くどう大輔発言録

平成12年9月定例会 本会議

(2000年09月27日)

〇8番(工藤大輔君)

自由党の工藤大輔でございます。

本定例会におきまして、二度目の登壇の機会を与えてくださいました先輩、同僚議員に感謝を申し上げ、順次質問させていただきます。

近代日本の基礎を築き、輝かしい発展を遂げた20世紀もあと3カ月で終わりを告げようとしております。自主性や自立性、独自性を持つ生き生きとした地域社会の創造を目指す地方分権、地方の時代が叫ばれ、中央集権型の行政システムが見直されるなど、国と地方の上下関係は対等へと変わっていこうとしております。また、構造改革、IT革命、教育改革など変革期を意味するキーワードがマスメディアの間で取りざたされない日がないほど目にするなど、21世紀を目前に控え、明治維新、戦後の改革に次ぐ大きな転換期を迎えております。社会情勢を見ましても、景気の回復の立ちおくれや社会不安を増大させる事件の多発など、日本を取り巻く状況は先行きが不透明であり、国におきましても明確なビジョンを打ち出せずにおり、決して明るい光だけが立ち込めている状況にない中での21世紀への幕開けとなろうとしております。これまでも均衡ある発展や公平、平等の社会の実現を唱える一方、中央と地方、都市と農山漁村との格差は広がり、その是正を図ることは極めて困難な状況にあり、21世紀も格差の広がりを懸念するものであります。地域における振興策の基本は産業にあるわけでございますが、知事は、新しい時代における本県と全国及び県内地域間の格差是正をどのように見通しておられますでしょうか、お伺いします。

この激動の時代、力強く邁進する県土を構築するために、その先導的なかじ取りを県民は増田知事に託し、職員と一体となって県勢発展を図ってほしいと期待をいたしておるわけでございます。しかし、そのような中で、増田県政の新しい総合計画の実質初年度に、県職員の不祥事が連続して発生していることはまことに残念であり、再発防止策を講ずることはもとよりですが、高いモラルを掲げ、職員の教育と研修を通じて県民の信頼をかち取り、ともに手を携えて県勢発展に邁進できますよう御期待申し上げます。

今日、国際化、地域間競争の時代を迎え、他の自治体はよきライバルであり、すぐれたところはお互いに学び合おうという認識と、他県に負けないマーケティングにより、類似する活動の域から一歩抜け出し、オリジナリティーの創造を進めることが生き残る要素となります。さらに、情報化の進展は、国内の他の自治体との比較・研究にとどまらず、特にも先進的な取り組みを行う自治体におきましては、海外にそのヒントを求めることも必要となります。しかし、このような認識のもと作成された施策がどんなにすばらしいものであっても、県民が生きがいを持ち、安心して暮らせなければ意味のないものであり、県民が日々どのように感じながら生活をしているのかを把握し、その意向を十分に踏まえた対応を図っていくことが重要であります。

本年6月から7月にかけて県民の意識調査を実施した結果、調査対象1万4、000人中、半分に満たない43.6%の有効回答率でございました。これは、県民の県政への参加意識がまだ低いことを示しております。また、平成9年の調査結果と比較をしまして、満足度の合計が56%から31%へと、実に25%も減少しました。項目別の満足度では、自然環境や医療機関、住まいに対する評価が高かったことに対し、不満の大きな要因は、雇用や産業振興、バリアフリーへの対応が上げられました。また、ある程度満足をしていても、社会資本の整備、医療や高齢化社会への対応の充実を望む声は多いものがあります。

そこでお伺いしますが、この3年の間に総体的に不満度が増した意識調査の結果をどのように認識し、新たにてこ入れを図っていくおつもりなのかお伺いします。

次に、県立大学における就職対策についてお伺いします。

県立大学は、平成10年4月に開学し、早3年目を迎え、平成14年3月には第1回の卒業生を送り出すことになり、滝沢キャンパスのすばらしい教育環境の中で学び育った若者が、本県において活躍をしていただくことを我々県民は大いに期待をしているところでございます。県立大学は、開学当初から独自の総合思考力試験をソフトウェア情報学部で実施するとともに、公立大学ではいち早くアドミッション・オフィス入試を実施するなど、受験生の個性や能力に着目し、意欲あふれる人材の確保に努め、また実学・実践重視の教育研究を通して、社会のさまざまな課題をみずから発見し、解決できる能力を身につけさせるなど、その人材の育成に対する積極的な取り組みに対して敬意を表するものでございます。

私は、このような専門的な知識、技能を身につけた優秀な人材が、各地域や産業界で活躍することが21世紀の夢県土いわての創造、発展に欠くことのできないことと考えており、第一期生の就職動向に大きな期待と関心を持ち、見守っているところでございますが、経済情勢が低迷を続ける中、昨年度の全国の大学卒業生の就職率は、労働省の調査によりますと、統計を開始した1996年度以降最低の91.1%となり、本県におきましては、さらに8.3ポイント下回る82.8%となるなど、大学生の就職を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。

