くどう大輔発言録

平成16年12月定例会 決算特別委員会・総括質疑

(2004年12月06日)

〇工藤大輔委員

民主・県民会議の工藤大輔でございます。

会派を代表し、平成15年度決算について総括的に質問をいたします。

質問に入るに先立ち、知事に所感をお伺いします。知事は議会の要請にこたえられ、さきの予算特別委員会の総括質疑に初めて出席をすることとなりました。重要な予算審議の場で提案者である知事から直接考えを聞き議論をするということは、大変意義深いものでありました。そして、今回初めて決算特別委員会に出席をされることにより、予算から決算、そして予算へと一連の流れが整いましたが、知事は両特別委員会に出席されることについて、どのような所感を持っているのでしょうか。

〇増田知事

まず、前回予算特別委員会の方に私出席をさせていただきましたが、もとより、議会と執行部は車の両輪と例えられますけれども、その中で緊張感あふれる審議、そして政策論議が必要だと思っておりますが、私も予算特別委員会に出席をいたしまして、いろいろと説明する機会を与えていただきまして大変意義深かったと、大変勉強させていただいたと思っております。

そして、予算と決算は、今、委員からお話しございましたとおり、同等の重みを持つものでございまして、私どもも決算でいろいろと御指摘いただいた事項を、次のまた予算に反映をさせていくということが必要でございますので、今回決算特別委員会の方に出席をさせていただくということは、これから私もさまざまこの場で御指摘をいただくことになると思いますけれども、そうしたものを次の予算に反映させていく上で大変重要な御指摘と思いますので、意義深いものと考えているところでございます。

〇工藤大輔委員

これまでどうしても知事から、直接御本人から言葉を聞かなければわからないといったことも、これまで幾多かあり、知事を呼べというふうな形でこの場でもあったわけですが、そういったことは恐らく減少の方向に向かっていき、知事の考えていることが直接伝わるような形で今後進めていけばよいなと思いますし、また、この決算の結果を、より翌年度予算に反映させてまいらなければならないことから、決算の時期を見直す要請が議会からも出ております。適切な時期の開催を要望したいと思います。

それでは、順次質問に入ります。

平成15年度の財政運営は、財政状況が厳しい中にあって、政策評価の徹底や政策形成・予算編成システムを本格的に導入し、プライマリーバランスの均衡を図るために県債発行を抑制し、県債を財源とする普通建設事業を大幅に削減するなど、歳入に見合った歳出規模となるよう歳出の抑制に努めてきたところでもございます。その結果、6月現計予算額は8、308億2、000万円となり、前年対比372億200万円、これは率にして4.3%下回ることとなり、2年連続の超緊縮型、減少率は昨年度同様過去最大を記録しました。その要因として、15年度は、主要な財源である県税、地方交付税、国庫支出金がいずれも前年度を下回る一方、公債費が増加したこと等が挙げられますが、15年度の決算をどのように分析し評価しているのでしょうか。

〇時澤総務部長

まず、15年度決算の分析でございます。15年度決算を14年度と比較分析をしてみますと、まず歳入におきまして県税収入が減っておりますほか、地方財政計画の規模の抑制によりまして地方交付税も大幅に減少しているということで、トータル7%の減少となっております。一方、歳出は、公共事業の投資規模の適正化に向けた見直しや経常経費の削減に努めておりまして、この結果、前年度に比べて7.2%の減となっております。

この評価でございますが、厳しい歳入見通しや国の構造改革の動向を踏まえまして、歳入に見合った歳出規模となるように一層の重点化、効率化を図りまして歳出規模が抑制されたものと考えております。収支の面で見てみますと、実質収支が黒字、単年度収支も前年度からの赤字が黒字に転じておりますが、厳しい財政状況の中で、適切な財政運営が図られたものと考えております。財務関係の指標を見てみますと、公債費平準化のための借換債の発行をいたしましたので、県債の元利償還に充てます一般財源が減少しましたことによりまして、経常収支比率、公債費比率は低下をしておりますが、義務的経費比率の上昇、そして地方債残高の増加ということもありまして、財政の硬直化が進行していると考えております。東北他県とも同様の傾向が見られますけれども、公債費比率を見てみますと、これは東北でも下位レベルにあると、本県の財政状況は非常に厳しい状況にあると認識しておりまして、今後とも財政構造の健全化に向けて、一層の取り組みを行っていく必要があると考えております。

〇工藤大輔委員

非常に厳しい財政の中にあっても、知事の目指す方向に沿って今後とも進んでまいらなければならないところでございますが、平成15年度は、当初予算編成後に統一地方選があったことから、知事のマニフェストを踏まえ、6月補正予算が編成され、マニフェストはその後40の政策にまとめられました。その6月補正予算の額は137億9、200万円となっており、近年では最も少ない補正予算規模であったわけですが、マニフェストの達成に向け十分な施策が盛り込まれたと言えるのでしょうか。ローカルマニフェストの評価についてもあわせてお示し願いたいと思います。

〇増田知事

昨年――15年度の6月補正予算でございますけれども、その中ではできるだけ政策的な予算を盛り込もうということで、約28億円の予算をその中で盛り込んだところでございます。今、委員からお話しございましたとおり、骨格予算でございましたのでそういう額を盛り込んだわけでございますが、実は当初予算の中にも政策的な経費、それからその後9月補正予算の方でも議会でお認めをいただきまして、40の政策を実行するに必要な予算をお認めいただきました。その分をあわせますと43億円の予算を全体として措置を行いまして、この額をもちまして15年度――初年度の40の政策を実行するための予算を措置した。初年度につきましては、こういった予算をお認めいただきましたので、着実にスタートを切ることができたと考えております。私の方は統一選挙で、4年間で政策的な予算につきましては、一般財源200億円でこれを実現しますと申し上げまして、1年当たりですと平均すると50億円ほどでございますが、初年度は今申し上げましたように43億円ということでございますけれども、初年度は着実にスタートを切ることができたと考えております。

その評価でございますが、これにつきましては、15年度の実績についてこの8月にその評価を公表したところでございます。全体としてはややおくれているという評価になりまして、青森県境の産廃の不法投棄事案の解決初め、その中で進捗がおくれているものもございました。これにつきましては、必ずしも満足できるものとは考えておりません。今後、今年度のそうした分野への進捗もさらに徹底をいたしまして、引き続きこうした、今の全体としてややおくれているという評価を少しでも取り戻すべく、全職員でしっかりと目標を見据えて、厳しい姿勢で達成に向けて努力していきたいと考えております。

〇工藤大輔委員

マニフェストは県民との約束でございます。どうかその実現に向け、鋭意今後とも努力されますよう御要望申し上げます。

次に、平成15年度当初予算編成段階から導入した政策形成・予算編成システムは本県独自のものであり、各部局の自主性を高め、責任の明確化や政策形成過程の透明性の確保を目的としたものとして本格的に実施をされました。このシステムに基づく政策形成プロジェクトの構成事業は、従来のような総務部における予算調整を経ず、政策評価・推進会議により事業採択が決まり予算計上されましたが、個々の事業を実施してみて何か問題点は生じていないのでしょうか、事業が適正に執行されたのでしょうかお伺いします。

