労務費を計上していませんから、これを仮に計上したとすると360万円の損失が新たに発生することとなります。平成18年度の売上目標を見ても110万円台の損失となる見込みであり、久慈市が導入した農外企業補助金が入ってとんとんの収支見込みであります。

このような状況では、安定生産に数年かかるため、資本力の差によって多角化ができるかどうかが決まり、体力の少ないC級クラスではリスクが大き過ぎるのではないでしょうか。

ついては、農業進出の場合、農業技術力の向上と経営規模の拡大、販売先の確保等の協力が不可欠と思われ、これに取り組むためには新たな融資制度等が必要と考えますが、どのような対応をお考えか、お示し願います。

次に、総合評価落札方式についてお伺いします。

公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法が施行され、価格のみの競争から、価格と品質の両面から判断する総合評価落札方式が試行的に実施されることとなり、今年度、県土整備部では30件程度の工事を行うこととしています。

総合評価落札方式において、技術評価の点数は入札価格差に見合う形でなければなりません。県土整備部の運用方針では、標準型の場合、技術提案項目の細目である社会的要請への対応に関する技術の中では、通行規制期間の短縮や施工騒音の低減等が評価基準の例となっており、住宅密集地と山間・田園地帯では評価の内容の必要性が変わってくるため、この技術提案の評点がさほど必要のない路線が出てくるのではないかと考えられます。

また、簡易型の場合、地域貢献度のポイントは、国ベースより高い1点となっておりますが、施工能力等の技術評価事項の割合が比較的少ないことから、技術評価事項における点数に差がなくなるため、結局、入札額重視になるのではないかとも考えられます。これらの観点から、現在考えられている簡易型が10点、標準型が15点という設定で制度が目指す効果を実現できるのでしょうか。

ついては、このような個別の技術提案について、具体的にどのように評価するか、また、他の都道府県など先行事例の情報についてどのように制度として反映しているのか、お伺いします。

総合評価落札方式については、その制度導入の趣旨から、今後さらに取り組みが拡大していくものと考えますが、従来の発注方式に比べて時間や手間がかかるなどの課題もあります。これら課題をどのようにとらえ、今後の取り組みの中で対応していこうとするのか、お伺いします。

次に、中高一貫教育についてお伺いします。

本年3月に新しいタイプの学校に関する検討委員会が報告書をまとめ、答申を行いました。その答申によると、併設型中高一貫校を通学が容易な沿線部に1校導入し、医師や弁護士等の不足を解消する人材の育成を目指すタイプを主眼に置き、芸術やスポーツ分野のようなスペシャリストの育成を加味した学校のタイプが望ましいとしています。

県では、平成18年度予算に新規で県政課題貢献人材育成事業を盛り込み、盛岡第一高等学校を含む6校を指定し、医学部や難関大学の進学へ向けた支援を行っていますが、併設型中高一貫の設置予定となる高校はこの中から選ぶのでしょうか。そうなった場合、この指定校は、通学区域を全県とし、通学時間に制限を設けていないことから、事実上、沿岸部の生徒はこの学校を選択できないと思いますが、どのようにお考えかお伺いします。

人事課の調査によると、県庁職員の配属希望先の上位は圧倒的に盛岡地区、次いで花巻、北上、水沢、一関の順になっています。医師や弁護士もまた都市部に偏る傾向が見られます。都市部やその周辺で育った子供たちが医師等になった場合に、喜んで県北・沿岸に来てくれるのだろうか、心配な点があります。私は、地域への定着を考えた場合、できるだけ広域ごとに人材を輩出させる取り組みが必要であると思います。

ついては、生徒数が少なく、その設置が難しい県北・沿岸地域には、中小規模のスペシャリストを育成する併設型中高一貫校の設置は考えられないのでしょうか。設置に向けた検討状況についてお伺いします。

また、先行して軽米、葛巻両校で実施されている連携型の中高一貫教育については、実施されてから五、六年が経過しているため検証が進んでいると思います。

ついては、これまでの両校での成果をどのようにとらえ、県下の連携型中高一貫教育について、今後どのような方向に進めようとしているのか、お伺いします。

次に、地域課題について1点お伺いします。

二戸管内の道路整備において、県道二戸・九戸線が、唯一新規事業として採択されました。折爪トンネルに通じるこの路線は、ブロイラー生産が盛んな地域のため大型トラックの行き来が多く、狭隘で線形も悪かったことから地域の要望が大きかった路線であります。事業着手に当たり、整備の見通しはどのようになっているのか、お伺いします。