県立大学は、これまで実学・実践を唱える西澤学長を初めとする優秀な教員スタッフの意欲的な取り組みにより、全国的にも高い評価を得ていると伺っておりますが、第一期生の就職状況が今後の県立大学の評価を大きく左右するといっても過言ではないと考えております。

そこでお伺いしますが、現下の厳しい雇用情勢の中にあって、県立大学では新設大学として第一期卒業生の就職対策に積極的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。

また、県内への就職を含め、学生の就職に対する意識はどのようになっているのか、あわせてお伺いします。

次に、路線バスの維持方策についてお伺いします。

乗合バス事業につきましては、本年5月に道路運送法が改正され、需給調整規制が平成13年度内に廃止されると聞いております。この改正は、規制緩和の流れの中で乗合バス事業における新規参入が容易となるよう、これまでの路線ごとの免許制を廃止して、事業ごとに輸送の安全性を中心に審査を行う許可制に移行することとし、これにより事業者間の競争を促進し、事業活動の効率化、活性化を通じたサービスの向上、多様化等による利用者の利便の向上をねらいとしております。また、乗合バス事業の運賃及び料金につきましても、バス事業者がより自由に設定できるよう、確定額の認可制から上限運賃のみの認可制に緩和されることになっております。しかしながら、乗合バス事業における今回の規制緩和によって、一方では、不採算路線からの撤退が容易になることから、広大な県土を有する本県におきましては、県民の重要な足である路線バスの維持が、今後より難しくなってくるのではないかと心配をしております。

そこでお伺いしますが、県内における路線バスの廃止の動向及び廃止後の対応策についてお示し願います。

さらに、今回の規制緩和を契機として、乗合バス事業者の撤退した後の地域における足の確保につきましては、これまで以上に地元市町村の役割が重要となることはもちろんですが、県北や沿岸部、中山間地域など、財政基盤の弱い市町村ほど負担が重くなる事態が考えられますので、これに対する県のお考え及び今後の対応について御所見をお伺いします。

次に、障害者の社会参加の促進についてお伺いします。

先般、50年ぶりに社会福祉事業法が改正され、新たに社会福祉法が誕生いたしました。

これは、国民生活の大きな変容に対応して、個人の尊厳や自立、そして利用者によるサービスの選択を基本理念とし、社会福祉のシステムを措置から契約に移行させる内容となっており、各方面から評価されているところでございます。特に私は、権利擁護や相談支援、手話通訳、盲導犬訓練施設など、障害者の社会参加や生活支援のための事業が社会福祉事業として法定化されたことにより、障害者施策がさらに前進するものと期待しているものでございます。

本県におきましては、県、市町村はもとより、福祉関係者の積極的な取り組みにより障害者の社会参加は着実に進展していると考えておりますが、重度の障害や視覚、聴覚等に障害をあわせ持っていることにより外出や意思表明が十分にできないなど、日常生活に制約を受けている、いわば施策の谷間に置かれている障害者がいると聞いております。そこで、重度の障害者や複数の障害をあわせ持っている障害者の現状及びこうした障害者の方々の社会参加をどのように進めるお考えかお伺いします。

次に、商店街の活性化策についてお伺いします。

地域経済を担ってきた商店街の衰退は、単に地域の活力の低下のみならず、長い歴史の中ではぐくんできた伝統、文化の衰退にもつながります。商店街の不振は、郊外などの大型店の影響のみに起因するものではなく、車社会への対応のおくれ、消費者ニーズの多様化などを背景とするものであり、商業統計結果によりますと、平成11年の県内の商店数は、平成9年に比較しまして2.5%の減少、その年間販売額は2.1%落ち込んでいるほか、平成9年度に岩手県商工会議所連合会等の行った商店街実態調査によりますと、県内の約4分の3の商店街に空き店舗が発生しており、問題が深刻化しております。

しかしながら、市町村の商店街は、地域経済の発展や豊かな県民生活の実現のためこれからも大切な役割を担っていくことから、今後、少子・高齢化、環境問題などの時代のニーズに対応した地域コミュニティーの中心として力強く再生していくことが求められているものと考えます。つきましては、競争力の弱まっている商店街を魅力あるものに活性化するため、県としてどのように対応していくのか御所見をお伺いします。

次に、工業振興についてお伺いします。

経済企画庁が9月に発表した国民所得統計速報によりますと、平成12年4月から6月期の国内総生産──GDP──は物価変動を除いた実質で1.0%上昇しておりますが、その内訳を見ますと、民間需要の寄与度がプラス0.2%であるのに対し、公共事業など公的需要の寄与度が0.9%と、公共事業主導の景気回復であり、緩やかな景気回復は続いているものの、本格的な景気の上昇にはほど遠いものがあります。また、9月の経済企画庁の月例経済報告によりますと、個人消費、住宅建設ともほぼ横ばいの状況が続いており、雇用情勢も完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しい状況が続いております。