〇時澤総務部長

平成15年度当初予算から政策形成・予算編成システムが導入されております。さらに、本年度からは各部局が自己決定、自己責任の考え方のもとで主体的に予算調整を行う新しい予算編成システムが本格的に実施されているところでございまして、これによりまして、従来からの監査委員の監査あるいは事務事業評価、こういったチェックに加えまして予算執行状況調査というものを実施しております。今年度は、昨年度――15年度予算のうち政策形成プロジェクト構成事業を中心に、各部局おおむね4から6の事業、抽出で選定をして調査実施をしたところであります。

この調査は、事業費の積算の妥当性の検証あるいは事業実施のスケジュール、契約方法は妥当か、こういった観点によりまして調査、検証を実施したところであります。部局点検の結果、契約方法につきましては、競争入札や企画コンペの導入によります競争原理の確保によりまして、おおむね適正に執行されていると考えておりますが、事業費積算や実施スケジュールにつきまして、一部問題があるのではないかと分析をしております。例えば、2月補正での多額の減額あるいは決算での不用の発生ということで、計画段階での事業費の積算、事業規模の適正化に努める必要があるものがございます。また、事業実施時期が遅いということで、事業効果の早期発現の観点から改善を要するものも見られたところであります。また、部局点検を踏まえてさらに総務部で検証した結果、さらにその事業実施後のフォローが不十分であるとかいうものも見られましたところで、より効率的な予算執行、効率的な事業実施の観点から、一層の改善を図っていく必要があると認識しております。

この結果を踏まえまして、今後の政策形成プロジェクトの構成事業につきましては、各部局におきましても、企画・立案の段階で事業内容のやはり精査をしていただく必要がある。さらに、執行段階でも適切な事業執行を行いまして、より一層こういったことに努めていく必要があるということで努力していきたいと考えております。

〇工藤大輔委員

まず、初めてというか、昨年度に続き始まったばかりの予算編成システムですので、これは完成度を高めるように今後一層努力されますことを要望いたします。

次に、政策評価結果等について何点かお伺いさせてもらいます。

政策評価結果についてですが、総合計画の着実な進展に向け15年度分の政策評価結果における五つの社会、17の施策ごとの進捗状況が公表されましたが、県政は知事の考えている方向に沿って順調に進んでいるのでしょうか。特にも、進捗がおくれている分野の要因と改善への見通しについてお伺いします。

事務事業評価についてですが、15年度の事務事業評価は、対象となる674事業についてゼロベースで聖域なく見直すこと、行財政構造改革プログラムを踏まえて見直すこと、総合計画や40の政策への貢献度を踏まえて見直すこと、施策重点化の方向に沿って見直すことなどの留意点を挙げ、事業の必要性、事業の有効性、事業の効率性について部局で評価を実施しましたが、結果をどのように見ているのでしょうか。また、その後行われました2次評価で、部局の評価と意見が分かれたものについて何が要因だったのでしょうか。

また、地方振興局単位での評価についてもお伺いしますが、年々限られた予算の中で総合計画実現に向け40の政策と行財政構造改革プログラムに取り組んでいく上で、大切なのはその後の県民の姿がどうなっているかでございます。総合計画や40の政策による評価は県全体としてのものでありますが、県民一人一人にとってみれば、今住んでいる地域が、自分が、また家族がどのようになるかが問題であります。それを判断するためには、地域における産業出荷額、雇用や所得、教育環境と水準、医療・福祉の質と量など、地方振興局単位でより一層判断をしなければならない基準があるのではないでしょうか。その数値をもとに体系的に政策に結びつけられれば、地域の特徴が生かされ、長年言われてきました格差の是正に結びつくと思いますがいかがでしょうか。

〇増田知事

全体的な評価について私の方から申し上げたいと思いますが、総合計画について15年度に政策評価を行いましたところ、到達度の高いという指標の割合は前年度より2ポイント増加して29%、それから到達度が中以上のおおむね順調という指標が55%となっている一方で、到達度が低いという指標の割合が45%となっているわけでございます。五つの社会はそこで掲げておりますが、その中で依然として厳しい状況にあるのは、第3社会の産業経済社会、この分野が依然として厳しい状況でございます。そのほかおおむね順調となっておりまして、現時点で全体として言いますと――現時点というのは15年度までということですが、15年度まではおおむね私が考えている方向で進んでいるととらえておりますが、その後、我々が総合計画策定時に想定し得なかった財政状況の急激な悪化ということがございます。また、社会経済情勢が大きく変化をしているということを考え合わせますと、中間年次である来年度、すなわち17年度には、必ずしも総合計画に掲げた目標に到達できないものも出てくると考えておりますので、特に今後は重点化というものをさらに図っていかなければならないと考えております。

農林水産業や商工業など、この産業経済社会が今申し上げましたように到達度が大変低いわけでございまして、このために、この分野に相当てこ入れをしていく、そして国際競争力も高めていくことが必要だと思っておりますので、自動車関連産業を中心としたものづくり産業、それから新たな市場の開拓に向けた農林水産業の一層の促進といった、いわゆる政策形成プロジェクトを中心とした、より効果的な事業展開や工夫を行って、この総合計画の指標の低い分野の当初目標の実現に向けて全力で取り組んでいきたいと考えております。

〇照井総合政策室長

私からは事務事業評価と地方振興局単位の評価につきましてお答えいたします。

まず、部局が行った事務事業評価結果でございますけれども、事務事業評価は、厳しい財政環境の中にございまして、事務事業を不断に見直して、限られた財源の効果的、効率的な活用を図ることを目的として平成9年度から実施してきているところでございますが、平成15年度の分の評価は、政策評価条例に基づきまして初めて実施したところでございます。その結果、評価対象の全674事業のうち、廃止または休止としたものが55事業で、全体の8.2%、一部見直しまたは要検討としたものが124事業で、全体の18.4%と、それぞれ前年度をわずかながら上回っておりまして、各部局においては、成果重視の視点に立って評価が行われたものと考えております。

また、各部局の自己評価と当総合政策室の2次評価で意見が分かれた要因でございますが、県では新しい予算編成システムの導入によりまして、予算の調整権限が各部局に移管されましたが、さらに事業の成果を的確に検証し、より効果的、効率的な推進を図っていくため、当総合政策室では、政策形成プロジェクトを構成する事業や、予算額が1、000万円以上の事業のうち、事業目標の到達度が特に低いものなど34事業を対象といたしまして、政策評価専門委員会の御意見を踏まえて、事業の必要性、有効性、効率性などの観点から2次評価を実施したところでございます。

このうち、部局の自己評価と当室の2次評価の評価結果が異なるものが13事業ございますが、これらにつきましては、事業継続の必要性は認められるものの、事業の具体的な成果でありますとか課題をより的確に把握する必要があるということ、あるいは利用者のニーズをしっかりと踏まえて効果的な事業内容や手法を検討する必要があるということ、さらには、事業の効果を適切にあらわした目標を設定する必要があることなどの意見を付したところでございます。各部局におきましては、政策評価専門委員会や当室の意見も踏まえながら、来年度に向けまして、現在事業の内容や手法などにつきまして見直しを進めているところでございます。