最後に、県北・沿岸振興に当たっては、格差が格差を生む社会とならないよう注視しなければなりません。地域の特徴を生かしながら、力強い産業の形成を実現し、生まれ育った地域で変わらず生活ができるよう、安心して子供を産み育てられるよう、平等なチャンスが訪れる地域となるよう最大限の支援をお願い申し上げます。

幸い、議員各位の深い御理解をいただき、県北・沿岸振興議員連盟が発足するなど、県北・沿岸振興は、県議会全体で取り組む重要課題と位置づけられています。多少の思い入れが強くなっても賛同をしていただけるものと思いますので、執行部におかれましては、思い切って取り組まれるよう重ねてお願いを申し上げ、一般質問を終了します。

御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

〇知事(増田寛也君)

工藤大輔議員の御質問にお答え申し上げます。

まず、7、200億円、さらには7、000億円の財政規模と申し上げたわけでありますが、これは、やりくりを除いた歳入規模に見合うように歳出構造を見直していく必要があるという観点から、一つのわかりやすい目安として申し上げました。そして、毎年度の予算は、その時々の中期財政見通しを踏まえて編成しておりますが、地方財政計画や地方交付税総額の抑制という影響もございまして、この中期財政見通しにおける財源不足がかなり拡大の方向で推移してきているということによりまして財政規模の圧縮を余儀なくされ、このことが将来の目安とすべき財政規模の縮小につながったものでございます。また、こうした目安をお話しすることを通じまして、今後の歳出見直しの必要性につきまして県民の皆様方にも理解を深めていただきたいとの思いがあるものでございます。

今後、国の動向なども踏まえながら、次期行財政構造改革プログラムの策定作業を実施してまいりますが、この新しいプログラムは、持続可能で自立的な行財政構造の構築につながるものとする必要がございますので、歳出全般につきまして、さらに徹底した見直しを行う方針でその策定に取り組んでいく考えでございます。

次に、産業振興関係の予算額についてであります。

この産業振興自体については、さきの、あるいは今県議会でも申し上げてございますとおり、重点的に取り組む施策の第一として位置づけております。地方財政を取り巻く環境がより一層厳しさを増しているわけで、そして、県全体の予算規模の絞り込みを今行っておりますが、こうした中で、投資的経費についても大幅に抑制せざるを得ないという状況が生じております。しかし、こうした中にございましても、地域の自立の基盤となる産業の振興につながる事業については、可能な限り積極的に取り入れるようにしております。今年度予算におきまして、自動車関連産業の集積の促進や特定区域での産業活性化のための工場の新増設に対する補助制度の創設を初め、本県の産業振興を図る施策に重点的に取り組んでおります。

今後、社会経済情勢の変化、そして本県の成長の可能性を的確にとらえまして、施策の一層の重点化に取り組みながら、産業振興を初めとする重点課題に積極的に対応すべく、めり張りのついた予算編成を行っていきたいと考えております。

3点目でありますが、職員の人事配置についてであります。

公共事業部門を含めた県全体の事務事業の状況に応じまして、職員一人一人の能力を最大限に発揮する、このような観点に立ちまして、近年、技術系職員を、予算部門や政策、企画部門など、従前は事務系職員が行っておりました部門へ積極的に配置をするというような柔軟な異動を行っております。

今後、職員4、000人体制に向け、組織としての力を一層高めていく必要がございますが、今般、議員御指摘のとおり地方自治法改正がございまして、事務吏員と技術吏員の区分の廃止が行われました。この趣旨も踏まえながら、さらに今後、事務系、技術系にとらわれない、柔軟かつ適正な職員配置を進めていく考えでございます。