今後、国、地方とも厳しい財政状況の中、予想される公共事業の減少は県内経済に少なからずの影響を与えると考えられ、公共事業依存型の経済構造からの脱却が求められておりますが、このためには内発型産業の強化が重要であると思います。県では、これまで内発型産業育成のため、工業技術センターの機能強化や岩手大学等との産学官共同研究の事業化などを進めておりますが、さらなる振興を図るためには、地域の技術や資源を活用した研究開発の推進や産学官の連携強化、新規創業者の育成などを一層強化していかなければならないと考えますが、今後の取り組みにつきましてお示し願います。

次に、漁業振興に関連して2点お伺いします。

まず、漁港、漁村などの基盤整備についてでございますが、昭和25年の漁港法の制定以来、県は今日まで鋭意漁港の整備に取り組まれ、県内各漁港とも順調に整備が進んでおります。

しかし、漁港の現状につきまして見ると、防波堤の延長が短く、高さも低く、しけなどの荒天時にも安全係留が可能な漁港が少なく、岸壁や作業用地も不足しており、つくり育てる漁業に十分対応できていないなど、現状の漁港にはなお課題が山積しております。

また、漁村の現状につきましては、地形的な制約から、背後に山が迫り、狭隘な敷地に家屋が密集して集落が形成され、集落内の道路や排水路の整備がおくれており、生活排水や水産加工排水が直接海に放流されているなど、生活環境の面からのみならず、漁場環境の面からも、改善に向けた早急な対応が求められております。さらには、本県漁業の大半を占めるつくり育てる漁業を一層推進するためには、漁場の整備がぜひ必要と考えるものであります。

漁業を取り巻く諸情勢は非常に厳しい状況が続いておりますが、現在実施されている第9次漁港整備長期計画及び第4次沿岸漁場整備開発計画が見直し時期になっていると聞いております。そこで、知事は、今後の漁港、漁村の整備をどのように進めていくお考えであるのか、基本的認識についてお伺いします。

第2点は、漁業所得の安定向上についてでございます。

本県の漁業生産量は、ここ10年間25万トン前後で推移しており、沖合・遠洋漁業の不振が続いていることから、今後、急激に増大するとは思えない状況にあります。本県水産の減少率を食いとめているのは、つくり育てる漁業へいち早く転換を図ったことが大きく、沿岸漁業生産量の70%、生産額の80%がつくり育てる漁業の生産となっております。

本県は、品質においてトップクラスの生産物を有しており、岩手三陸ブランドも定着していることから、放流事業、増殖事業の拡充と生産効率の向上を進めることが漁業所得の安定向上につながると思いますが、今後の取り組みと消費拡大にどう取り組んでいくお考えかお伺いします。

次に、沿岸北部地域における新幹線関連道路と県際道路の整備状況についてお伺いします。

平成14年末の東北新幹線盛岡以北の開業により、東京方面との時間距離が短縮され、久慈地域や二戸地域に経済面や観光面などさまざまな効果を及ぼすことが期待されております。しかしながら、そうした効果も、新幹線駅までの時間距離が短縮されて初めて十分に発揮されるものであり、そのためには、例えば軽米地内の曲がりくねった隘路の解消を図るなど、新幹線駅につながる道路の整備を進め、少しでも時間短縮を図っていくことが肝要であります。

そこで、新幹線の開業が間近に迫っている現在、沿岸北部地域から新幹線二戸駅までの道路整備の進捗状況についてお伺いします。

なお、国事業ではございますが、青森県の八戸駅につながる久慈-八戸間の高規格道路の進捗状況もあわせてお示し願いたいと思います。

また、主要地方道八戸大野線は、県際道路として青森県と大野村、山形村と連絡する重要な路線でございますが、部分的に幅員が狭く、線形も不良であり、特に大野村明戸地区では直角に折れ曲がり、近くの明戸橋は狭隘で、ともに大型車両のすれ違いが困難な状況にあります。そこで、本路線の整備について、県はどのように考えておられますのかお伺いします。

次に、災害対策に関してお伺いします。

昨年10月28日、未曾有の豪雨災害に遭った県北地域は、被災から1年を迎えようとしております。その傷跡は至るところでいまだ残っているものの、それぞれの自治体と住民の絶え間ない努力、県の御支援の結果、今、力強く確実に立ち上がっております。

しかし、町並みや住民の方々の表情が回復してきても、災害の恐ろしさは経験した者にしかわからないと口々に言われた方々の心の奥に秘められたあの恐怖心、台風が近づくにつれ襲ってくる不安は拭い去ることはできません。

国や自治体におきましては、危機管理に対する住民相互の意識の高揚を図るとともに、災害を未然に防止するため、平時も怠りなく積極的な基盤整備を進める必要があります。しかし、建設省のある方は、軽米町中心部を流れる雪谷川は、大雨が降った場合はんらんのおそれがあると去年の災害以前に指摘しておりました。実際、10年前の大雨のときは川の水位が橋を越える勢いであったわけですが、災害前の県の現状認識はどうだったのでしょうか。また、どのような対策をとっていたのかお伺いします。