次に、地方振興局単位での評価についてでございますが、政策評価においては、地域の実情を的確に反映させるということが重要であると考えております。そこで、7、000人を対象といたしました県民満足度の調査結果や、医療、雇用などのように県民に身近な分野の主な調査統計データにつきましては、地方振興局別にその状況を明らかにして、地域間で大きく異なる特徴的な状況が見られる場合には、その状況を踏まえて評価を行っているところでございます。

一方、地方振興局におきましては、各広域生活圏ごとに策定した総合計画の地域計画につきまして進行管理を行うとともに、新たな地域振興施策へ反映させることなどを目的として施策評価に取り組んでおります。この施策評価に当たりましては、地域振興部が策定したガイドラインを基本としながら、各地方振興局が地域の特性を生かした独自の評価指標を設定しているほか、住民アンケートでありますとか地域懇談会の開催などによりまして住民意識を把握してその評価に反映させるなど、それぞれ独自の取り組みを行っているところでございます。

今後におきましては、政策評価の各分野ごとの評価におきまして、この総合計画に掲げる主要な指標や各種の統計指標のうち、各地方振興局別に測定可能なデータを活用いたしまして各地域の状況をさらに的確に把握するとともに、各地方振興局が行う施策評価などを通じて把握した地域の課題や今後の取組方向を取り入れるなど、より一層地域の実情を反映した政策評価となるように努めてまいりたいと考えております。

〇工藤大輔委員

地方振興局の件なんですけれども、しっかりこれは目に見える形で、また、それぞれの数値を共有し合って政策にしっかりと結びつけていかれますように要望を申し上げます。

次に、行財政構造改革プログラムについてお伺いします。

県財政の悪化から、行財政基盤を整え、計画達成に向け行財政構造改革プログラムを昨年10月に策定しましたが、これを実行しても150億円の財源不足が生じるとの予測でございました。非常に厳しいメニューをそろえて実施した初年度である15年度のプログラム全般の取組状況はいかがだったのでしょうか。

また、地方財政をめぐる昨今の情勢の変化に対応して、このプログラム自体の見直しも必要と考えますが、今後どのように対応をしていくのでしょうか。

基金についてもお伺いします。中期財政見通しの本年7月試算によりますと、財源不足額が526億円から746億円まで拡大することが見込まれています。その対策の一つとして基金の効果的な活用を挙げておりますが、主要3基金及びその他の特定目的基金について、今後どのように活用していくのかお伺いします。

〇照井総合政策室長

私からは行革プログラムの取組状況と見直しにつきましてお答え申し上げます。

この行革プログラムにおきましては、平成15年度から18年度までの4年間におきまして、厳しい財政状況を克服して安定した行財政基盤のもとで、より質の高い行政サービスを提供できる自治体に変わっていくため、県の行財政すべての分野におきまして、一切の聖域を設けずに見直しを行い、改革の具体的な取組内容とその目標、そして工程表を示しておりますが、平成15年度におきましては、まず早急に取りかかるべき事項は直ちに実行に移したほか、そのほかの事項もすべて俎上にのせて具体的な検討に着手したところでございます。

その主な具体的な取り組みといたしまして、まず心の豊かさ、ゆとりを実感し、安心して暮らせる地域社会づくりの関係では、特に重点的、優先的に取り組むべき分野を40の政策として掲げまして、4年間で一般財源200億円の政策推進枠を確保し、平成15年度は、いわて新産業創出・育成プロジェクトや学力向上プロジェクトなど43件、約43億円、これは事業ベースで見ますと約83億円になります。これを予算措置して、その推進に努めたところでございます。

次に、官と民、県と市町村との適切な役割分担と官民協働化の取り組みの関係では、民間でできることは民間に、を原則に、観光宣伝業務を県観光協会へ移管しましたほか、新たに設置した総務事務センターの事務でありますとか、あるいは産業廃棄物の実態調査業務などの外部委託を進めたところでございます。

また、安定した行財政基盤の構築と質の高い行政サービスを提供できる行政経営体の転換への取組関係では、組織・職員体制のスリム化として、知事部局職員や学校配置職員など292人を純減いたしましたほか、総人件費の抑制関係では約58億円、補助負担金制度の見直しでは約10億円などの削減を行ったところでございます。

次に、このプログラムの見直しでございますけれども、このプログラムは、いわば進化する改革として毎年度必要な見直しを行っていくことにいたしてございます。現在、歳入歳出あるいは組織や職員体制、さらには、事務事業のあり方などの重要項目につきまして徹底的な見直しを進めているところでございます。その見直しの結果につきましては、来年度の当初予算案とあわせて公表いたしたいと考えております。

〇時澤総務部長

基金につきまして私の方からお答えさせていただきます。

平成15年度末におけます財政調整基金、県債管理基金、公共施設等整備基金、いわゆる主要3基金の残高でありますが、これは約675億円、平成18年度末の残高見込み502億円と現在推計をしております。また、主要3基金以外の特定目的基金の平成15年度末残高は約578億円となっております。

この基金の活用の考え方でありますが、現在の歳入歳出ギャップの拡大は、これは行財政構造改革プログラム策定時の想定を超えました地方財政計画の規模の抑制が前倒しで行われたことが大きな要因でありますけれども、そうした状況におきましても、持続可能な行財政構造への転換を目指すという財政運営の基本的な考え方は堅持をしたいということで、基金の取り崩しによらないという方針のもとで、まずもって主要3基金の取り崩し以外によるその歳入の確保、あるいはその歳出の削減努力に全力を傾けるとしております。

このため、主要3基金につきましては、平成18年度までの間に、昨年の行財政構造改革プログラム策定時に見込んでおりました15年度末残高であります432億円――この432億円を下回らないことを基本といたしまして、主要3基金のさらなる取り崩しは、したがいまして、先ほど502億円程度18年度末と見込んでおると申し上げましたが、その差額であります70億円程度ということで、必要最小限にとめたいということで、当初想定をしたレベルの残高を確保してまいる考えであります。

一方、主要3基金以外の特定目的基金につきましては、これは歳入確保の観点から、個々の基金ごとに今後の活用見込み額を精査いたしまして、当該基金の設置目的を損なわない範囲で、当面活用する見込みのない部分についてこれを一般会計に繰り入れたいということで検討しております。具体的には、地域振興基金、自治振興基金あるいは土地開発基金につきまして取り崩しあるいは繰り入れということで現在検討を進めているところでございます。

〇工藤大輔委員

どれだけコスト削減をしても、また、事業の内容を見直して不足額を減らしていくように頑張っても、県税収入の減少や交付税等の減額により新たに多額の不足額が生じてしまいます。このままでは予算編成すら本当に厳しい状況となりますが、三位一体の改革のおくれや県の予算執行は県民生活に直結をするため、国に対して改革の実効性をしっかりと問うとともに、財源確保について鋭意努力をされますよう要望申し上げます。