次に、県北・沿岸振興施策についてのお尋ねでございます。

まず、従来の反省点ということでございますが、これにつきましては、各分野につきましてこれまで検証を行っております。

農林水産業につきましては、畑地かんがいなどの基盤整備や生産設備への助成を行いながら生産拡大を中心に取り組んでまいったわけでありますが、高次加工や多様な流通チャネルへの対応がおくれていることなどによりまして、生産額の拡大や従事者の所得向上に必ずしも結びついていないということがございます。製造業につきましては、我が国の製造業全体が基礎素材型産業から加工組み立て型へと転換をしてまいりましたが、新日鐵釜石など、圏域の経済と雇用を長年にわたって支えてまいりました企業が相次いで事業縮小していく中で、地域の新たな核となる企業、産業が十分には育っていないという状況にございます。また近年、沿岸圏域で、例えば宮古中心ですが、コネクターなど高度部材製造やコンプレッサー関連機器製造等の有力企業の立地と、これに伴う地場企業の成長が見られるようになっておりますけれども、そうした場合でも、その一方で、これらの要請に対応する人材確保や協力企業の集積が不十分であるということも課題になっております。観光につきまして言いますと、キャンペーンなどの観光宣伝や県外の大手旅行会社とのタイアップに力を注いでいるというのが今までのやり方でありまして、地域が主体となった商品開発や誘客戦略などの取り組みが弱かったということがございます。また、農林水産業など地域の産業と連携した取り組みが不十分でありまして、観光客の来訪によります波及効果が限定的である。結果として地域全体の活性化につながっていないといったことがございました。社会資本整備につきましては、これまで高速交通体系の効果を県北・沿岸地域に波及させるというねらいで、県単の高速交通関連道整備といったものを重点的に推進してまいりました。そのほか、沿岸を物流の拠点とするということで、重要港湾4港を整備するなど、県北・沿岸圏域の社会資本整備に積極的に取り組んできたという事実がございます。しかし、まだ三陸縦貫自動車道など圏域の本格的な高速交通網の整備が途上であること、また、多くは公共投資による直接的な投資効果にとどまっておりまして、本来の目的であります社会資本を活用した地域産業の振興への取り組みが不十分だったことなどから、想定した港湾物流が実現しておりませんで、結果として県内の製造品が八戸港や仙台港など県外の港湾へ流出しているといったような現象もございまして、こうしたことが今後の課題として検証されております。

こうしたことを踏まえた今後の振興策の策定方法についてでありますが、現在、市町村長や市町村の産業関係職員、それから農林水産業団体、担い手生産組織、地域の有力な食品関連企業、そしてものづくり企業、観光事業者などと直接意見交換を行っております。その中で、今、議員に御指摘いただきましたとおり、目標を設定して、達成に向けたプロセス、そして必要な事業の内容、制度改正など具体的な方策について今議論を進めております。

今後、こうした意見交換の結果を分析して、また、昨年12月県議会におきまして附帯意見をいただいております。そこでいただきました意見の趣旨も十分に踏まえながら、極力早期に産業振興の基本方向の素案を策定したい、そしてまた、議会の方からの御提言も承りながら最終的な取りまとめを行っていきたい、このように考えております。

3点目として、この県北、沿岸の特徴を見据えた制度の導入ということでお尋ねがございましたが、やはり、県北・沿岸圏域の振興を図るためには、これまでの取り組みのしっかりとした検証の上に立って、既存の制度の枠から踏み出していくことが重要である。枠にとらわれることなく、そこからさらに踏み出していくことが重要であるというふうに考えておりまして、今年度当初予算に入れておりますような企業誘致を強力に進めるための補助制度の創設に加えまして、県北・沿岸圏域のみを対象とした中小企業への新たな資金制度を創設するといった特別の措置を講じて、今できるものから取り組んでいるところでありますが、こうしたことが必要になってくるのではないかというふうに思っております。

先ほどいろいろ各分野の検証について申し上げたわけでございますが、そうした検証と、そこから浮き上がってまいりました課題を解決するための方策につきまして、だれが、いつまでに、何をどのように取り組んでいくべきかということを先ほど申し上げました関係者と今真摯に議論をしております。今後、成果を確かなものにしていくために、必要がある場合には特別な支援策ということも視野に入れながら、地域の皆さん方とともに具体的な取り組みを進めていく考えでございます。

その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願いします。

〇農林水産部長(高前田寿幸君)

まず、ポジティブリスト制度についてでございますが、農薬の飛散、いわゆるドリフト等による被害の補償につきましては、系統出荷をしている農家につきましては全農の全国本部や岩手県本部の補償制度が適用されますが、系統に出荷していない農家につきましては、議員御指摘のとおり、今のところ被害補償の制度はございません。このようなことから、県といたしましては、本年4月に国に対し、すべての生産者を対象とした新たな補償制度の創設を提案いたしたところでございます。

また、ポジティブリスト制度に適切に対応するためには、まずもってドリフト等による被害を起こさないことが重要でありますことから、今後とも生産者や農薬販売業者などの関係者に対して一層の注意を喚起し、農薬の適正使用と飛散防止対策等の徹底に努めてまいりたいと考えてございます。

また、風評被害対策についてでございますが、万が一ドリフトなどによる被害が発生した場合には、誤った情報や思い込みによる風評被害が発生しないような適切な対応が必要と考えてございます。このため、県といたしましては、出荷した農産物の迅速な回収措置や原因の究明、さらには再発防止策の徹底等、産地としての信頼を損なわないための最大限の措置を講じ、残留農薬の健康への影響も含めて、消費者への迅速で正確な情報提供に努めてまいりたいと考えてございます。