あわせて、災害時の応援体制についてお伺いします。

本年7月13日、一関、千厩、大船渡の地方振興局管内の13の市町村と宮城県の24市町村との間で災害時の相互応援協定を締結いたしました。この県境の壁を越えた取り組みは大いに評価するものであり、地方振興局が先導的役割を果たしたことは、私は、地方振興局の自立が高まり、地域に根づいた活動が浸透してきているものと受けとめております。全国的に局地的な災害が多発している中、県、地方振興局が積極的に旗振り役を行い、市町村間の応援協定に基づく支援の実効性を高めることや、県の北部や西部における他県との応援協定の締結を促進することは、被災者の生命、財産をいち早く守るとともに、ライフラインの早期確保につながると思いますが、今後の取り組みについて御所見を賜ります。

最後に、少年の非行防止策について警察本部長にお伺いします。

県警におきましては、教育委員会や関係機関、ボランティア団体などと連携し、少年の健全育成と非行防止に努めてこられましたが、非行の防止は、親子、兄弟姉妹が生活する家庭、同級生や上・下級生、そして教師と学び生活する学校、連帯感による地域社会とが相互に連携し、真剣に取り組んでいく必要があると考えております。また、少年自身も、非行問題を自分たちの身近なだれにでも起こり得る可能性を秘めた問題と認識をして考えていくことが重要であります。

このようなことから、県警では岩手っ子すくすくネットワークを各警察署に発足させましたが、その効果をどのように評価し、それを踏まえて、今後、どう取り組んでいくお考えかお伺いします。

また、少年の覚せい剤事犯についてお伺いします。

近年、少年による薬物の使用は増加傾向にあり、特にも、覚せい剤の補導は全国で1、000人を超える数で推移しております。また、押収量に至っては、昨年は2トン近くに及ぶなど、急激な増加を示しました。少年の覚せい剤使用は、ファッション感覚や好奇心からくるものが多く、恐ろしいとはわかっていても、すぐにやめられるだろうという安易な考えで手を染め、そのうち薬物の依存性の高さからやめることができず、やがて殺人や強盗などの犯罪を引き起こす結果にもつながります。本県におきましても、17歳の高校生を含む3人の少年が覚せい剤の乱用により検挙、補導されており、まことに憂慮される状況にあります。

そこでお伺いしますが、本県における覚せい剤事犯の状況と少年による覚せい剤の乱用実態、その防止対策についてお伺いします。

以上で私の質問を終えさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

〇知事(増田寛也君)

工藤大輔議員の御質問にお答え申し上げます。

まず、本県と全国、そして県内地域間それぞれでの格差是正について、お尋ねがございましたが、まず、本県と全国ということからいいますと、本県の1人当たりの所得水準は、昭和60年度には国民所得の78.9%というところでございました。それが平成10年、これが一番最新の統計でございまして、平成10年度には87.3%。昭和60年度に国民所得の78.9%であったものが平成10年度には87.3%となっておりまして、まだ開きはあるんですが、およそ15年弱ぐらいの間に大分全国水準に近づいてきたということが言えようかと思います。県内で見ましても、地域間、沿岸地域においては県全体の平均を下回っているんですが、その差が徐々にではありますが詰まってきております。平成10年の市町村別の統計がまだ出ていないので、前年の統計などをずっと見ておりますと、沿岸部と県平均との開きはだんだん縮まってきているということが言えようかと思います。ただ、やはり総体的に申し上げますと、議員の方からお話がございましたとおり、県内の都市部と農山漁村等での地域間ではまだ大きな開きがあるというのが実態だと思っております。

一方で、今、21世紀を目前に控えているわけでございますが、これからの21世紀を見通したときに、よく真の豊かな社会とか、本当に豊かな社会とは何かということがよく言われるわけでございますが、そうした真に豊かな社会というのは、岩手の先人たちが今まで守りはぐくんできた豊かな人間性があったり、あるいは生活の質を大切にする社会ということ、これが岩手県のいい伝統であって、産業振興による経済的な豊かさ、先ほど所得の水準を申し上げましたので、いわば金として幾ら入ってくるかというそういう経済的価値で判断をしているわけですが、そういう経済的な豊かさに加えて、自然環境やゆとり、それから人間性などといったような、そういう所得統計の数字でははかりにくい要素というものもすべて加味した、そういう県民生活の実現を目指すということがこれから必要であって、総体としていろいろ格差ということが言われるわけで、その尺度をどういうふうに置くかというのはやはりそれぞれの人の価値観にかかってくると思います。やはり私は、総体として格差と言われるものの解消や県土の均衡ある発展というものは、そういう真に豊かな県民生活の実現という意味でとらえるべきではないかと、このように考えております。

したがいまして、今後におきましても、やはり県内各地域いろいろ個性や特色があるわけでございますが、そうした地域の個性を最大限発揮すること、そして、それぞれの地域が個性を最大限磨くということで努力をしていくこと、これが必要だろうと思っておりまして、また、そうしたことの上に、地域の特性を生かした農林水産業や商工業の振興、さらには情報・技術などの知的資本の集積、それから医療・福祉や環境などの新たな分野における産業創出など、産業振興施策も含めて積極的に展開して、個性と活力に満ちた自立的な地域づくりや地域間の交流と連携を促進しながら県土の均衡ある発展に取り組んでいきたいと考えております。