次に、知事にちょっと1点お伺いしますが、知事はこの三位一体の改革についてで、以前本会議において、この地方案が実現をしなければ、発言またはこの6団体の意見を撤回すると答弁をされましたが、この発言はまだ生きているのでしょうか。

続けて、県税の決算についてお伺いしますが、税目ごとの決算状況はどのようになっているのでしょうか。ここ数年の推移から判断して、その増減の要因をどのように把握しているのでしょうか。収入未済額はどのようになっているのか。行財政構造改革プログラムに基づく滞納整理の推進にどのように取り組んでいくのでしょうかお伺いします。

〇増田知事

三位一体改革の関係でございますが、地方案が受け入れられなければ6団体全体として撤回もあり得るということを、その最後の過程で6団体代表がお話をしたということがございます。結果として、先般出ましたあの地方案で、本会議で申し上げましたように、不承不承、受け入れたということですが、問題の交付税――交付税についてはまだ決着がついていなくて、これから暮れにかけてということで、一応安定的な財政運営に必要な額は確保すると文言では書いてありますが、具体的な数字はまだ決まっていないということがございます。

実はそれについては明日、総務大臣と地方6団体の代表が会って、それで6団体からさらに強くこの問題について、確保を総務大臣に要請をするということになっております。そのときには6団体の代表は相当の覚悟を持ってそのことを申し入れるということになっておりまして、どういう発言になりますか。きのう実はその打ち合わせが東京でございましたので、何人かの知事と知事会長に私の方からも申し上げておきましたが、この問題が一番今回の改革の最後の仕上げの大事なところであるので、表現し得る限りやはり強い態度で総務大臣に地方の思いを申し上げてくださいということを言っておきました。恐らくあしたの知事会長初め、6団体が総務大臣に何を言ったかは、すぐその直後に明らかになると思いますけれども、それだけの強い覚悟で臨んでもらえると思いますが、したがって、気持ちとしては前段のところまでは不承不承、受け入れたということにはなっておりますけれども、一番最後の肝心なところについては、まだまだ我々の方で強い態度を言っていく必要があると思いますし、あしたもそういうことで臨んでいただけると思いますので、最後まで、12月に入っておりますが、予算の編成のときまで私どもは6団体一致結束して、一番とり得る強い態度で臨んでいくべきでありますし、6団体代表もその意を受けてそういった行動をしていただけると考えております。

〇時澤総務部長

まず、県税の決算状況でございます。

平成15年度の県税収入決算額1、092億2、300万円余でございます。前年度に比べまして0.4%の減、額で言いますと4億7、600万円余の減となっております。主な税目でございますが、基幹税目であります法人2税は前年度より12.4%増加をしておりますが、個人県民税で5.7%の減、地方消費税で2.6%の減、軽油引取税で2.9%の減となっております。

増減要因につきましては、これは、景気が一段と悪化した13年度からほとんどの税目で前年度を下回って推移してきたところでありますが、15年度の法人2税におきましては、電気通信、輸送用機械等を中心とした製造業の回復によりまして、また、運輸通信、サービス業を中心とした非製造業におきましても回復傾向が見えたことから12.4%の増となったと考えております。一方、個人県民税、地方消費税、軽油引取税等大半の税目におきましては、個人所得の減少、消費の低迷、物流の低迷によります軽油需要の落ち込み等によりまして前年度を下回っている状況というふうに把握をしております。

次に、収入未済額の状況でございます。

平成15年度の県税決算におけます収入未済額の状況でございますが、これは22億4、800万円ということで、前年度に比べまして2、700万円の減ということで、収入率は若干逆に伸びているということでございます。特に市町村が賦課徴収しております個人県民税を除きました県税の収入未済額は10億8、700万円で、前年度より7、600万円の減となっておりまして、収入率は98.79%、0.08ポイントでございますが増加をしておりまして、歳入確保に向けた取り組みの効果があらわれていると考えております。

この県税収入未済額の縮減につきましては、県行財政構造改革プログラムの中でも喫緊の課題と位置づけておりまして、目標収入率、これは18年度で99%でございますが、この目標を設定して現在取り組んでおります。収入未済額の半分を超えます個人県民税につきましては、市町村に対しまして、共同での納付催告あるいは滞納者への訪問、あるいは徴収引き継ぎによります県の直接徴収の実施によります徴収支援策を講ずるとともに、先般新たに、県と市町村の合同によります監督研修でございますが、徴収事務のマネジメント研修というものを実施して、さらに取り組みを加速させたいと考えております。

また、収入未済額の約2割を占めます自動車税につきましては、滞納の初期段階におけます税務職員全員が滞納整理に当たりますいわゆる初動集中整理が大事でございますので、これに取り組んでおります。また、県内一斉の土曜日、日曜日におけます納付窓口の開設をいたしますなど、多様な取り組みを行っているところであります。特に、納付に誠意のない滞納者に対しましては、納期内に納付した県民との公平性の確保を図るために、厳正な態度で早期の差し押さえを執行することとしておりまして、現在、滞納件数の多い盛岡地方振興局への徴収対策特命課長を配置したり、迅速な滞納整理を支援するための電算システムの導入をやっておりまして、執行体制を強化しながら、さらに収入の確保に努めていきたいと考えているところでございます。

〇工藤大輔委員

ただいま知事から真の改革の方向への力強い答弁をもらったと思います。ただ、各県、各団体多いわけでございます。知事の思いと行動がぼやけることがないように、それらの団体をしっかりとまとめられ、また、的確な判断をされますよう要望申し上げます。

次に、公共事業費についてお伺いします。

国直轄事業を除く公共事業費は、15年度6月現計予算が1、254億300万円で前年度比17.6%の減少、16年度の当初予算では1、008億2、000万円で14年度比33.8%の減となりました。知事は14年度と比較して2年間で30%の公共事業を削減すると明言され予算執行に当たりましたが、単独事業及び補助事業だけで見ると3.8%オーバーしています。これは国直轄事業が伸びを示したためであり、その分、県が主体的に判断して実施できる単独事業や補助事業が減ることとなりましたが、この結果をどのようにとらえているのでしょうか。

続けて、地域間のアンバランスについてお伺いします。

国直轄事業を除く公共事業費の地方振興局ごとの増減率を見ると、平成14年度から2カ年のうち北上地方振興局の51.0%減を筆頭に久慈地方振興局の47.6%の減、水沢地方振興局の41.0%の減、実に12地方振興局中7地方振興局で30%以上の減少率でございましたが、このことについてどのような見解を持っているのでしょうか。今後公共事業費のボリュームが平準化されていくに当たり、増減率の地域間のアンバランスも是正すべきと思いますが、どのように考えているでしょうか。

〇竹内副知事

県におきましては、行財政構造改革プログラムに基づきまして、県全体の公共事業費の大幅な削減を行っておりまして、政策評価などに基づいて必要な事業の選択と集中に努めておりますが、国の直轄事業費はほとんど縮減しておりません。これが地方財政にとって大きな負担となってきております。地方分権の推進に伴って、国の行う事業は本来国の財源で賄われるべきでありまして、今回の三位一体改革に当たりましても、地方は国に対して直轄事業負担金の撤廃を求めてきたところでありまして、今後とも、この運動を強化していくことが重要であると考えております。