次に、野菜振興についてでございますが、輸入野菜の増加等による市場価格の低迷や生産者の高齢化などによりまして生産額が減少する中で、本県の野菜振興を図るためには、気象条件を生かした産地の育成、豊富な有機物資源の活用や低農薬栽培など、安全・安心面での差別化、それから、高品質野菜の安定供給が重要であると考えております。このため、県といたしましては、産地の核となる大規模経営体の育成や夏季冷涼な気象条件を生かしたホウレンソウ、キャベツなどの夏秋野菜の生産拡大、さらには、JAと行政が一体となって新たに設置いたしましたチームによる単収向上と生産コストの低減や量販店等との契約取引の拡大などを積極的に推進し、新鮮、安心で高品質な野菜を安定的に供給できる産地づくりを進めてまいりたいと考えてございます。

次に、冬春野菜の生産拡大についてでございますが、冬春野菜は、夏秋野菜との組み合わせによりまして農家所得の向上が図られ、また、本県のような寒冷地ではほとんど農薬を使用することがなく、甘みが増すなど、安全・安心やおいしさを求める消費者にマッチした有望な品目と考えております。このため、地域ごとに重点推進品目を定め、寒締めホウレンソウ、促成アスパラガスなどの生産拡大を図ってきたところであり、この結果、平成17年の栽培面積は、県内全体で120ヘクタールと3年前の2倍に増加いたしております。県といたしましては、関係機関・団体との連携を図りながら、栽培技術の普及のための実証展示圃の設置、新規生産者を対象とした栽培研修会の開催、さらには、契約栽培の促進や消費者へのPRによる販路の拡大などにより、県北・沿岸地域を初めとする県内全域で冬春野菜の生産を拡大し、本県ならではの特色ある産地を育成してまいりたいと考えてございます。

次に、ウニ、アワビの増殖漁業についてでございますが、ウニ、アワビにつきましては、放流事業による資源の底上げ等の効果が見られるものの、これまでの生産実績から見まして、水産業基本計画に掲げる生産目標の達成は非常に厳しいと考えております。このため、県といたしましては、ウニにつきましては、昆布等のえさの供給による身入り向上策や漁協直販を初めとした販売チャネルの多角化の支援、さらには、安定供給を図るための蓄養システムの実証などに取り組んでいるところでございます。また、アワビにつきましては、資源の積極的な活用を図るための夏場の特別採捕許可や放流効果向上に向けた実証試験などに取り組んでいるところでございます。今後とも、市町村や漁協との連携を図りながら、こうした取り組みを積極的に展開し、ウニ、アワビ漁業の振興を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

次に、小型漁船漁業の振興に関連して、隣県との共同放流事業についてでございますが、ヒラメの種苗放流事業につきましては、本県を含む多くの道県で実施いたしておりますが、放流魚の回収率の低迷や魚価の下落によりまして十分な経済効果が発現していない状況にございます。このようなことから、北海道から茨城県まで太平洋北部6道県が連携いたしまして、種苗の適地集中放流の事業効果について、本年度から5カ年間の計画で具体的に検証することといたしております。県といたしましては、この検証結果等も踏まえ、隣県との共同放流も含めて、関係道県による効率のよい放流事業のあり方について検討してまいりたいと考えてございます。

次に、優良衛生品質管理市場認定による市場の評価と販売価格の連動についてでございますが、優良衛生品質管理市場の評価を販売価格に結びつけるためには、漁獲段階から水揚げ、流通まで一貫した高鮮度かつ衛生的な管理体制を構築するとともに、こうしたシステムを流通関係者や消費者に理解していただき、高い評価を得ることが重要であると考えてございます。このため、県といたしましては、漁獲時における海水氷の使用と水揚げ時の低温管理の徹底、さらには、宮古及び八木魚市場と消費地市場との連携による高鮮度で衛生的な物流システムの構築に取り組みますとともに、このような一連の取り組みを広くPRすることによって、安全・安心で高品質な本県水産物をバイヤーや消費者に積極的にアピールし、産地市場の評価を販売価格に連動させるよう取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

次に、小型漁船漁業に対する育成支援策についてでございますが、小型漁船漁業につきましては、これまで、意欲のある漁業者が新規参入できるような漁業許可制度への改善、ヒラメ、マコガレイの資源管理による漁獲量の増大などにより、担い手の育成と漁業所得の向上に取り組んできたところであります。今後におきましては、本年7月までに新たに沿岸漁船漁業振興方針を策定いたしまして、この方針に基づいて、活魚出荷や高鮮度な水産物の流通などによる付加価値の向上、アイナメやミズダコの新たな資源管理などに取り組み、小型漁船漁業の経営安定に努めてまいりたいと考えてございます。