次に、県民意識調査について、お尋ねがございました。この調査は、県民の意向を把握しながら、県の取り組み方向や重点の置き方について、県民の皆さんの意識との乖離が生じないようにするために、県の施策に関して、満足度ですとか、優先度をお聞きしたものでございます。今回の調査はことし前半に行ったもので、その結果を先般発表したわけですが、3年前の平成9年に新しい総合計画を策定するに当たって行った県民意識調査と比較してみますと、今、お話ございましたとおり、相対的に満足度が低くなるという結果となっております。調査項目ですとか聞き方が若干違っていますので単純な比較がなかなか難しいんですが、今回の調査の方がより客観的な聞き方をしておりますので、むしろ今回の方が実態に近いということが言えるかもしれません。いずれにしても、来年からは県政モニターを対象にして毎年毎年ことしと同じようなやり方をしていきますので、そのことによってまたそのあたりの意識がよりはっきりしてくると思うんですが、こういうように、いずれにしても3年前と比べて満足度が低い結果となってますが、これは、長引く景気低迷や雇用不安など現下の厳しい経済情勢などを色濃く反映したものと、こんなふうに受けとめております。

今回の調査結果の特徴を見ますと、満足度、優先度とも高い項目として、川や海などの水、空気の浄化、保健・医療・福祉サービスの提供などが挙げられておりますし、また、満足度が低く、一方で優先度が高いと考えられる項目としては、自分の能力を生かして働ける職場の確保、それから農林水産業の振興、高齢者・障害者対策、こういったものがあるわけでございまして、これらを総体的に見ますと、今、申し上げましたように、県内の産業活性化ということが願いとして色濃く出ているとともに、岩手の豊かな環境の中での快適で安心な暮らしに対する県民の皆さん方の強い希望があらわれていると、このようにとらえているところでございます。

この調査結果につきましては、今後、さらに詳細に分析を加える必要があると思っておりますが、これからの施策の展開、そして、差し当たっては来年度予算にこの調査結果を反映させていく考えでございます。

次に、漁港、漁村の整備についてもお尋ねがございましたが、漁港、漁村は、漁業生産や水産物の流通加工の基地であるとともに、漁業従事者、沿岸地域住民の生活の拠点として大きな役割を果たしているわけでございまして、その整備は、水産業という分野のみならず、沿岸地域全体の振興を図る上からも極めて重要な課題であると、このように認識しています。

一方で、本県水産業を取り巻く情勢は、漁業生産量の減少や魚価の低迷など非常に厳しい中でございまして、とりわけ本格的な200海里時代を迎えておりまして、水産資源の持続的利用のために、水産生物の生息環境の保全、創造、それから、安全で効率的な水産物供給体制の整備、良好な生産環境の形成を目指した漁村の総合的な振興など、これは今までの視点になかった新たな視点なわけでございますが、こうした新たな視点に立った対応が求められているというところでございます。

このため、国の水産政策の見直しにも即しながら、今、申し上げましたようなこれらの課題に的確に対応し得るよう、漁港、漁場、漁村の整備を一体的、総合的に推進するということで、現在、漁業者の参画も得ながら、そのもとで新たな整備計画の策定に取り組んでいるところでございます。この中では、つくり育てる漁業の一層の推進や漁業生産の効率化、ハセップに対応した流通加工の高度化などを目指した施設の整備を効率的、効果的に推進することとしておりまして、特にも、きれいな海を守り、快適な生活環境を形成するため、漁業集落排水施設の整備に特に重点を置くこととしているところでございます。

今後とも、これらの取り組みによって、本県水産業の振興と活力ある漁港、漁村の形成を図るために最善の努力を傾注していく考えでございます。

その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁をさせますので、御了承お願いします。

〇総務部長(武居丈二君)

まず、県立大学の就職対策についてでございますが、新規学卒者の雇用情勢は依然として厳しい状況にありますことから、平成14年に第1回卒業生を送り出す県立大学としては、教職員が一丸となって積極的な就職対策を講じる必要があるものと認識しております。

大学では、現在、学生の就職意識の高揚を図るとともに、企業等を訪問し職場開拓に努めるなど、さまざまな就職対策に積極的に取り組んでいるところであり、具体的には、平成11年度から企業の人事担当者などを講師に就職ガイダンスや業界研究セミナーを開催してきているほか、本年度は、企業や自治体などで学生が就業体験を行うインターンシップの実施や、企業や医療・福祉施設等を対象とした交流会を行うこととしております。

また、学生の就職に対する意識についてでありますが、大学では3年生を対象に進路希望調査と個別面談を行った結果、各学部とも学生の多くがそれぞれの専門性を生かした職種を希望しており、県内への就職を希望している学生はおおむね4割となっております。

なお、学生みずからが主体的に就職活動を行う自主組織を昨年11月に設立し、大学と一体となって活動を展開するなど、学生の就職意識も高まってきていると認識しております。