当面は、制度上の制約もございますので、県内の社会資本の全体的な整備を進めるため、基幹的な事業を実施する国直轄事業と、県民生活に密着する県事業とのバランスを考慮しながら取り組むこととしておりまして、今後とも、直轄事業連絡会議という連絡調整をする会議がございますが、この場を通じて国と密接に協議を行いまして、直轄事業が県の財政負担を念頭に置いた適切な事業費となるように努めてまいりたいと考えております。

それから、公共事業費の増減率のアンバランスについてでございますが、公共事業費全体を縮減している中にありまして、投資効果が最大限発揮されるよう継続箇所を重点的に整備することとしておりまして、それから、新規箇所の採択に当たっては、公共事業評価をもとに必要性を勘案して箇所を厳選し、緊急性の高いものから優先的に予算措置を行ってきたところでございます。こうした重点化の結果、継続事業の完了と新規事業の採択との兼ね合いなどで、事業費が他と比べて減少となった地域も生じているところでございます。

今後の社会資本整備に当たりましては、全国一律の基準の見直しによる、いわゆるローカルスタンダードを導入するなど、地域における事業の実施のあり方を不断に吟味いたしますとともに、事業の完了した地区におきましては、今後、維持管理費予算などの占める割合が増大していくことなども考えられますことから、こうしたことも勘案しながら、地域ごとの事業費配分につきましては、その状況について慎重に検討してまいりたいと考えております。

〇工藤大輔委員

地域にとってみれば、30%減をするといえばうちらの地域も30%だろうと想定するわけですが、実際にこれだけの開きがあるということは地域では余り考えていなかったのかと考えます。どうかその辺のことについて、慎重に今後御判断をされますよう要望申し上げます。

また、この公共事業費は、来年度さらに一般財源ベースで5%削減の方向にあるようですが、合併市町村が建設計画を立てて事業を進めるに当たり、どのような影響が出てくるでしょうか。また、今後、合併市町村の公共事業が優先され、既存自治体が割を食うことにはならないでしょうかお伺いします。

〇山口地域振興部長

合併市町村建設計画への影響でございます。

合併を目指している市町村に対して、関係市町村が新たなまちづくりを目指して、住民と十分に議論を尽くし策定する新市建設計画が実効あるものとなるよう、市町村の意向をできる限り尊重し、計画に盛り込まれた事業については実施できるよう、関係部局と連携を図りながら全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。

〇竹内副知事

ただいま地域振興部長がお答えしたとおり、合併市町村の建設計画に盛り込まれた公共事業につきましては、大変厳しい財政環境の中にありましても可能な限り支援していくこととしておりまして、合併市町村の機能が円滑に発揮されるための基盤が形づくられるまでの間におきましてはこれが優先的に行われることになりますが、県といたしましては、地域において必要な公共事業につきましては、県内全域の視点から、その必要性、重要性、緊急性などを的確に判断して取り組んでいくべきものと考えております。

〇工藤大輔委員

そのような方向でよろしくお願いしたいと思います。

そういった中、きょうの朝、大変ショッキングな話題が新聞紙上に躍ったわけでございます。まず、知事にお伺いしたいと思いますが、知事は、これまでも両磐地域の合併については異例とも言える発言を数回繰り返し、合併した方がいいんだというふうに言ってきたと思いますが、今回の結果についてどのような思いを持っているのでしょうか。

また、地域振興部長、今後、建設計画がどんどん出てくると思います。当然市町村合併をするに当たって県との協議が必要なわけでございますが、この建設計画によって合併ができる、できなくなったとか、いろいろそういったことが今回の両磐の事例を見て、戦々恐々というか心配をするような声も聞かれておるところでもございます。今後どのように対応されていくのか、再度お伺いしたいと思います。

〇増田知事

両磐の合併でございますけれども、昨日、関係者が集まって協議をしましたけれども、もう一度振り出しに戻すという結論になったようでございます。このことについて、私は率直に大変残念であるという思いがしておりますが、この間、特に一関市長さんが合併に向けて大変努力してこられたということ、それから、関係者も皆さん方それぞれの立場で努力してこられたということに対して最大限の敬意を表したいと思います。

けさほど一関市長さんともお話をいたしましたけれども、今まで真摯に協議をしてきましたその内容については決してむだにしたくないし、むだにはならないというお話をしておりました。ほかの地域の首長さん方も、いろいろと思いのすれ違いはあるけれども、協議をしてきたその内容についてはできるだけ今後に生かしていきたいというお話をしておりましたので、あした協議会があって、正式に法定協議会としては今の形は解散ということになるかもしれませんけれども、直ちにその次をどうするかをまた議論していかなければならないと思います。また市町村長さん方のお考えを十分にお聞きし、意を体して、そして期限内にどういう枠組みでこれから進めていけるのか、私どももよくお話し合いをした上で、地元の市町村の思いというのは最大限に支援していきたいと考えております。

〇山口地域振興部長

今、全部で10協議会ありますが、これにつきましては、県の地方振興局、それから県の市町村課から委員として出ておりまして、その協議についてはいろいろと学識的な観点から指導しているところでございますが、いずれ建設計画によりましてそのようなことのないように、建設計画が実効あるものとなるようにこちらの方は努めてまいりたいと考えております。それによってだめになるようなことではなく、盛り込まれた事業が実施できるように関係部局と連携をとってまいりたいと思っております。

〇工藤大輔委員

私も今回、朝、新聞を見たときに本当に驚いたところであり、また、非常に残念な思いをしました。南の方の方々はその中身について知っていると思いますが、北の方の人たちとか沿岸の方は、その事情がわからなくて、新聞だけ見ると名前で合併を決めるのかという思いを持つ方もあるわけでございます。そういった中、今回、実施した議論、また、将来に向けての方向性を確認し合ったこと等を決してむだにすることがないように、県においてもしっかりとサポートされますように要望を申し上げたいと思います。

次に、市町村の決算状況についてお伺いします。

自立を目指した地方分権型の社会の到来には、基礎的自治体である市町村財政の健全化は必要不可欠となります。しかし、県と同様に市町村も厳しい行財政運営を余儀なくされたところであり、県内市町村の15年度の決算状況をどのように把握しているのでしょうか。地域別に見て特色があるのでしょうか。また、決算状況から、県内市町村の財政運営上の課題はどのようなものなのでしょうかお伺いしたいと思います。

また、市町村に関係しまして、市町村要望についての取組状況でございますが、市町村が自立に向かって歩んでいくためには、それぞれ抱えている大きな懸案を解消することが求められています。県では、毎年統一要望という形で地域の抱える重要案件を聞いておりますが、達成に向けどのような取り組みをしているのでしょうか。要望された件数のうち、事業着手をどのぐらい行っているのでしょうかお伺いします。