また、小型漁船漁業と国が管理するまき網漁業との間に操業をめぐるトラブルが見られますことから、来年度の許可の更新に際しまして、国に対し、操業区域の見直し等について要望してまいりたいというふうに考えてございます。

〇県土整備部長(西畑雅司君)

建設業支援についてであります。

議員御指摘のように、地域の建設投資の状況や、地域によりまして新分野進出ができる分野の違いなど、その地域の建設業を取り巻く状況はそれぞれ異なることから、支援内容も、その状況に応じまして適切なメニューを選択して実効あるものとしていくことが重要であると考えております。このため、各振興局等に設置しました建設業総合相談センターにおける個別相談や新分野進出の意向調査、ワークショップの開催など、地域や個別企業の実情を十分把握しながら、岩手県建設業協会の経営支援センターとも緊密に連携を図って必要な支援を適切に行ってまいりたいと考えております。

次に、新たな融資制度等についてでありますが、現在、建設業対策クロスファンクショナルチームにおきまして、新分野に取り組んでおられる企業から御意見も伺いながら、庁内関係部局や金融機関とも相談しながら検討を進めているところでございます。また県では、建設業総合対策事業を創設し、県内建設業者が取り組む新分野進出等に必要な製品開発や販路開拓、人材養成等に要する経費に対しまして支援を行うこととしております。今後は、振興局等を通じまして、この制度の活用につきまして企業にお知らせし、新分野進出を支援してまいりたいと考えております。

次に、総合評価落札方式についてでございます。

実際に技術提案の評価方法についてどのようにするかというお尋ねでございます。県では、基本的には、国が昨年9月に示しましたガイドラインに基づきまして対応することとしております。

標準型につきましては、発注工事の特性に応じまして、例えば施設の維持管理費の低減等によるコストの総合的縮減対策や舗装工事における排水性等の性能や機能の向上対策や環境対策等の社会的要請への対応など、具体的な課題を定めて、それについての技術提案を求めることとしております。簡易型につきましては、簡易な施工計画、過去の実績や工事成績評点、配置予定技術者の経歴、防災やボランティア活動実績や地域条件等の精通度につきまして評価を行うこととしております。提示されました技術提案は、振興局土木部で審査し、さらに県土整備部の技術評価委員会が評価の妥当性を確認した上で技術評価点を決定することとしております。

なお、落札者の選定につきましては、入札担当が技術評価点と入札価格とを総合的に評価し、学識経験者の意見を伺った上で決定することとしており、これら一連の対応によりまして、価格と品質で総合的にすぐれた調達ができるものと考えております。

他県の先行事例の反映についてでございますが、平成17年度には、国土交通省と22の都道県が総合評価落札方式に取り組んでおります。本県での制度を導入するに当たりまして、それらの実績を参考としながら、具体的には、技術評価点の配点や入札価格と技術評価点の総合的な評価方法を定めたところでございます。

次に、県道二戸・九戸線の整備の見通しについてでございます。

九戸村長興寺地区の幅員が狭く、特に線形が悪い国道340号交差点付近の約300メートル区間につきまして、今年度、測量調査を行うとともに、一部用地補償に着手する予定でございます。平成20年度の完成を目指し、事業の進捗を図ってまいりたいと考えております。

なお、この区間の二戸側の約600メートル区間につきましては、2車線が確保されているものの、路面の損傷が著しいことから、今年度、舗装補修などを行うこととしております。

〇総務部長(川窪俊広君)

総合評価落札方式の課題と今後の部分でございますけれども、総合評価落札方式は、従来の入札方式と異なりまして、入札に参加される企業から技術提案を提出していただいたり、その技術提案を発注者側で審査を行いますし、また、落札者を決定する際には、学識経験者の意見聴取が義務づけられているといったことがございます。このため、入札に参加される企業や県の双方におきまして、技術提案の検討や審査、また、関係書類の作成や各種手続などが加わることになるわけでございますけれども、これらは、品質確保法に基づきまして、価格と品質が総合的にすぐれた社会資本の整備を進めていくという観点から、必要になるものと認識しているところでございます。

総合評価落札方式につきましては、今年度の試行の結果を踏まえまして、その効果の検証に加えまして、書類の作成や手続といった運用面の課題につきましても把握したいと考えておりまして、県や他県の実施状況も参考にさせていただきながら、より効率的な入札が行えるように必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。