大学では、今後とも、学生への就職指導はもとより、企業訪問や広報活動を行うなど、就職対策を積極的に推進することとしておりまして、県といたしましても、教職員と学生とが一体となって就職活動を進められるよう支援してまいりたいと考えております。

次に、災害時の応援体制についてでありますが、最近における災害の態様は、昨年の軽米町を中心とした県北の大雨洪水災害や有珠山の噴火災害の例をとるまでもなく、限られた地域の市町村に被害が集中する災害ですとか、同時多発的、広域的に複数の市町村に災害が発生するものなど、複雑多様化してきております。こうした災害に適切に対応するためには、被災市町村単独の災害対応だけでは限界があり、今後ますます隣接する市町村はもとより、地方振興局や県境を越えた地域との連携による広域応援体制が必要になってくるものと認識しているところであります。

災害における都道府県間、県内市町村間等の相互応援協定につきましては、災害対策基本法や消防組織法に基づき既に締結されているところでございまして、また、友好提携などの関係をもとにした県内外の市町村間におけるさまざまな応援協定も締結されているところであります。しかし、先ほど御質問にもございましたように、地方振興局を単位とする県境を越えた広域の市町村間の相互応援協定につきましては、本年7月に締結されました一関、千厩、大船渡の3地方振興局管内の13市町村と宮城県の24市町村の相互応援協定が初めてとなるものでございます。県といたしましては、市町村間で締結された応援協定の実効性を高めるため、地方振興局を通じて関係市町村が常日ごろから密接な連携を図られるよう支援を行うとともに、県南以外の他地域における県境を越えた応援協定の締結につきましても、関係する地方振興局や管内市町村の話し合いの中で、そのような方向性が出される場合には、地方振興局とともに隣接県との橋渡しを行うなど、積極的に対応してまいりたいと考えております。

〇企画振興部長(佐藤徳兵衛君)

路線バスの維持方策についてでありますが、まず路線バスの廃止の動向につきましては、運輸省の岩手陸運支局によりますと、平成7年度から11年度までの5カ年間に、県内で69路線602.8キロメートルが廃止されており、廃止後の対応策として、地元市町村が必要に応じて廃止路線代替バスを運行しております。11年度末では種市町を初め38市町村において、直営またはバス事業者への委託により廃止路線代替バスを運行しており、その運行経費については、特別交付税により8割が補てん措置されている状況にあります。

また、今後の路線バス廃止後の地域における足の確保につきましては、それぞれの地域の実情に応じてきめ細かな対応が求められる、まさに地域に密着した課題であります。こうしたことから、これまで以上に地元市町村が主体的な役割を担い、国、県、バス事業者等との連携のもとに対応していく必要があると考えております。このような考え方に立って、現在、生活路線の確保のために必要な措置等を協議するために、国、県、市町村及びバス事業者等をメンバーとする協議会を設置すること及びその運営方法などについて検討中でありますけれども、公的補助制度のあり方についても、国における補助制度や財源措置の検討の動向を踏まえつつ適切に対応してまいりたいと考えております。

〇保健福祉部長(関山昌人君)

障害者の社会参加の促進についてでありますが、障害者施策の基本は、障害者ができる限り住みなれた地域において、その持てる能力を最大限に発揮し、自立して、その人らしく生きることを目指せるよう支援するとともに、社会・経済活動に積極的に参画できる、バリアのない地域社会を築いていくことであると考えております。本県では、直近のデータによりますと、身体障害者のうち46%、約2万4、000人、知的障害者のうち45%、約3、000人が重度の障害を有しております。身体障害と知的障害をあわせ持つ障害者は約490人、視覚障害と聴覚障害が重複する、いわゆる盲聾者は約220人と把握しております。また、重度の心身障害のうち、約1、700人が入所施設で生活され、精神障害により入院医療を受けている方が約4、600人おられることから、これらの方々についてもできる限り社会参加を促進することが必要と考えております。県におきましては、これまで福祉的就労の場としての通所授産施設や福祉作業所等の整備を初め、デイサービスや精神障害者生活訓練施設の整備、バリアのない地域社会を築くためのひとにやさしいまちづくりの推進、さらには手話通訳者の派遣等によるコミュニケーション手段の確保、及びガイドヘルパーの派遣による外出時の介助等の諸施策を講じてきたところであります。

今後におきましては、障害を持ったことによる情報格差、いわゆるデジタルディバイドの是正を初めとして、初めからバリアを設けない、ユニバーサルデザインの視点も踏まえた地域社会の形成に努め、障害者の社会参加を積極的に進めてまいりたいと考えております。

〇商工労働観光部長(鈴木清紀君)

まず、商店街の活性化対策ですが、商店街の活性化を図るためには、個々の事業者や商店街が高齢化や情報化など環境変化を踏まえまして、みずから創意工夫を凝らしながら消費者ニーズに積極的に対応し、魅力ある店舗づくりや商店街づくりを進めていくことが大切であると考えております。県では、それぞれの地方振興局におきまして、活性化に意欲のある地元商店街と連携しながら、その取り組みに対して多様な支援をしているところでございます。