〇山口地域振興部長

まず、市町村の15年度決算の状況でございます。

決算規模は、普通建設事業費や災害復旧事業費の減少、人件費の削減により、歳出ベースで6、183億円と、14年度に比べまして260億円余りの減でございます。伸び率では、歳入で4.3%の減、歳出で4%の減となっております。総体としまして市町村の財政の硬直化が一層進んでおりまして、経常収支比率が90%を超える市町村が14年度決算の4団体から15年度では7団体へと増加したのを初め、その他の財政指標も一様に悪化するなど、極めて厳しい財政状況が示された決算となっております。

それから、地域別の特色でございます。主要財政指標であります経常収支比率、起債制限比率、公債費負担比率の三つについて県内9広域生活圏別に市町村平均値で見ますと、3指標とも県平均を下回り比較的良好なのは、盛岡、岩手中部、胆江の3生活圏で、残る6生活圏は、いずれかの指標が県平均を上回る、上回るということは悪いということでございますが、上回っております。

それから、財政運営上の課題と県としての今後の対応についてでございますが、課題としましては、歳入では景気低迷による市町村税や地方交付税の減、歳出にあっては公債費の増嵩が見込まれ、財政の硬直化が引き続き懸念されるところであります。市町村に対しましては、税収の確保や受益者負担の適正化等財源の確保に努める一方、各種施策の優先順位についての厳しい選択を行い、限られた財源の重点配分と経費支出の効率化に徹するなど、行財政運営に関する従来の考え方や手法を抜本的に転換するように助言するなど、財政健全化への取り組みを引き続き支援していきたいと考えております。

〇照井総合政策室長

市町村からの要望につきましてお答えいたします。

市町村からの要望につきましては、地方振興局が市町村と地域課題を共有しながら、そしてまた、地方振興局で完結できないものにつきましては本庁と密接な連携を図りながら、可能な限り県政に反映するように努めているところでございます。

今年度の市町村からの統一要望件数は全部で914件ございました。昨年度に比べますと69件減少いたしてございます。これは、国、地方に共通した厳しい財政環境などを踏まえまして、要望項目の一層の重点化が図られたことによるものと考えております。

要望内容の特徴といたしましては、道路や港湾などの交通ネットワークの整備でありますとか、河川、砂防事業など安全な暮らしの実現のための社会資本の整備に関するものが最も多く、全体の約53%を占めております。

この市町村要望への取組状況でございますけれども、要望の趣旨に沿って措置したものが165件で約18%、事業化や制度化に向けた検討の着手などを含めまして実現に向けて努力しているものが367件、約40%ございます。これらをあわせますと532件、約58%という状況です。一方、当面は実現できないものが356件、約39%、実現が極めて困難なものが26件、約3%となってございます。近年、財政環境の悪化から、特に最も要望の多い社会資本の整備につきましては、継続事業の完成を優先させまして、新規着手を抑制せざるを得ない状況が続いておりますことから、要望の趣旨に沿って措置したものと、それから実現に向けて努力しているものをあわせた割合は低下してきている状況にございます。県、市町村を通じた厳しい財政環境はここ当分続くものと考えられますので、県におきましては、公共事業評価などにより事業の優先度を的確に評価しながら、要望の実現に向けて取り組んでいくことにいたしてございます。

〇工藤大輔委員

今、市町村財政が厳しく、また、事業をやるにしても本当に財源がないという中、取り組みたいのにできないということをいろいろ市町村長さんから話を聞くところでもございます。何とか住民の生活がさらに向上の方向に結びつきますように、県のサポートを要望いたします。

競馬の件についてお伺いしたいと思います。

決算書の中に本来であれば競馬からの売上金の一部が自治体側の方に入ってくるような形で書いてあってもいいんですが、今回は記載がございませんでした。非常に残念な思いでいるわけでございます。また、一般質問におきましてもさまざまな議論がなされたわけであり、県の競馬はどのようになっていったらいいのか今後議論をしていかなければなりませんが、直接知事からこの件に関して話をお伺いする機会というのはきょうで最後かと思います。

私が感じましたのは、先週、資料をちょうだいしたんですが、あの膨大な資料をこの段階でいただいても、なかなか判断に苦しんだり、精査するのに多大な時間を要するわけでございます。どうしてもっと早く、例えば赤字になった段階でこのような調査ができなかったのでしょうか。また、資料の中身を見ると、本当にあの計画が実効性があるのかどうか疑問に思うところもございました。知事は、議場において、大丈夫です、その方向に向かって頑張ってまいりますから50億円の予算をという形で答弁されました。その実効性について、再度、実現可能かどうかお伺いしたいと思います。

〇増田知事

今、二つございました。

まず、こうした競馬組合の状況について、調査をした上で再建計画をもっと早く立てられなかったかどうかというお話だろうと思いますが、先般、各議員に県としての調査をお配りしたわけでございますけれども、財政競馬という競馬の今まで行っておりました趣旨は、ほぼおしまいにきているのではないか。他の競馬開催の様子等も見ますと、やはり財政競馬としてこれからやっていくのは、冷静に考えますと大変難しい時期に来ていると思います。これから私どもがつくりました計画を間違いなく実行していくわけでありますが、競馬組合を存続させて実行させていけるそのかぎは、今回の競馬法改正で大幅に、従来認められていなかった民間の力というものをこの競馬の中に入れることができるチャンスが来年の1月以降広がっていく、そこに可能性を持たなければいけないと思っております。2年、3年前の段階でありますと、そうした競馬法改正の動きがまだ議論されておりませんで、方向性もまだ見えていなかったということがございます。今回やっと昨年からその動きが出てまいりまして、ことしの3月、4月だったかと思いますが、国会で議論の上で初めて競馬法改正という動きにつながりました。ようやくその細部も明らかになって、来年からそうしたことができる、これに私どもは競馬再生のかぎを見出しているわけであります。したがって、そういう動きが見えてきたこの時期に、今現在の競馬組合の債務の状況なり組合の置かれている状況を今時点でもう一度すべて洗い直して再建計画に反映させていきたい、そういう思いで調査なども行ったものでございます。

そういうことでございますので、これからの競馬のあり方というのは、大きく私どもも見方を変えて、可能な限り民間の力を入れる。それは、お金だけではなく、執行体制も含めて大幅に民間の力を活用して競馬再生の道をそこに見つけていく、そういう将来展望を持たなければいけないと思いますので、その考え方、理念というものを再建計画の中にすべて可能な限り取り込んだ。今の段階で、競馬法改正を受けて、取り込める手段は再建計画の中に一つ残らず取り込んだ。それを具体化させていくための方策は、さらに知恵を出せばこれからまた出てくると思いますし、民間への多方面、各企業への働きかけもこれからもっと積極的にやっていきますが、そうした材料はすべてあの計画の中に盛り込んだと考えております。