〇教育長(照井崇君)

まず、併設型中高一貫教育校の導入についてですが、本県にとってどのようなタイプがふさわしいかにつきましては、検討委員会において十分議論していただいたことから、その報告の内容を踏まえ、既存高校の有効活用を基本としながら、まずは1校目を東北本線沿線部への導入を目指して、現在、その導入タイプや導入地域、学校の規模などについて具体的に検討を進めているところです。

検討委員会からは、併設型中高一貫教育校の導入は、生徒や保護者が、これまでの中学校、高等学校に加えて6年間の中高一貫教育をも選択することができるようにすることにより、中等教育のより一層の多様化を推進するものであることから、通学区域は県内全域とすることが適当であるとの御意見をいただいております。県土が広い本県では、1校のみの導入では県内のすべての生徒が通学することは困難ですので、その後、2校目の導入について検討してまいりたいと考えております。

次に、県北・沿岸地域の人材の育成についてですが、本年度から実施している県北・沿岸地域人材育成支援事業を通じて、地域に貢献する高度な専門的知識や技術を身につけた人材を育成するための大学進学に対する各校の取り組みを支援しておりますが、さらに、県政課題人材育成事業とも連携して、この事業で開催する難関大学対策講座や進路講演会に、県北・沿岸地域で医師や弁護士などを目指す生徒や指導する教員も参加できるよう計画し、生徒一人一人の進路希望を実現できるよう努めてまいります。

次に、県北・沿岸地域における併設型中高一貫教育校の設置についてですが、併設型中高一貫教育校については、現在検討している1校目の導入後の成果や課題を速やかに検証しながら、2校目について、県北・沿岸地域での導入も含め、全県的な視点に立って検討してまいりたいと考えております。

次に、連携型中高一貫教育校についてですが、この連携型の中高一貫教育については、軽米地域は平成13年度から、葛巻地域は平成14年度から導入しておりますが、その成果としては、英語、数学を中心とした教科指導において、中学と高校の教員が交流することで6年間を見通した一貫した指導が可能となり、生徒の基礎的、基本的な学力が定着してきていること、部活動指導、生徒指導、地域学習などの分野で、中学校と高校が連携して取り組み、6年間継続して指導することにより、生徒の学習意欲や郷土に対する意識の向上が見られること、中学校と高校が円滑に接続することにより、ゆとりある安定した高校生活がスタートできていることなどが報告されています。

一方、課題としては、中高一貫教育のよさを生かすために、中高の教育課程の接続について一層の工夫が必要であること、英語、数学中心の授業交流を他教科に拡大する必要があることなどが挙げられております。

このように、連携型中高一貫教育は、一部の課題はあるものの、一定の効果が認められるところです。両地域とも、連携型導入時に中学校に入学した生徒がまだ高校を卒業していないことから、今後、6年間を通じた成果の検証を行う必要があると考えております。

軽米、葛巻両地域においては、地元も継続を希望していることから、当分の間、連携を継続してまいりたいと考えております。

また、それ以外の地域における連携型の導入については、県中高一貫教育研究会議から、その実施条件として、連携予定の中学校卒業者数が今後も一定数を見込めること、高校入学者に地元中学校からの進学者が相当の割合を占めていることなどの五つの条件が示されていることから、地元の市町村の意向を十分伺いながら検討してまいりたいと考えております。

〇28番(工藤大輔君)

再質問をさせていただきます。

先ほどは、御答弁大変ありがとうございました。

まず初めに、知事にお伺いしたいと思います。

産業振興の予算の減額について質問をさせてもらいましたが、やはり、これが及ぼしている影響というのは非常に大きいと思います。例えば、農林水産関係で見ますと、平成15年から、農政関係では、今年度当初予算と比較すると71.9%、林政では83.4%、水産では63.4%の比率となっています。例えば水産なんかで見ましても、昨年度からこの水産振興の予算というものは約66.1%となっており、年々その事業等がなくなることによって、例えば、細かい分野で対応してほしいというものがあっても、結局は予算がないというふうな状況で振興策が十分に図られていないというのが、私は実情であると思います。

ですから、そういった観点から、特にもそういったすぐ成果の出るものだとか、中長期にわたって必要なものというものはしっかりと区分をしながら、今まさに必要なものはすぐやってほしいものにも対応してほしいということの視点が地域の方には多いようですが、しっかりとすみ分けをさせながら、理解できるような予算編成、また配置というものをするべきだと思いますが、再度、これについて御答弁をお願いしたいと思います。