例えば魅力ある商店街整備事業による湯田町商工会コミュニティ施設整備や陸前高田駅通り商店街のアーケード改修、それから被災商店街商業基盤施設整備事業によります軽米町商店街の有線放送設備などの助成支援を行っているところであります。また、商店街情報化整備事業によりまして、矢巾町、大槌町などにおけるポイントカード導入などの情報化を促進しております。また、ソフト面でも、中小商業活性化事業による東山町商工会の高齢者への宅配サービス事業、それから地域活性化事業調整費によります大野村中心街の賑わい通り創造事業などを初め、各地のさまざまな商店街活性化対策を支援してきているところであります。また、中小商業活性化事業という補助事業がございますが、この中にはメニューとして、高齢者・障害者に優しい街づくりや環境保全・資源再利用促進などの新たな社会的ニーズに対応した事業がありますので、このような事業に取り組む商店街等に対しては積極的な支援を行いたいと考えております。今後におきましても、地域の実情に応じた各種補助事業を活用しながら、引き続き各地における商店街の意欲ある取り組みをきめ細かく支援してまいりたいと考えております。

次に、工業振興についてでありますが、内発型産業の育成・強化のためには、現在、県内で活動している企業の経営革新に向けた前向きな取り組みや意欲的な新規創業者への支援が大切であると考えております。まず、経営革新などの支援といたしましては、現在、中小企業経営革新支援法に基づきまして、新事業分野への進出や新しい経営方式の導入などに取り組んでおります12企業に対しまして、経営革新計画を承認の上助成支援を行っております。また、中小企業創造活動促進法に基づきまして、現在、独創的な技術開発に取り組んでいる23企業に対して、事業計画を認定の上の助成支援を行っております。それから、いわて産業振興センターのコーディネートによりまして、県内の大学と企業が共同で、軽量で強靭な鋳鉄の実用化技術などの技術開発に取り組んでおりますし、工業技術センターにおきましては、アカマツを床材として利用する特殊表面処理技術の技術開発を行うなど、地域の研究成果の実用化に向けた取り組みが進められているところであります。また、新規創業者への創業支援といたしましては、いわて産業振興センターを中核とした地域プラットホーム体制によりまして、いわて起業家大学などによる起業家の育成やコンピュータグラフィクス技術の開発企業など、インキュベータ入居企業への技術コンサルティングなどの支援、それから企業の創業に必要な資金の融資など、創業準備段階から商品化、事業化に至るまでの一貫した総合的な事業を展開しているところであります。

今後におきましても、現在のこのような取り組みを強化いたしますとともに、成長が期待されます環境、情報、医療・福祉などの分野における企業の新たな取り組みを支援するなど、経済構造の変化に対応できる活力ある地域企業を育成してまいりたいと考えております。

〇林業水産部長(本山芳裕君)

漁業所得の安定・向上についてでありますが、つくり育てる漁業は、沿岸漁業の中でも計画的な生産が可能で比較的収入が安定していることから、本県では、古くからサケ、アワビ、ウニ、ワカメ、カキなどを対象として、つくり育てる漁業を積極的に振興してきたところであります。今後、漁業所得の一層の向上を図っていくためには、消費動向に対応し、新たな栽培魚種を拡充することが重要であり、平成13年度からはヒラメ、マツカワの種苗を放流することとしており、また、最近、本県沿岸にも広く分布していることが確認されたイワガキにつきましても、新たな養殖対象種として早期に技術を確立し、その普及を図っていくこととしております。

さらに、サケ、アワビ等については、健全な種苗の確保、放流により、回収率の向上を図ることを期待しております。一方、これら本県水産物の一層の消費拡大を図るため、新たな市場を積極的に開拓していくことが必要であることから、大阪や福岡の消費地市場で開催してきた展示・商談会などを引き続き実施していくとともに、生産者の顔が見える産直等につきましても、水産関係団体等と連携を密にし、その促進に努めていく考えでございます。また、新鮮な本県水産物の市場性を高めていく上で、消費者ニーズに対応し、良質で安全な水産物を提供していくことが重要になっており、産地においてハセップ方式による衛生管理を推進するなどにより、漁業所得の安定向上に鋭意努めてまいりたいと考えております。

〇土木部長(竹内重徳君)

沿岸北部地域における新幹線関連道路と県際道路の整備についてでありますが、まず、沿岸県北地域から新幹線二戸駅へのアクセス道路の整備につきましては、種市町からノソウゲ峠、猿越峠を経由する種市ルートと、久慈市から戸呂町、宮沢を経由する久慈ルートの二つのルートを新幹線関連道路として位置づけ、重点的に整備に取り組んでいるところであります。その整備状況については、種市ルートは平成10年度に完成しておりまして、久慈ルートにつきましても、軽米町の宮沢トンネルが本年4月に貫通したほか、二戸市と九戸村にまたがる折爪トンネルが、本年10月中には貫通の見込みとなるなど、着実に工事が進捗しており、平成14年末予定の新幹線開業に合わせ、引き続き整備を進めてまいる考えであります。