本会議で各議員からさまざまな厳しい御指摘をいただきました。特に再建計画の将来の売り上げの見通しなどについては大変厳しい御指摘をいただきましたけれども、そうした御指摘も、すべて競馬再生に向けて、もっと確実性を高めてぜひそれに結びつけろという御趣旨でのお話だと思いますので、けさほども組合の柴田副管理者を呼びましたけれども、そうした質疑のお話を受けて、より具体的に多くの民間活力の導入策を工夫してあの中に入れていきたい。そして、今、あそこに盛り込んでおります競馬再建の計画は必ず実現できる。これは、本会議で再三申し上げたとおりでございます。すべて盛り込める要素は盛り込んでおりますので、私の全責任においてその再建を成し遂げる、こういう決意でございます。この思いを組合の全職員が共有した上で計画の実行に努力していきたい。私は先頭に立ってそれを努力していきたいと考えております。

〇工藤大輔委員

ちょっと苦しい答弁でもあったかなというふうにも聞き取れます。確かに競馬法の改正を目前に控えてのことで、どうなるかわからないということもあったのは事実だったと思いますが、やはり常日ごろ事業を見直したり経費節減に進んでいくということは、これまで増田知事が大いに取り組んできたことではなかったのでしょうか。今回の競馬組合の件、そして、今、県の方でやっている行財政構造改革プログラムのやり方等を見ても、私には同じ人がトップとしてやっているとはどうも感じられないんです。県の方には厳しく、競馬組合の方には少し甘いような、どちらかというと任せているという感を持ってしまうところでもございます。

また知事は、これまで行政品質向上運動とか、さまざまな形で職員の意識改革に努められました。また、常日ごろ説明責任が必要だと言いながら職務に当たってまいりましたが、今回のこの資料の提出のおくれや議会への対応、また、前の議会のふれあいランドの件を見ても、どうも職員の人たちに意識改革をと言っている割には、全く正反対のことを先般の議会、また今議会において知事並びに執行部の方々がされているんじゃないのかという思いを持っています。どうか今後このようなことがないように、しっかりと説明責任を果たし、ともに建設的な議論を進めながら、県行政、また競馬の件にも関してですが進んでいくように、まずは資料等をもらったり説明をしてもらわないとどうにもなりません。こちらの方は判断をしかねてしまいます。ですから、その基礎的な部分にしっかりと対応されますように要望を申し上げたいと思います。

数点飛びまして農業問題についてお伺いしますが、県の農業は、これまで食料供給基地を目指すという大きな目標を掲げて諸施策を展開してまいりました。そのためには、食料自給率の向上を図ることが大前提となります。担い手の育成、転作作物の導入促進、産地化、ブランド化など現在抱える課題を解決し、効率的、効果的農業を実行するには適地適作の推進が必要であると思いますが、地域の特徴を生かした作目の再編やマーケットから求められる本県の農業、岩手の農業の確立に向けどのように取り組んできたのでしょうか。

また、BSE発生から食の安全・安心に対する意識の高まりの中、牛肉トレーサビリティー法による開示情報に加え、県独自でオプション情報を開示できるシステムを構築したり、農協等が取り組む米や青果物等のトレーサビリティーシステムに補助をするなど先進的な取り組みを行ってまいりました。他県の取り組みも強化されている中、このトレーサビリティーシステムに係る現状と課題についてどのように把握しているのかお伺いします。

〇竹内副知事

本県の農業振興に当たりましては、高品質で安全・安心な農産物の生産に努め、岩手ならではの個性ある特産物の生産を進めていくことが重要と考えておりまして、このためには、適地適作を基本としながら、作物再編や雑穀などの地域特産物の産地化、減農薬栽培の普及などを積極的に進めることが重要であると考えております。

こうした考えのもと、米づくりにつきましては、県内の良質米生産地帯における作付割合を高めるため生産目標数量の市町村間調整を支援してまいりましたほか、米以外の作物についても、夏季冷涼な気象を生かした園芸作物の拡大に向け、県内各地においてハウス団地の整備を促進してきたところでございます。また、特産物の生産を拡大するため、県中南部の水田におきまして、健康食として見直されている雑穀の大規模栽培や加工原料として用いられる黒大豆の団地生産などを推進してきたほか、農薬や化学肥料の使用を通常の50%以下に控えた、いわゆる減農薬の特別栽培農産物の生産実証圃を県下各地に設置するなど、きめ細かな栽培技術指導を展開してきたところでございます。

こうした取り組みによりまして、胆江地域におきましては全国的に評価の高いひとめぼれの作付が拡大されますとともに、久慈地域ではホウレンソウの販売実績が3年連続して10億円を超えたところでございます。また、花巻地域におきましては、ここ数年で雑穀や納豆原料用の黒大豆の作付面積がいずれも200ヘクタールを超えるに至っておりまして、さらには、県下の特別栽培農産物の作付面積は、平成16年度は前年度の7倍のおおよそ6、400ヘクタールに拡大されるなど、大きな成果を上げているところでございます。

今後におきましても、消費者ニーズが形成するマーケットの動向を的確にとらえ、食の安全・安心を基本に作物再編の取り組みをさらに強化し、我が国の総合食料供給基地としての地位を確固たるものにしてまいりたいと考えております。

それから、トレーサビリティーでございますが、現在、本県で導入されている品目は、県内の農協や漁協、流通販売業者等の積極的な取り組みによりまして、牛肉を初め、米やキュウリ、レタス、リンゴ、シイタケ、ワカメなど20品目まで拡大してきております。このトレーサビリティーシステムは、消費者の食に対する信頼を確保する上で極めて有効な手段でありますことからさらに普及拡大していく必要がありますが、牛肉以外の品目につきましては、流通形態が多様化しておりまして生産から販売までの情報ネットワークの形成が大変難しいこと、開示する生産履歴情報の内容や伝達方法が標準化されていないこと、システムの導入に多額の初期投資が必要になること、こういった課題を抱えております。このため、伝達方法の標準化につきましては、国に対して食品全般のトレーサビリティーの情報の伝達・開示に関する標準化モデルの開発を提案しておりますし、このほか、トレーサビリティーシステムのネットワーク形成につきましては、既に流通経路が固定している契約取引品目から先行してシステム導入を促進しておりまして、また、初期投資につきましては、導入経費に対する補助を行うなどいろいろな取り組みによりましてこのシステムの導入拡大を図っております。今後とも、食の安全・安心に対する消費者の要請にこたえてまいる考えでございます。

〇工藤大輔委員

副知事の答弁を聞くとわかる思いもしますが、一般質問における佐々木順一議員の質問に対する答弁で――これは部長答弁だったわけですが――、目標を品目別、地域別に割り当てることも一つの方向だと。むしろ大事なのは消費者ニーズに的確に対応し、地域地域において特色のある生産条件や資源を最大に生かし、みずからが農業生産を高めていく努力が必要と考えておる。だから地域で生産されたものが地域内で利用される仕組みを進めることが重要だということ、また、地産地消運動による地域内生産・地域内消費の取り組みを積極的に進めているという答弁でした。どうもこれを聞くと地域内の自給自足の生活かという思いがして、また、適地適作という理念がここから離れているんじゃないかという感を持ちました。また、これまで私は、地産地消というものは、県内でつくったものを県内で売って消費する、そして全国に発信するというような形で進んでいると思いますが、この答弁を聞くと、今度は反対により細かい方向に行っているような気がします。これで果たして所得が伸びるのか、担い手の育成が果たされるのかどうか、これを考えるとどっちが正しいのかなという思いがしたところでもございます。副知事の方が正しいのかと思いますが、再度、簡潔で結構ですので御答弁願います。