次に、水産関係についてお伺いしますが、このまき網の件で、先ほど部長の方から、国に対して要望をしていくということで御答弁をいただきました。これは、もともと漁業法の中の指定漁業の許可及び取締り等に関する省令の中で決められているものであって、昭和38年1月22日から今日まで操業可能な範囲というものは変わっていないということであります。当時の漁船のサイズ、例えば県内の小型漁船等のサイズよりも現状の方が大きくなっていて、3海里とか1海里よりもはるかに遠く小型漁船は操業できます。これらの範囲が、漁場が拡大することによって間違いなく小型漁船漁業、また県内で一番多く取り組まれているその分野の漁業関係者においても必ずいい結果が出るというふうに思いますので、これは、全国的な課題等もあると思いますので、協調関係をとりながら、しっかりと変更させるように国に対して要望をしてほしいと思います。

なお、御承知のとおり、この15トン以上の大型のまき網漁業の船は、県内では一船もないということですので、他県の船がどんどん来て岩手の漁場からとっていくというのがこれまで長く続いてきたことですから、これを沿岸の漁業者は強く要望していることだということを再度認識されて、強い要望をされるよう、よろしくお願いしたいと思います。

次に、建設業対策の戦略プランについてお伺いします。

これは、以前から戦略プランについては必要性が問われていました。本来であったら、公共事業が大きく減少される中でこれを進めるのではなくて、緩やかな形で進めた方が自然だったと思いますが、急激な公共事業費の減少で、こういったプランが急遽出されてきました。しかし、内容においては、成功事例が少ないということから見ても、やはり不本意な成果でしかないというふうに思います。

まだ中身の方でも具体策というものがきちんと示されていない状況であって、数年前から、早くから参入した会社ほど苦労しているというのが現状ですから、そういったことのないように取り組まれていってほしいと思いますし、また、建設業者、例えば会社として新規で農業分野等に参入された場合、先ほど述べましたように数年間赤字が予想されています。そうすると、経営事項審査において経営状況に係る点数も下がってしまって、会社として、農業に入った場合には、結局、県営建設工事請負資格にも影響するというのが現状ではないでしょうか。となると、現状では会社としては入れない、新規分野には参入しづらいというのが現状でありますので、そういった制度等は、どうにか見直すか、何らかの手配をしなければならないと思います。これについてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

また、総合評価落札方式においては、今後制度が進むことによって、より大きな会社とか、大手中心の、そこらが多くとるということだけではなくて、やはり地域で貢献している会社もしっかりととれるよう、今後の推移を見ながら十分に配慮した制度にしてもらえますよう、これは要望にしたいと思います。

教育長にお伺いしたいと思います。

中高一貫教育、併設型等について質問させてもらいましたが、内陸1校だけでその成果というのがはっきりわかるのかどうか。私は、内陸の方と沿岸部の状況というのは、当然違うと思います。これは教育長も十分わかっていると思いますが。そうなると、内陸型、あるいは県北・沿岸型だとか、そういった形で、ともにそのモデルとして実行させ、成果を問いながら、子供たちのためになる本当の教育ができるような環境をつくるというのが、私は教育委員会の使命だというふうに考えています。

そういった中で、現在1校の設置を考えているようですが、先ほどの連携型の方では、6年間の成果を見ながら次を考えると言ってみたり、今度は、併設型では、すぐまた沿岸を含んで検討したいと言ってみたり、教育委員会の方針というものが明確になっていないと思います。

私は、連携型についても、きょうの午後最初の吉田昭彦議員の質問でもあったように、やはり地域から求められている、また強く要望されている件につきましては、十分教育委員会としても相談に乗って、要望の中身がちょっと無理だというものであったら、どうすれば解決できるのか、どうすればいいのかということを真剣に考えながら、地域と相談して教育行政を推し進めるべきと思いますが、どのように考えているか、お伺いしたいと思います。

〇知事(増田寛也君)

産業振興の関係について、今、御質問ございましたので、お答え申し上げたいと思います。

農林水産部、それから県土整備部などの関係の予算、今御指摘のとおり、大変大幅に削減せざるを得ませんでした。内容的には、ほとんど投資的経費の部分でございますけれども、そうしたものを減らすということでございました。これは、御案内のとおり、大変今財政が逼迫をしているということなんでございますが、国の方でも、こうした投資的経費についてはかなり削減してきたということ、そして今、新聞報道によりますと、今後も3%、あるいは少し押し戻したようですが、1ないし3%と書いていましたが、5年間投資的経費を削減するという計画のようでございます。