次に、久慈-八戸間の高規格道路につきましては、八戸久慈自動車道延長約50キロメートルのうち、供用済み区間は久慈道路の3.2キロでありますが、昨年10月に八戸市内の八戸南環状道路8.6キロメートルが工事着手され、さらにこれに接続し、階上町に至る八戸南道路8.7キロは、ことし4月に整備計画が策定されたところであります。残りの区間約29キロについては、現在、整備計画策定に向けた調査が進められていると聞いておりまして、県といたしましては、今後とも早期の計画策定を国に働きかけてまいる考えであります。

次に、主要地方道八戸大野線の整備につきましては、本県の県北地域と八戸地域の交流の促進に欠かせない県際道路でありますが、御指摘のとおり、部分的に線形が不良で狭隘な区間が残っておりまして、現在、現況調査等を進めているところであります。今後、この調査の熟度を高め、地域の方々とも十分話し合いながら、整備の時期も含めて引き続き検討してまいりたいと考えております。

次に、雪谷川の災害前の現状認識と対策についてでありますが、雪谷川は全川にわたって川幅が狭く、近年では平成3年、平成5年などの大雨による洪水により、たびたび被害を受けており、上流部においては災害関連事業などによる改修を行ってきたところであります。一方、軽米地区においては、町の中心部であり、特に家屋が集中していることなどから、抜本的な改修が必要であると認識していたところであり、このため県といたしましては、雪谷川の複数の改修計画案を策定し、軽米町に対して説明をしてきたところであります。

また、この改修を行うに当たって、県の事業としてはこれまでに例のない多くの家屋移転が必要となり、地域社会に大きな影響を及ぼすことから、地域の声をお聞きするため、平成9年度に地元町内会、商工会、漁業協同組合等の代表からなる懇談会を開催いたしております。この懇談会においては、治水、利水、環境の面からさまざまな御意見をいただいたところでありますが、これまでの洪水に対しては、水防団などによる水防活動によって、家屋の浸水被害を最小限にとどめることができていたことなどから、早期整備の機運が高まらなかったこともありまして、具体の計画を地域にお示しすることができない状況の中で、昨年10月、これまでの雨量をはるかに超える未曾有の豪雨による洪水が発生したものであります。

今後とも、軽米地区の河川改修につきましては、関係の皆様の御理解と御協力をいただきながら、新しいまちづくりと一体となって早期の完成に向け努力してまいりたいと考えております。

〇警察本部長(出原健三君)

少年の非行防止対策についてお答えいたします。

初めに、すくすくネットワークについてでありますが、県警におきましては、平成10年に全国に先駆けまして、岩手っ子すくすくネットワークを各警察署管内に構築しております。これは、各地域の実情に応じた非行防止活動をより効果的に推進するために、中高校生、教師、関係機関、地域住民や少年関係ボランティアなどをメンバーとして構成しているもので、県内に21のネットワークを発足させ、活動を展開しております。

その主な例を紹介しますと、盛岡東署では盛岡東・岩手っ子すくすくネットワークを、久慈警察署では九戸っ子すくすくネットワークの名称で、中学生、教師、地域住民等がメンバーとなり、何でも話そうわいわいトークの開催や万引き防止三ない運動など、非行防止のためのさまざまな活動を進めております。その結果、本年8月末現在の県内の補導総数は、前年と比較して減少しており、その中でも特に万引きが大幅に減少しております。これは、この活動の一つの成果と考えております。

今後とも、すくすくネットワークを通じて、少年の健全育成にかかわる家庭、学校、地域社会などと一体となって情報の共有化を図りながら、総合的な少年非行防止対策を推進することとしているところであります。

次に、少年の覚せい剤事犯の状況についてであります。

覚せい剤事犯は、全国的に第三次覚せい剤乱用期と言われている中にあって、本県の8月末現在の検挙状況は38人を検挙し、約93グラムを押収しております。ちなみに、この押収量は東北管区内では一番多い量となっております。少年の覚せい剤事犯の補導状況は、女子高校生が含まれるなど、対象の広がりとともに低年齢化が一層進展しており、憂慮される状況にあります。さらには、特定の地域に集中しているのではなく、県内全域で発生する恐れのある事犯でもあります。県警といたしましては、取り締まりを強化するとともに、薬物乱用防止広報車──愛称でかがやき号と呼んでおりますが──この薬物乱用防止広報車を活用して、中高校生等を対象とした薬物乱用防止教室を開催しているほか、文化祭や地域防犯活動等の各種イベントで薬物の恐ろしさなどについて広報活動を行うとともに、非行防止活動を強力に推進しているところであり、今後ともこれらの施策をさらに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

なお、最近の少年問題の深刻化に対処するため、県警におきましては、強くやさしい少年警察の運営を基本方針に、悪質、粗暴な少年犯罪に対しましては、本年7月に発足させました少年事件特別捜査隊による厳正かつ迅速な捜査を推進しているところであります。