〇竹内副知事

どちらが正しいかということではなく、基本的なスタンスは今申し上げたようなスタンスであります。ただ、いろいろ意欲を持って実際御自分なりのやり方で地域の農業に取り組んでいる方々もたくさんございます。そういった人たちの意欲、それからパワーはやはり非常に貴重なものですので大事にしていかなければなりませんし、いいものをたくさん消費してもらうためには、やはり生産した地域がそれをみずから消費していくことも非常に大事なことでありますので、地産地消ということはやはり消費拡大のベースになるのではないかと考えております。

〇工藤大輔委員

確かに地域で意欲を持って取り組まれている方がいて、それは当然大切にしてまいらなければなりません。また一方では、効率的、そしてまた安定的な農業を展開しながら、力強い岩手の農業に展開していくということも必要な考えではないかと思います。そのための適地適作であり作目再編等でもございますので、どうか前向きにもっと推進されるように検討されますことを要望申し上げます。

続きまして、公共事業に係る組織の一元化についてお伺いしたいと思います。

縦割り行政の弊害を打破し、効果的で効率的な行政運営を進めるため、汚水処理分野の組織体制の一元化を初め、道路、海岸、治山、砂防の4分野において、組織や事務事業のあり方について鋭意検討をしてきていると聞いていますが、どのようにまとまったのでしょうか。このまとまった方は簡潔でも結構です。来年度の取り組みとあわせて考えを示してもらいたいと思います。

〇増田知事

公共事業の組織については、例えば下水道と農業集落排水が、実際につくるのは同じようなものなんですが、部局がそれぞれ異なって、非常に県民から見るとわかりづらい。市町村から見てもわかりづらいし、やりにくいというお話が聞こえてきています。それから、県道と農道などでもやはり同じような声が聞こえてくるということがございまして、こうしたものについて、より効率的な体制を構築しなければいけないという考え方で、今、内部で検討をしているところでございます。

市町村からのお話もよくお伺いしたり、今やっている関係部局間の連携をよりこれから統合することによって支障があるかどうかといったことも洗い出しながら検討を進めてきたんですが、来年度については、そういった検討結果を踏まえて、いわゆる汚水処理――これは下水道と農業集落排水や漁業集落排水などですが――について、それから道路について――これは一般の道路とか農道とか林道でございますが――、それから海岸整備についても所管省庁ごとに予算などが分かれていますが、汚水処理と道路整備と海岸、この三つの分野においては実施するセクションを一元化する方向で、今、具体的な組織体制について内部で調整を行っているところでございます。

〇工藤大輔委員

もう少し答弁をもらえるのかと思いましたが、わかりました。来年度、検討され、適切に実行されますようによろしくお願いします。

それでは、知事の教育観についてお伺いしたいと思います。

高校の進学率は現在98.4%に達しており、義務教育と言っても過言ではない状況にございます。ということになると、高校教育は、中学校や自治体と一層連携をとり、地域と深いつながりを持ちながら推進すべきとも考えるところでございます。学校教育の基本は、個性を生かしながら、みずから学ぼうとする自学の精神を醸成させ、互いを尊重し合う人間性をはぐくみ、他県や他国の情勢を見きわめながら、社会で通用する環境を整えることにあるのではないでしょうか。また、地域の産業と連動した職業教育も地域振興や産業育成に欠かすことのできない重要な要素であり、即戦力となる人材を地域では求めています。本県の子供たちがこの地で成長するに当たって、教育理念や教育環境のあり方など、知事の教育観についてお示し願いたいと思います。

また、教育委員会が進めている後期県立高等学校新整備計画については、議会や各地域でさまざまな議論がなされているところでもございますが、県内の小規模校や専門高校の今後のあり方について、知事はどのように考えているのでしょうかお伺いします。

〇増田知事

まず、私の教育観を問われたわけでございますけれども、私は、教育の根幹というのは、次代を担う人づくりだと思うわけです。そして、そうした次代を担う若い人たちに、この岩手に生まれ育ったということに対して誇りや自信をぜひ持っていただきたい。それから、どんな環境や状況にあっても、強い信念と気概を持って、自分の目指すところの実現に向けて粘り強くチャレンジしてもらいたい。そうした自立の精神を持った若い人をはぐくむことが教育だと思います。現実の社会を見ておりますと、そうした若い人たちがこの岩手の地から巣立っていっていると思いますけれども、しかしその中で、日本全体を見ますと、そうした若い人たちが、特にボランティアなど社会に貢献しようとする意識だとか、家族、親を敬うとか、そういった意識にともすれば欠けることがありはしないか。そういった意識を教育の中で大事にはぐくんでいくことも教育の大きな役割だと思いますので、私は、冒頭申し上げましたような自立の精神を持った人をはぐくむ中で、今、申し上げましたような社会に貢献しようとする意識や家族への愛情などといったこともその中に包み込みながら、岩手らしい教育をしていくことが次代に対する我々の責務だと考えております。

もう1問、小規模校や専門高校のあり方についてお尋ねがございました。県内にも小規模校がございますが、小規模校には小規模校のよさがあると理解しておりますけれども、生徒一人一人が切磋琢磨して、発達段階にふさわしい魅力と活力のある教育環境を整備することも大変大事でございます。小規模校について、そういう考え方で整備を考えていくべきと思います。

それから専門高校、これは工業高校や農業高校であったり商業高校であったりさまざまなものがございますが、こうした専門高校は、社会に出ますと、今、科学技術が急速に進展していますし、産業界からもやはり多様なニーズが寄せられているわけでございますので、そうした専門高校で、それにふさわしい高度で専門的な知識を養っていくことが大事だと思います。それは、社会の発展、岩手県の発展にとっても必要なことだと思います。

今後は、こうした専門高校についても、今言ったようなその置かれている状況を踏まえて、集約化や重点化を図って、そして学科の配置の工夫などもしていく必要があると思いますし、何よりも地域産業との連携をより深めていくことが大事かと思います。そして、岩手県を支える地域産業の発展に一層寄与できる人材の育成を可能とするような整備を専門高校について行っていくことが大事だと考えております。

〇工藤大輔委員

将来の本県を支える重要な人材を育てるための教育であり、また高校再編の整備計画でもございます。慎重に地域の意見を聞きながら、将来において適切な判断をされますように要望を申し上げます。

知事は、選挙後の一番最初の議会の冒頭で新渡戸稲造博士の言葉を用いて将来の本県のあり方を説かれました。その言葉に現在も何ら変わることはないと思いますが、環境は非常に厳しさが進行している状況でもございます。強い気持ち、そして強いリーダーシップを持って、今後、県政に当たられますよう御要望を申し上げ、残時間につきましては新居田委員の方から質問をしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。