国がそのぐらい減りますと、大体国は直轄にシフトしますので、地方の方に回ってくる分はさらに大幅に減るということがございまして、県財政の状況を見てそうせざるを得なかったわけでございます。

ただ、今、議員から御指摘いただきましたように、そういう大きなお金のかかる部分についてはどうしても抑制せざるを得ない、水産で言いますと漁港改修のようなものは大幅に抑制せざるを得なかったんですが、先般も市町村長さん方との意見交換の場に行きましたら、ある地域では、荷さばき場の整備を大変強く要望されました。これはそこまでの、漁港改修でずっと時間をかけてやるほど大きなお金のかかるものではないんですが、お話をお聞きしますと、HACCP対応で、安全性が求められる中で、そうしたことができ上がると魚の付加価値も大変高まるという事情もあるようでございます。

したがいまして、今、議員の方からお話がございましたとおり、中長期的にかなり時間をかけて整備をするものへの対応と、それから、それほど大きなお金でなくてもすぐ効果が想定されて、産業振興につながるようなもの、内容をよく峻別いたしまして、そして、限られた予算の中ではございますが、その中で、早く効果の出るもの、産業振興に結びつくようなものには、重点的に今後も予算を投じていく必要があるのではないか。それを今、地域の方でいろいろお話をお伺いしておりますので、今後よく見きわめをして、そして、必要なものは予算化していきたいと考えております。

〇農林水産部長(高前田寿幸君)

大臣許可漁業は、漁船の規模が大きくて操業区域が広範囲であるなど、国の管理が必要とされる漁業でございまして、岩手県沖では、おおむね1から3海里以内での操業が制限されてございます。

この、今御指摘のまき網漁業につきましては、平成19年7月がこの見直しの時期ということでございまして、県といたしましては、平成13年にも国に対し操業区域の見直しを要望しているところでございまして、議員の御指摘も踏まえまして、引き続き要望してまいりたいと考えております。

〇県土整備部長(西畑雅司君)

既に参入されている企業の声をよく聞いて、その結果を今後の対策に生かすべしという議員の御指摘でございます。肝に銘じまして、今後の対応に努めてまいりたいと思っております。

それから、経営事項審査について御質問がございました。

建設企業は、経営事項審査を毎年受けなければならないわけでございます。仮に新分野に進出するということで、新たに金融機関等から資金を借り入れする、そういたしますと、経営事項審査の中の経営状況分析、Y点と言っておりますけれども、このY点が下がるという仕組みとなってございます。こういったことにつきましては、建設業の地域懇談会の中でも社長さん方から、Y点が下がるということが新分野に進出していく場合の一つの課題になっておるというふうにも伺っておるところでございます。

県におきましては、この点につきまして、今後、国あるいは他県の状況を十分調査しながら、どのような対応が可能なのか、検討してまいりたいと思っております。

〇総務部長(川窪俊広君)

先ほど御要望いただきました総合評価落札方式で、大きな会社のみでなく、地域貢献のある企業もしっかり結果において落札が出るようにというお話がございましたけれども、総合評価落札方式につきましては、地域精通度などを含めた多様な要素を評価させていただくという仕組みになっておりますが、いずれにいたしましても、よく今年度の試行の結果を検証いたしまして、必要な見直しについて検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと存じます。

〇教育長(照井崇君)

教育行政の推進に当たりましては、その基本姿勢としまして、地域の皆様方の御意見に真摯に耳を傾け、その地域の課題やニーズというものをしっかり踏まえて対応していきたいと考えております。

〇28番(工藤大輔君)

教育長にお伺いします。

教育長は、これまで常にそのような答弁をされてきましたが、今、現実としてそうでない、そうなってないというような状況にあるから質問があり、また、議会ごとにこういうふうな形で議論となってしまうんです。そのような答弁だけで通してしまうと、この本会議を通してしまうというふうな形では、ますます疑念を持ってしまう。教育行政はこれで大丈夫かと、県の教育委員会が進める体制で十分にその役割を果たしているのかということについて、私は疑念が全く晴れない。前の議会からもずっとそうなんですけれども。もう少し、真剣にというか、仕事をされていると思いますが、本会議の答弁ももうちょっときちんと答えてもらえますように、再度、何か言うところがあれば、お答え願いたいと思います。

〇教育長(照井崇君)

私、昨年就任以来、ただいま申し上げたような姿勢で取り組んでいるつもりでございますが、いずれ、さまざまな課題がございますけれども、そうした課題については、いろいろな角度から検討を加え、総合的に判断して進めているつもりでございますが、ただいまの議員の御指摘を肝に銘じて、今後しっかりと対応してまいりたいと存じます。